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良い「場」を作る条件をシェアハウスから考えてみた

もし結婚していなかったら、今頃の私は雪のあるどこかの国のシェアハウスに暮らしていると思う。

一人で住むよりは色々と気を遣うけれど、家族と住むような賑やかさや安心感も少しある。緩やかなつながりや、お互いの存在を感じながらも個人は尊重する、という距離感の心地良さは、他人と一つ屋根の下に暮らした事がある人なら共感してもらえるのではないでしょうか。

日本でもここ10年くらいの間に、シェアハウスに住むという選択肢が徐々に認知されてきたように思います。テラハ効果で、シェア=おしゃれな家&生活というイメージが付いたせいかな。(テラスハウスは直訳すると「長屋」で、おしゃれ感からは対極にありそうな単語ですが。)

最近、シェアハウスの運営会社の方にお話を聞かせていただく機会がありました。そこで、トラブルなく自走できるシェアハウスの条件について色々と見えてきたのですが、これってシェアハウスに限らず、クローズドな「場」を運営するにあたっての共通項が多そうだと気付きました。

【良い状態の「場」をキープするための条件】
1.メンバーの一人ひとりが自立(自律)している
2.一定のフィルターを通過した人だけが入れる
3.自分が起こした事の結果が良くも悪くも自分に返ってくる仕組み
4.メンバー同士のつながりを育む仕掛け
5.いざという時に危険因子を強制的に排除できるセーフティネット

こういったことを通じて、「場」がメンバーにとって居心地がいい場所になり、帰属感や、そこを良い状態に保とうというモチベーションにつながっていくのかなと。

逆に、会社でもコミュニティでも、こういった条件にヌケや機能していない部分があると、そこからほころびて最後は崩れているような気がします。

例えば、他人に依存しないと自分を保てないような人、場を荒らして存在をアピールするような人、自分の行動が後にどう繋がるか想像できない人、隣の人が何をやっているのかわからない、トラブルの時に助けを求める先がない、など。

ありがたいことに、今プライベートの方で関わっているコミュニティではこの条件が満たされていて、とてもいい環境だと思うけれど、会社ではどうかな、と考えてしまいますね。

そして、一番身近なコミュニティ「家族」の場合は、5.の強制排除は難しい。場ごと無くなってしまうリスクと、うまく運営できないことでしなければいけない我慢とを天秤にかけることになりそうです。それとも、クローズドな関係を諦めて、ご近所や行政に頼るようなオープンな組織にするとか。そんな場面が一生来ないことを祈るばかり…。

もっと良い「場」を作りたい、と思った時に、どの条件に工夫の余地があるか、また記事を見直しながら考えていきたいと思います。


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