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【獸ノ森】 戦闘中の死亡・キャラロストについて【考察】

■はじめに

はじめにお伝えしておきますが、このノートは"戦闘中の死亡に関するルールをより厳格にすべきだ!"とか、そういった趣旨で作成しておりません。ルールはルールブックに書かれていることと、卓のメンバーとの合意によって決まります。

何が趣旨かというと、モダンファンタジーRPG「獸ノ森」における「死亡」や「キャラロスト」というものについて、自分なりの考えを(妄想込みで)記述することです。

ただただ、この文章がどなたかの獸ノ森のプレイングや創造の、何かのきっかけとなったら嬉しいな~という思いで書きましたので、そういった前提でお楽しみいただけると何よりです。


■私をとりまく"死亡"事情

獸ノ森には「シビアな異世界を生き抜く」という世界観が根底にあります。

強大な獸・悪意ある人間・過酷な環境。それらを共に乗り越える仲間と出会い、魔力に魅せられ、仲間や思い出を失いながら、やがて自分も悲惨な最期を迎える。そんな様を楽しむことが出来る素晴らしいシステムです。

特に戦闘中は、獸ノ森ならではの美味しいところがたくさん詰まっています。ですが、何度もプレイしているとふと疑問に思いました。

「あれ、意外と戦闘中に死ぬことってなくね?」

私自身の経験でいえば、戦闘中に行動不能になったキャラクターは戦闘から脱落させ、概念的な存在になることがほとんどなのです。
みなさまの卓ではどうでしょうか。

ルールブックには戦闘中の死亡の扱いについて、細かい規定がありません。
ただ、裁定の一例として、絶望的な状況に陥ったとしてもなんだかんだで生き残らせればいいじゃん(p175)的な記述があります。

そのマインドを無意識的に取り入れた結果、行動不能になったキャラクターをメタ時空に移動させるような状況が生まれたのかもしれません。

(倒れたあいつはそこに居るんだけど、でも居ないとも言える、みたいな妙な感覚ですね。非常に面白いですね。写真撮影の日に休んだクラスメイトが、仕上がった写真の右上にワイプで表示されている感じですね。この例えは全然関係がないですね。)


■終焉活動、略して終活

そういったルールの曖昧さが解釈の余地となって、時にはドラマチックな展開が生まれることもあると思います。

ですが、私はあえてこの「死亡の扱い」について考えてみたい。なぜなら獸ノ森には、キャラロストまでの過程を楽しむという"良さ"があるからです。

ここで突然ですが、キャラロストのパターンを挙げてみます。

◇日常界で魔石を使う
このロストはPLがタイミングや描写をコントロールしやすい。
日常界の絆や願いを忘れられず、自らを犠牲にするPC…嗚呼エモい。

獸憑きが12に達し獸化する
獸に止めを刺す、魔法の使用を制限するなどして
こちらもある程度コントロールできそう。
獸化後の展開も胸熱。エモを差し上げます。

救済の魔石や仮面の魔石を使う
めっちゃレアケ。でもロストの手段としてオシャレ。
仮面の魔石を絡めたキャラクター背景は、無限に妄想を広げられる。
エモ、3つです(堺正章)。

死亡してから一定ターン経過する
死亡後に復活や再構成の魔石の使用が間に合わなかったパターン。
世界設定としては、いつ起きてもおかしくない結末。
故に描写のコントロールが困難。PLの(何かの)力量が問われる。

獸ノ森のキャラクター育成って本当に楽しいですよね。

能力値の上昇だけじゃなくて、貌の性質に変化を加える・仲間との絆を深める・特性を追加して個性を伸ばすといった、キャラクターの内面や価値観の変容、仲間との関係の深まりなどの、人間臭い複雑なあれこれがデータと結びついているところが大好きです。

それだけに、愛着をもって育てたキャラクターのロストという一大イベントは、他のことでは得難い、独特な体験ではないでしょうか。

このキャラが死ぬときはこんな最期が良いな、こんな言葉を残して去りたいな…みたいな妄想を皆さんもよくしちゃいますよね?私はします

キャラクターが死ぬときを想像する。これはいわゆる"終活"です。

その終活の想定の中に当然「死亡」も含まれるわけですが、前述したとおり実際の戦闘で死亡することは(少なくとも私の周囲では)ほとんど無いのです。これは非常にもったいない!

「このキャラクターは獸に負けて、動けないまま内臓をムシャムシャ食べられながら、最愛の人の名を最後に呟いて絶命したいなあウヒョヒョ」

などと妄想を繰り広げても、気が付いたら

「かつて愛した人の顔も忘れた頃、とうとう獸に成り果ててしまい、仲間の内臓をムシャムシャ食べちゃってたよ!」

となっているかもしれませんよ!



…それはそれでめっちゃ良いな。

そういうままならない現実を楽しむのもアリですね~。


■戦闘中に「死亡」させるためのルール案

キャラロストとの関連はさておき、「死亡」の条件を整理しておくことで、ゲーム的な面でのメリットがいくつかあります。


まず、ルールの曖昧さを解消することで、解釈のすり合わせやルール確認の手間を簡略化し、セッションの進行がスムーズになります。

特に慣れていないうちは一つ一つの処理の確認に手間取りますし、そうでなくても獸ノ森は各種修正やルールが多彩ですから、GMやPLの負担軽減が期待できます。

いっそGMが、戦闘中に死亡はしません!行動不能になったら一時的に謎空間にぶち込みます!と言い切れば、わかりやすくはありますよね。


また、死亡のハードルが下がる(死にやすくなる)ことで、PLに緊張感を持たせられるでしょう。

獸ノ森は"恐怖"というものもテーマの一つになっています。それはセッションの最後、経験点入手の際に、恐怖について語ってもらう時間が設けられていることからも明らかです。

死の恐怖は誰もがイメージしやすいものなので、それをチラつかせることはゲームの楽しませ方としてはアリです。


さらに、難易度の調整としても機能するのではないかと考えます。

PCの成長に伴って、登場する獸やギミックもより強力・凶悪にしていかないと張り合いがありませんよね。

ゲームの難易度を上げることで、クリアした時の達成感も高まります。

高難度のアクションゲームや縛りプレイの中には、一度死んだらやり直しが出来ないといったものがあるので、それを獸ノ森にも適用しようという試みですね。


さて、いよいよ具体的な戦闘中の死亡ルールについて考えてみましょう。

①部位ダメージルールの採用
追加サプリメント 嚙神ノ宴をお持ちの方はご存じの通り、負傷してしまうと当たり所が悪ければ即死します。
あらゆる判定処理が複雑になりプレイングが激重になるので、いろいろな意味で上級者向けのルールです。


②行動不能のキャラはマーカーとして扱う
行動不能となったキャラも変わらずマーカーとして機能させます。
行動不能のキャラを狙った攻撃が成功すれば、死亡させられます。
爆発の魔石や火球などの範囲攻撃にも巻き込まれても死にます。
このマーカーとのコンタクト状態を解除するには、離脱や誘導をするか、死亡させるのが妥当でしょう。


③死亡したキャラはオブジェクトマーカーとして扱う
死亡したあとはオブジェクトマーカー「○○の死体 耐久値:【体格】+【軽減値】 軽減値:【軽減値】」として扱うという手段もあります。
この死体もオブジェクト防御に利用ができ、耐久度を超えるダメージを受けると破壊されます。
破壊されるとどうなるか……
部位アイテムに変化したりするんじゃないですかね。
知らんけど。


④獸は積極的に人間を喰おうとする
獸は好んで人を喰うらしいです(p10)。
この性質を重く捉え、②のルールと併用します。
獸は食べられそうな人間が近くにいたら飛びついてしまう、という行動原理にしてもいいかもしれません。

その場に行動不能となった者の仲間がいたら、食わせないように獸に接触したり、必死に妨害するのかもしれません。
あるいは仲間の死体をデコイとして利用する、といった非情なほど合理的な判断をするPCもいそうですが。
そういったPCはだいたい隔絶の獸力が発動してるんですよね。
知らんけど。

私が考案したルールは以上です。

これらを実際に採用したわけではないので、有用かどうかはわかりませんが、前述したようなメリット(処理の簡略化、スリルを加える、難易度の調整)がもし魅力的に感じるのであれば、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

また、これらとは正反対のルールを採用、あるいは一切導入しないことでも、前述のメリットの一部は得られます。

面倒なことは一切やらないぜ!
戦闘中に人は死なない!だって可哀そうだから!

それで全然いいです。

大事なのはセッションに参加している全員が楽しめることなので、ぜひお互いの考えを話し合って、一番納得のいく形で遊びましょう!

そして私も仲間にいれてください!

ほんとよろしくお願いいたします!


■さいごに

さて、ここまで「死亡」や「キャラロスト」について、だらだらとまとまりもなく書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

こういった内容を仲間と話している「獸ノ森学会」というイベントを定期的に開催しております。

場所はツイッターのスペースを活用しておりますので、もしご興味がございましたら、ツイッターのフォローをお願いいたします。

次回は「仮面製作者の派閥」について更新予定です!

それでは~。

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