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チケットを諦めないで

Jリーグの試合を観に行こうと思い立ち、Jリーグチケットでチケットを購入しようとしてみたら、買いたかった席種が完売している、、なんてことはないでしょうか。

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でもここで諦めてはいけません。その試合のチケットがJリーグチケットではない場所で正規に売られている可能性があるからです。

チケット販売の仕組み

Jリーグの試合をはじめとした興行のチケットは興行主(Jリーグの場合はホームチームクラブ)が販売する座席を決定し、その販売を代理店(プレイガイド)に委託するところから始まります。プレイガイドとして有名なのは「ぴあ」「ローソンチケット」「e+(イープラス)」などですね。

少数ながらチケット販売をプレイガイドに委託せず、興行主自ら販売(直販)している場合もあります。この場合はプレイガイドに販売手数料を払う必要がないのでチケットが売れた場合の利益率が高くなる反面、当然ながら販売の仕組み(システム)を自前で構築する必要があったり、そのシステムへ顧客を誘導する必要があります。
プレイガイドはすでにインターネットやコンビニなどの窓口を通じてチケットを販売、発券する仕組みを構築していますので興行主としては手数料を払ってもプレイガイドに販売を委託する方がメリットが大きい場合が多いようです。

さて、ここで問題になるのが興行主がどのプレイガイドにどの座席(チケット)の販売を委託するか、ということです。
興行主はひとつのプレイガイドに全ての席を渡すこともできれば、複数のプレイガイドにそれぞれ席を割り当てて販売を委託することもできます。
※ 厳密には、複数のプレイガイドに委託する場合も主管するひとつのプレイガイドに一旦全ての席を預け、そこから一部の席を別のプレイガイドへ流すよう指示する場合が多いようです。

複数のプレイガイドにまたがって販売した場合、それぞれのプレイガイドが抱える顧客プールにアプローチすることができます。
例えばローソンをよく使う人はローソンチケットでチケットを購入・発券するのが便利かもしれませんし、e+ で販売すれば普段 e+ で音楽イベント等のチケットをよく購入する人に気づいてもらえるかもしれません。
そして、Jリーグのオフィシャルチケッティングパートナーであるぴあに委託すればJリーグチケットでの販売が可能になる、ということです。

在庫をシェアできない問題

複数のプレイガイドにまたがっての販売をする際に問題になるのが、ひとつの席を複数のプレイガイドで販売できない、ということです。
それぞれのプレイガイドは独立したチケット管理(票券管理)のシステムを持ち、それらはリアルタイムで同期することができません。
なので、一方のプレイガイドでは売り切れたが他方のプレイガイドにはチケットが余っている、という状況が起き得ます。

つまり、Jリーグチケットで売り切れていても他のプレイガイドにはチケットが残っている可能性がある、ということです。

実際に起きていること

この記事の見出しに示した写真を再掲してみます。

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これは2022シーズンのJリーグYBCルヴァンカップのとある試合の写真ですが、どこか違和感を覚えないでしょうか。
写真の中央に写っているブロック。座席がたくさん空いている一方で一部のエリアに観客が密集しています。
おそらく観客が密集しているエリアはぴあに委託され、Jリーグチケットで販売されたものと思われます。実際、私もJリーグでこの席種のチケットを購入しようとしたところ、売り切れていて購入を断念しました。
一方の空いているエリアはローソンチケット等、他のプレイガイドに販売が委託されたものと思われます。

残念なのはこの状況から察するに、私を含めJリーグチケットで売り切れていたためにこの席種の購入を断念した方が一定数いるのではないか、ということです。
Jリーグの場合、ここ数年でファン・サポーターの間にJリーグチケットというサービスが大きく浸透した感覚があります。
そうなると、皆まずはJリーグチケットを確認(特に慣れないビジターゲームの場合など)しますので、Jリーグチケットから在庫が薄くなっていくことが多いように感じます。
さらに、前述のようなチケット販売の仕組みを把握する前の私のように、多くの方はJリーグ公式のチケット販売サイトであるJリーグチケットでチケットが売り切れていたら「この席種の全てのチケットが売り切れたんだ」と感じるのではないでしょうか。

これはチケットを購入したかった顧客にとっても、チケットを売りたいはずの興行主(クラブ)にとっても痛手なはずです。

クラブとプレイガイドの関係

ではなぜこのような事態が起きるのでしょうか。
Jリーグチケットでチケットがよく売れるなら、興行主たるクラブはすべてのチケットをぴあに委託し、Jリーグチケットで販売するのが得策に思えます。
ここからは完全に私の推測ですが、ここにクラブとプレイガイドの関係性が絡んでいると考えられます。

上記で例に出した試合は柏レイソルのホームゲームですが、柏レイソルのユニフォームスポンサーにはローソンが名を連ねています。

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なので、大切なスポンサーへの貢献として、チケットは極力ローソンチケットで買って欲しい、そのためにチケットも極力ローソンチケットに割り当てたい、ということなのだと考えられます。

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一方でJリーグのオフィシャルチケッティングパートナーにはぴあが名を連ねており、リーグとともにJリーグチケットの普及を推進しています。

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柏レイソルの場合、このふたつの状況に挟まれる形で、前述の例のような事態が発生したものと考えられます。

チケットを諦めないで

長々と書いてきましたが、要するに我々観客はひとつのプレイガイド(Jリーグチケット)で目当てのチケットが売り切れていても、まだ諦めてはいけない、ということです。
様々な事情でチケットは各所で販売されています。
販売する場所を決めるのは興行主(ホームチームクラブ)ですから、チケットが見つからない場合はホームチームクラブの公式サイトからチケット情報を参照するのがもっとも確実な方法です。

ひとりでも多くの方が希望のチケットを手にできることを願って。

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