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あっという間に読まさった奇跡の醤

すごい本に出会いました。

「ちなみに読まさった」は北海道の方言、独特の言い回しです。

自分の意思と言うよりも、何か大いなる意志に導かれたかのような受動的な様子を「〇〇さる(さった)」といいます。

ご縁をくださったのは、なぐなぐさん。

旅の記事を書かれている方です。

こちらの記事には、これまで訪問した一覧が出ています。

そして、これが衝撃を受けた、陸前高田の記録。

ここから記事を引用させていただきます。

この年、オイラたちは岩手県海岸線縦走の旅をしていた。北の久慈から、宮古、釜石を経て、陸前高田まで辿り着いた、一週間の旅。震災から6年経った2017年のことだ。鉄道の駅舎、道路、堤防、見る景色すべてが真新しいコンクリートで固められた町並み。復興は着実に進んでいた。
旅の目的のひとつに、復興支援があった。小さなことかも知れないが我々が訪れ、食事を頂き、楽しむことでお役に立てればと思っていた。
そんな気分で、最後に「奇跡の一本松」を、、
えっ!
陸前高田、かつての通行規制区域に入ると景色は一変、いまだに何もない黄土色の更地が広がっていた。同時に血の気が引くような感覚に襲われた。まだ、来ては行けなかったのか・・・?
◇◇
駐車場に戻る途中、プレハブの売店があった、中を覗く。これが「八木澤醤油」との出会い、「奇跡の醤(ひしお)」との出会いだ。醤油蔵ごと何もかも津波に流され、ゼロ状態いやマイナス状態から復活した「奇跡」の物語があった。
醤油を購入して、道の駅でラーメンを食し、一路愛知県の我が家へGO! 
800キロの帰路(キロ)だ!

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江戸時代から続く老舗の全てが水の泡に

八木澤商店は江戸時代から醤油造りを生業としてきた老舗。

しかし、そんな老舗にも東日本大震災は情け容赦なく襲いかかる。

被害の大きかった陸前高田市において、八木澤商店の工場は流され、江戸時代以来使ってきた樽もそこに住み着いていた醸造菌も全て流されてしまう。

誰もが、「2度と醤油を作ることはできない」と思うような壊滅的な状況。

実際、当時の社長も内心諦めかけていたという。

しかし、息子(現社長)は、こんな時だからこそ、絶対に会社を再建する!

しかも、全従業員も解雇しない!

さらに、陸前高田の若者が希望を失わないためにも、新規採用も行う。

と決断する!

詳しくは、本書に譲るが、東日本大震災が発生した時にことは、北海道の中央部にいた私ですらはっきりと記憶している。

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我々の卒業式は行われたが

卒業式を前日に控え、生徒は全員下校。

我々卒業学年の3学年の教員は、明日に控えた卒業式の最後の打ち合わせをしてたい。

その時

「あっ、地震だ!結構揺れるね。」

「おい!随分と長いぞ!」

「これは只事ではないかも」

テレビのない学校だったので、急いでインターネットの情報を見ると

福島県沖で大地震。
大津波警報が出ている。

と言うことがわかる。

「なんかやばいね」

そう言いながらも、我々は会議を続けていた。

どうせ、大丈夫なんでしょ。

この時点では、何の根拠もない「安全バイアス」に支配されていた。

しかし、この後、この地震が、私たちの当初の予想を上回る未曾有の大地震であったことはご存じの通り。

続々と入るニュース速報。

事実とは受け入れ難い、津波に飲まれる街の映像。

なぐなぐさんの記事を読んで、

自分の身は全く安全なのに、思考がストップし、何も受け入れられないような感覚に陥ったことを再び思い出しました。

我々の卒業式は無事行われた。

しかし、被災地では、そもそも学校が流されたり、児童生徒も流されたり。

学校や生徒が無事でも避難所になったり。

卒業式が行われないままになり・・・。

そんなことを忘れていた今日この頃。

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前を向いて人生を歩む勇気をもらえた

陸前高田はいまだに復興していない?

恥ずかしながら、八木澤商店のことは、なぐなぐさんの記事で初めて知りました。

丁寧なルポタージュであることが、なぐなぐさんの記事から読み取れました。

筆者「竹内早希子」さんが陸前高田の人々に惚れ込んでます。被災者、関係者の方々との信頼関係が無いと、ここまでの話を聞き出せないはず。
震災当日の話はともかく、奇跡的に醤油が復活できた経緯。震災前にボンボン社長が苦悩して社員との信頼関係を築けていたからこそ、難局を乗り越えられた奇跡。色んな奇跡が縦糸横糸として織り上げられ、デビュー作とは思えない逸品。
ビジネス書として読んでも面白い。

人生は何が起こるかわからない。

しかし、起こったことをどう捉え、生きていくか。

それによって、人生の展開は全く違ったものになる。

未曾有の大災害の中でも夢と希望を失わず、さまざまな葛藤を持ちながら、前を向いてい生きている。

「陸前ブルー」

陸前高田の空は開けているという。

陸前高田の青空は、震災前も震災後も変わらない。

その間にどんなことが起ころうとも、天は等しく地を照らし、恵の雨をもたらす。

時には荒ぶることがあっても、私たちはそれを受け入れて、生きている。

なぐなぐさんの記事を読みながら、速攻でポチリ、あっという間に「読まさった」「奇跡の醤」

人は宝。生きていれば、人さえいれば、なんとなる。

これが読後に感じた思いです。

私たちが日頃漠然と感じている

「もし、失敗したら・・・。」

と言う不安なんて、

全然心配ない、問題ない!

生きていれば、人はこうやって助け合って、何とかやっていけるんだよ!

そんなことを「奇跡の醤」は伝えてくれたように思います。

人は絶望の中でも、中だからこそ、愛の尊さを思い出し、愛を循環させることができる!

困った時はお互い様とは言うけれど、信じられないくらい、人は優しくなれるものなのですね。

そんな愛の本質にもあらためて気付かされた秀逸なルポタージュでした。

なぐなぐさんのおかげで、素敵な本に巡り合うことができました!

あらためて感謝申し上げます!!

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