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支配意識と心の傷の関係

経験上、誰かをどうにかしたい意識は、善意からのつもりでも、それは支配であると言えます。そして支配意識が心の軸にあると、物事の見方は囚われがちで、自分の思い通りにはならない現実に苦しみ続けることがあります。

よく、「手放し」が大切だとありますが、囚われの奥の支配意識が生まれる要因・傷・トラウマをまずは認め癒さないと、手放しには進めません。

私も以前、支配意識から家族をどうにかしたい気持ちが強くありました。その心の根本には家族についての深い傷があり、今も癒しを進めているところです。

傷を癒さない限り、いつまでも”不幸な現実”に苦しみ、どうにもできない他者をコントロールしたい意識は無くならず、いつまでも良くならないと自分を憐れむ日々は続きます。

私はこのことにようやく、気づく事ができました。

そのきっかけをくれたのは母でした。

ある時、母に創造療法を何度かさせてもらったことがあります。

創造療法はクライアント中心で行うので、カウンセリング以外のほとんどはセラピストは話さず、介入も行いません。クライアントは自身の描きたいように、創りたいように絵やボディワークなど行い、自分の中から現れるものを見て感じることから気づきを得て、そして自然と癒しが起こります。

当時、私と同様に家族について傷ついている母をどうにかしてあげたい想いを抑えつつ、セラピストとしての立ち位置を守りながらセッションを進める内に、母が自身の絵や砂現トレイを通して自らを癒し、晴れやかな表情に変化するのを見ていてふと、扉が突然に開いたような感覚になりました。

自分の中の「何かをしてあげたい気持ち」は承認欲求と支配意識であったことに気づき、その始まりの傷も癒そうと、自分自身にやっと優しさを向けることができるようになりました。

全ての方に共通することですが、方法は様々あっても、自分を癒すことができるのは自分自身だけです。

そしてどんな時も、何かを変えたいと思ったらまずは、今の自分の内側と向き合い、変えたいという想いの奥に潜んでいる触れずにきた柔らかい部分を認め、優しさを持って必要なケアをしてあげないといけません。




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