【イベントサマリー】”シリーズAの壁”を越える!外部CFOのススメ
こんにちは!SOICO note編集部です。今回は、6月29日に開催された「"シリーズAの壁"を越える!外部CFOのススメ」についてまとめました。外部CFOからお聞きするベンチャー企業の”CFO採用のリアル”とは…!
「自分が資金繰りに悩んでいる時間を営業に充てられれば、もっと売り上げを伸ばせるのに…」シリーズAの経営者が感じるリアルな悩みとは
土岐:シード期〜シリーズAにかけては社長が営業、経理、人事、資金繰り全てのことを手掛けています。全てのことを自分一人でこなさないといけないので、プロダクトの営業行なっていればもっと売上が上がるのに、プロダクトの開発に充てられれば、開発が遅延することもなかったのに…といった悩みがあります。
また、経営に関する知見を自分でキャッチアップしていく必要があるので、精神的にも肉体的にも疲弊してしまうという問題があります。こうした問題を解消するためにシリーズAの時期から経営者はCFOの採用を考えてくると思います。
常勤CFOと外部CFOのメリット・デメリットとは?
CFOを採用するにあたり、第一の手段として常勤のCFOを採用するという手段があります。
常勤CFOのメリットとしては、上場前に確実に監査役を確保することができる一方で常勤CFOのデメリットとしては大きなコストがかかる採用するタイミングを間違えると大きなコストになり得ます。
基本的に常勤のCFOですと年間で1200万〜5000万ほどの報酬がベースになってきます。最終的に事業がうまくいって上場ができるなら問題ないのですが、やはり事業が安定せず、資金繰りに苦労するアーリー期のベンチャー企業がこうした人材を採用するハードルが非常に高いと言えます。また、シード〜シリーズAでフルタイムのCFOを採用しても、営業、人事、資本政策など本格的なIPO準備などCFOの専門性を活かす仕事が少ないことも多く、コストに見合わないケースもあります。
そういった「仕事の負担を減らすためにCFOを採用したいけど、採用するコストが見合わない…」とお悩みのスタートアップ企業におすすめしたいのが外部CFOです。
外部CFOはスポットで採用することができ、月15万〜30万の報酬で利用することが出来ます。従って、IPO準備や資金調達のために局所的に採用することでキャッシュアウトを抑えつつ、CFO人材を利用することが出来ます。
では、実際にどのように外部CFOはどのように働いているのでしょうか?今回は実際に弊社でシェアリングCFOとして働かれている中川さんと垰本さんにお話をお聞きしました。
「ベンチャー投資はうまくはいかない!」中川さんが体験した二人三脚の企業経営とは?
土岐:中川さんよろしくお願いします。中川さんには、弊社の「シェアリングCFO」のサービスで外部CFOとして働いていただいています。中川さんが外部CFOとして働かれている中で印象的な出来事はありますか?
中川:私は創業期の会社さんの外部CFOとして働くことが多いです。「資金調達を行いたいが知見がないので、CFOとして補助していただきたい」ということでジョインすることが多いです。
こうしたステージの経営者は資金調達を経験されたことがない方がほとんどです。資金調達というのは様々な投資家を20〜30社回ってようやく1社出資してくれるというものです。しかし、初めて資金調達を経験する方ですと投資家回りを初めて2〜3社に断られると「なぜ資金調達ができないんだ…」絶望してしまう方が多いです。
ただ、実際の資金調達は20社回ってようやく一件資金調達をしてもらえると言われています。しかし、初めて資金調達をする経営者はそこの肌感がわからないと思うので、上手くいかなった要因を分析して対策を立てるようにしています。
例えば、まだバリュエーションを見直す必要がないタイミングで、バリュエーションで弱気になっていた場合は、「まだバリュエーションを下げる必要はないですよ」とか、逆に今までの経験から見てもあまりにも資金調達に繋がらない場合は「少しプレゼンのやり方や言い回しを変えましょうか」というふうにアドバイスをします。
手探りで資金調達をしていかなければいけない経営者に対して、こうした客観的なアドバイスを行うことで、苦しい資金調達を二人三脚で乗り越えて行っています。
土岐:ありがとうございます。外部CFOには経験豊富な方も多いので初めてのCEOの方にとっても建設的なアドバイスを受けられるというのも一つのメリットになりそうですね。
「外部CFOから入って後進のIPO責任者を育成する」垰本さんの経験談
土岐:お次に土岐さんのお話をお聞きしていきたいと思います。
垰本:「外部CFOを活用して最終的に社内にCFOを育て上げる」というお話をさせて頂きます。とあるB社で1年間かけて社長プラス管理部の人と二人三脚で規定を作り、議事録を作り「予実分析ってそもそも何?」っていうところから始めて社外CFOとして作業してきました。
最終的にCFOが必要になったときに常勤のCFOを見つけることに苦労しました。土岐さんの話にもありましたけれども即戦力と呼ばれるCFOをなかなか中小ベンチャー企業取れないんですよね。
一方でないものねだりしてると、時間ばっかり経過してしまいます。従って、B社さんに関しては社内にやる気があって人柄も良くて、最低限数字のことがわかってる若手がいたので、上場準備というプロセスをOJTすることで、最終的にCFOに育てようというミッションも一緒に背負いました。
さっき申し上げた課題を解決した結果、最終的にその某上場企業さんからマイノリティですけれども、株式で出資をしていただき、一定のご評価もいただいて、社外取締役1名、出していただくという結果になりました。
土岐:ありがとうございます。IPO準備のためにCFOの採用を考えると思います。しかし、IPOを担える即戦力は中々いらっしゃらないし、もうどこかに既に就任されてしまっているケースが多いです。その中で、若手をCFOとして育成していく意味で、外部CFOを活用できますね。
「CFOに参画してほしい時、どのくらいのタイミングで探し始めればいいの?」 外部CFO導入のタイミングとは?
土岐:ここからは参加者の質問に答えていただきたいです。「外部CFOの利便性、重要性は理解できたが、結局どのタイミングで導入を検討し始めるべきなのか」という質問が来てます。垰本さんお願いします。
垰本:はい、可能ならば資金調達する時期の半年前〜一年前には相談をして頂きたいですね。よくあるのは三ヶ月以内に資金調達をしたいという相談を受けることがあります。
IPO準備に関していうと、N-3もし可能ならばN-4の時期に相談して頂きたいですね。よくあるのはN-2の時期になってお尻に火がついて相談しにくるというケースが一番多いですね。
資金調達もIPO準備の場合も遅いことが悪いというわけではなく、もちろん全力で仕事をさせてもらいます。ただ、直前になればなるほど、経営者の負担も上がってしまい、希望する時期に資金調達できないなどの問題が発生してしまうので、できるだけ早めに相談していただければと思います。
土岐:IPO準備にせよ、資金調達にせよ出来るだけ早めに外部CFOの採用を考える必要はありそうですね。SOICOでもシェアリングCFOのサービスを展開しているので、まずは相談だけでもいいのでご相談いただければなと思います。
中川さんと垰本さんのお二人、ありがとうございました!
まとめ
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