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自然が子育てに大切な理由

こんにちは。千葉県柏市にある幼稚園で副園長をしているそういちろう先生です。
このnoteでは、子育てに役立つ情報や幼稚園教員目線での情報を発信していきたいと思います。


さてコロナ禍の今、“もりのようちえん“など、海外でも自然の中での外活動を中心とした保育に注目が集まっています。子ども達を育てる環境として、自然が大切であることは何となく耳にしたことがある方も多いのでしょうか。
第1回目のnoteでは、自然がなぜ子育てに大切なのかを3つ紹介したいと思います。

①情緒の安定を助けてくれる


 世界中の研究で自然にふれると人間は、ストレスが軽減すると証明されています。
みなさんも疲れた時に「公園を散歩して自然にふれる」、「田舎の海や山に行ってリフレッシュを図る」等の経験があると思います。
人間は元々、自然の中で生きる狩猟採集民でした。その時のDNAが関係して自然にふれることで脳に良い影響を与えてくれるという科学的一説があり、ストレスの軽減に繋がります。


ではこの効果を幼稚園・保育園に通っている子ども達に当てはめて見ていきましょう。
保護者の元を離れ、先生や友達と共同生活をする中で得られる体験や経験が子ども達を成長させます。そのためにはまず安定した情緒でいなくてはなりません。でも、共同生活は自分の思い通りにいかなかったりしてストレスを感じる場面も多々あります。
そんな時、自然の中で外遊びをして気分の切り替えを図ったり、教室の窓から外を眺めて嫌な気分を鎮めたりする姿などが我が園でも見られます。
ストレスを軽減し情緒の安定を助ける自然の働きは、健やかな心で集団生活を送る上で大切な要素になってくるのです。

②五感を刺激し、生きる力を培う


人間の感覚は「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」の五感がありますが、日常生活で使っている感覚は視覚・聴覚が9割と言われています。
自然は1年を通して四季によって葉っぱの色を変えたり、色々な虫と出会ったり、雨が続いた後はキノコが生えたりと、日々違った姿や出来事が起こります。
好奇心旺盛な子ども達が自然を前にすると、次々に起こる変化に興味を示し、風に揺れる木々の音を聞きながら土や虫を触ったり、花を嗅いでみたり、食べられる木の実などを食べたりし、嗅覚、味覚、触覚の感覚もふんだんに使いながら遊びます。


そうやって五感を使った経験、特に触覚、嗅覚、味覚で体験したものは、長い人生でも記憶のどこかに残るといわれています。これを難しい言葉で「原体験」と言い、原体験は人生の中で知恵となり、感性や意欲などの生きる力となります。
つまり五感をフルに使う体験は、子ども達が豊かな人生を送るための種をまくことになるのです。

③人工物ではないからこそ良い!


 人が作った玩具・ゲーム・遊具など人工物は、作った人の「こうやって遊んでね!」といった意図があり、基本的に経年劣化を除き大きく変化しません。
それに対して、自然物は使用書やルールは無く、四季折々に変化していきます。
例えば、拾った木の実で手が赤く染まった事がきっかけで色水遊びをしたり、どろんこで壁に絵を描いてみたり、拾った木の枝を使って朽ち木をほじくって虫を見つけてみたりと。


自然遊びは、

こんな物があった!(観察、発見)

こんなことしてみようかな…(思考、自発、挑戦)

こんなことが出来たよ!楽しかった!!(創造、集中、達成)

という一連のサイクルを何度も経験できるのです。

また熱中して遊んでいると友達が「楽しそうだね~、すごいね!!」と集まってきます。これからの社会において、この共同的賞賛の経験も重要となってきます。
このように、使い方が決まっていなく変化に富んだ自然物は、子どもの脳に色々な刺激を与え、遊びを豊かにしてくれるのです。


以上、そういちろう先生が考える自然が大切な理由です。
子育て中で最近自然遊びをしていないな、と感じる方は、身近なことでもよいので自然にふれる機会を増やしてみるとよいかもしれません。
例えば、ご家庭のプランターで植物を栽培したり、自然が多い公園に散歩に行ってみたり。
どんなに小さいことでも、子ども達は自然にふれることで色々なことに気が付いたり、感触を楽しんだりと嬉しそうな姿を見せてくれることでしょう。

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