#6 「告知」
みなさんお久しぶりです。少々、間が空いてしまいましたが更新していこうと思います。
先日、元阪神の横田慎太郎さんが28歳の若さで死去されました。
1995年生まれ、鹿児島県出身。
鹿児島実業高校→2013年ドラフト2位で阪神タイガース入団。
「糸井二世」と評されるほど身体能力が高く、将来を期待された選手でした。
しかし、2017年に脳腫瘍が発覚。
治療の末寛解し、現役復帰するも
「自分で打った球の軌道や方向が全く見えない」
「投手の投げた球が二重に見える」
などの後遺症に苦しめられ現役を引退。
引退後のセカンドキャリアは、がんで苦しんでいる人達のために講演活動を実施され、
症状が悪化してからもリモートで講演活動を継続。
脳から脊髄に転移するなど引退後だけで二度の再発。
右眼が失明しても講演活動を継続されるなど最後まで人の為に尽くされた方でした。
私と同じ1995年生まれ。
同じ脳腫瘍の方が亡くなられたという事でとても胸に来るものがありました。
自分も再発するのではないかという恐怖よりも
この人は自分が後遺症、再発に苦しめられながらも
他の患者さんのために動いていたのに
自分は3年間何をしてたんだろう?
と強く感じました。
これからの活動を通じて横田さんの意思を継いでいきたいと思います。
ご冥福をお祈りします。
気持ちの整理をしていたら2週間くらい間が空いてしまった訳ですが、週間連載くらいのペースで記事を上げて行こうと思います。
「note読んでるよ」という声や「聞いてはいたけどここまで大変だとは思わなかった」「泣いてしまった」などの感想を頂き、記事書いて良かったなという気持ちになりました。
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少しでも多くの人に届くように、本記事のリツイート等拡散をよろしくお願いします。
入院前最後のラーメンを食べ終え、キャリーケースを引いて旅行客気分で病院へ向かいました。
その時は2週間くらいで退院できると聞いていたので
まあ、体もキツかったし2週間くらい病院で休むかくらいの気分です。
完全にラーメン食べてる間に開き直っていましたね。
13時頃に病院に到着。
入院前の手続きを済ませて病棟に上がると4人部屋の病室に案内されました。
薬学部の病院実習ぶりの病室。
まさか、こんなに早く患者側で入る日が来るとは。
まずは、主治医・担当看護師さんが来られて自己紹介。
それから、これからのスケジュールについての説明です。
年下の看護師さんに看護される日が来るとは...
齢24にして歳を取ったなと感じました。
ここで、バーコード付きのリストバンドを装着されたのですが
この手枷が外されるのが2ヶ月以上先になるとは夢にも思わず...
その後、しばらくはベッド上待機だったので、呑気にPS4でパワプロ君をしていました。
入院中、絶対暇やろって思ったのでちゃっかり持ち込んでます。
テレビカードと言って1分1円の価格設定のカードが買えるので、それを買ってやっていました。(1枚1000円)
最低限のマナーとしてイヤホンは必須です。
また、大部屋ならばコントローラーの操作音も要注意です。
ちなみに、私は今病院で働いているのですが、PS4でゲームしてる人は自分以外に見たことがありません。笑
でも、誰の迷惑にも実際なっていないのでありだとは思います。
今考えたら、Nintendo Switchの方がテレビに繋がなくていいしコストパフォーマンス良かったかもしれませんね。
入院中は治療や手術などで気分が滅入ることも多いですし、
暇な時間が増えるほど人は悩む生き物なので、こういった気分転換できるものを持ち込むのも治療の一つだと私は思います。
今の時代、タブレットやスマートフォンがあればYouTubeなど娯楽はいくらでもありますしね。
そんなこんなで、のらりくらりとベッド上で過ごしていたら
脳外科の主治医と医師全員+看護師さん(合計10人程度)が僕のベッドのところに来て
「そういちさん。明日手術することになりました。しっかりフォローしていくので頑張りましょう。」
と言われました。
イメージ的にはドクターXの回診のシーンみたいな感じです。
少し人数多くて大袈裟ですけど。笑
ええ、手術ってこんないきなり決まるのかよ。しかも明日ってまた...
何事も急展開すぎてここまで来るともはや慣れてきますね。
人生は七転び八起き急展開です。
それから、両親が病院に呼ばれ術前IC(インフォームドコンセント)が行われました。
インフォームドコンセントというのは簡単にいうと医師から患者、患者家族に対して
「あなたの病気はこんな病気です。」
「これからこんな手術や治療をします。」
というのを伝える事を言います。
医療ドラマのがんの告知の場面を想像すると分かりやすいと思います。
電子カルテとホワイトボードのある大きな診察室に呼ばれ、父と母と術前ICを受ける事になりました。
医師「そういちさん、明日緊急手術をする事になりました。」
「あなたの病気は胚細胞腫瘍(ジャーミノーマ)という脳腫瘍の可能性が高いです。」
「WHOの分類ではグレード4(極めて悪性)に分類されます。」
「現在、松果体と脳下垂体に多発転移している状態です。」
「腫瘍が中脳水道(脳の中の髄液の通り道)を塞いでいて、外に出れなくなった髄液が脳の中に溜まり内側から脳を圧迫している状態(水頭症)です。」
「頭痛や吐き気もそのためでしょう。起床時の頭痛、吐き気、目のかすみも脳腫瘍の典型的な症状ですね。」
「明日、その腫瘍の一部を取ってきて本当にジャーミノーマか確認する手術と脳の底に穴を開けて髄液の抜け道を作る手術を行います。抜け道を作れば頭痛や吐き気、目のかすみは改善すると思います。」
「その後、腫瘍がジャーミノーマと確定したら抗がん剤治療と放射線治療を行う形になります。」
「頭の右上の所に穴を開けて手術を行なっていきます。ここは脳に穴を開けても後遺症が残らない部分と言われている所です。」
術前ICの内容は大体このような感じでした。
「腫瘍を取ってきて検査した後に抗がん剤するよりも、腫瘍をそのまま全切除した方がいいんじゃない?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
脳を開いて全切除する肉体的負担と切除のみでは再発するリスク等の兼ね合いから
腫瘍を取ってきて検査→抗がん剤+放射線が最も適した治療法のようです。
また、ジャーミノーマが抗がん剤が効きやすいがんというのも1つの理由のようです。
父はあんまりよく分かっていない様子でしたが、母はがんのことや手術の事を聞かされても至って冷静でした。
私の予想では、母は心配性なので泣いたりするのかな?と思っていたのですが至って冷静で
母「死ぬわけないじゃない。私の息子なんだから。」
「あなたは脳腫瘍1つだけど、私は2種類がんになっても生きてるから。」
と言ってくれました。
改めて、私が思っている以上に母は強いなと思いました。
その後、初めての病院食を食べました。
初日の感想。ヘルシーで意外とうまいな。
まあ、こんな感想も早々に吹っ飛ぶ事になるんですが。笑
そんなの初日だけです。
病院食についてはまた詳しく話そうと思います。
次回、「緊急手術」
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