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自己紹介/製造業DX、IoTコンサルの動機

製鉄会社で製造部門マネージャをやりつつ習得した知見をもって自営業でDX、IoTコンサルタント業をやっています。
AI技術をもっとクリティカルに最短で社会に広めたいと考えています。
京都大学にて金属冶金学を学ぶ→製鉄会社に就職→副業でIoTコンサルティングを開始→現職は製造業ベンチャー企業にて勤務中

製造業DX、IoTのコンサルティングをやっている背景

 製鉄会社にてマネージャになる頃、社内で実施している機械学習勉強会を受けました。しかし、受講した社員の中で勉強会後も継続して勉強を続け、AIとドメイン知識(現場知見)をかけ合わせて課題解決をし続けた社員はほとんどいませんでした。私は元々統計学に興味があり、機械学習にもハマりました。結果、現場課題もわかっていてAI知識も持っていて今までにないような取り組みをやっているマネージャーという社内でも数少ないポジションにいたと思います。

 AIの知見を有してからは、
・乾いた雑巾を絞るような「改善が見込みにくい検討や提案」
から
・「誰も経験したことのない大きな改善を提案、実行」できるようになりました。

 従来諦めていた課題に対して、これまでには無い方向からのアプローチができるため、改善代が少ないと思っていた現場でしたが、改善の余地が湧いて出たように感じていました。

 また、現場作業者が興味をもって自ら協力してくれます。
・HMDを初めて装着した時
・スマートウォッチで操業指標が手元で確認できた時
・官能検査を自動化して疵を自動で判定&表示した時
彼らの喜び方や感動の仕方は見たことがありませんでした。私も周りも皆が期待できる技術がAIだと感じました。

 ただ、私に共感してくれる同僚や上司は皆無でした。仕方がないのでAIを専門にする研究部隊やシステム部隊と直接やり取りして、こうしたら解決できない?といった相談を持ち掛け、多くの種まきを始めました。PoCで終わるものや、あともう一歩なのに、という案件は多くありましたが、AIを用いればこういった解決方法がある、ということを広く示せたと思っています。 

 軒並みですが、AIで製造業はまだまだ改善する余地があると感じています。例えば、私は設備投資案件のプロジェクトマネージャをやっており、省力化、合理化を当時は強く求められました。もう合理化し尽している状況でしたが、AIは非常に有効でした。何十年もコスト削減対策が成されてきた製鉄現場ですらそうなのですから、製造業全体に視野を広げるとまだ改善余地がある分野は多いことと思います。
AI恐るべしと思っています。

製鉄会社勤務時に痛感していたこと

以下の2点があります。

①研究者は現場課題を捉えられていない(ドメイン知識不足)
②工場管理者はAIを知らないので使うことすら頭にない(AI知識不足)

 例えば①の例で、とある欠陥疵を未然に予測して発生率を低減したい、というテーマに取り組んでいた研究者から共同研究の打診、相談を受けました。テーマの紹介を頂き、デモ解析結果を聞いたあと研究者から「この疵ってどうやって発生してどんなものなのですか?どのくらいコスト影響があるのでしょうか?」と質問を受けました。発生メカニズムやコスト影響、現物を確認・把握することなく現場課題を上司から伝え聞いたのでしょうか。大量にある操業データをいじっていただけなんだとその時にわかりました。現場現物、原理原則無しに何事も解決しないと考えていた私には「これが研究者なのか…」とかなり衝撃的でした。
 
 ②の例は私の同僚(院卒、大卒の総合職技術者)や上司、役員層まで含みます。ドメイン知識や専門知識はもちろんありますし、機械学習勉強会も受けているはずなのですが、ソリューションとしてAIの適用が思いつかないヒトが多かったです。

 研究者と工場管理者の双方が有する課題を解決することが出来ればもっと国内の製造業が良くなる、盛り上がるのでは?と思うようになり、自分で出来る範囲は限られますが自営でIoTコンサルティングを始めるようになりました。

 やり始めてから頂くご相談内容では他に

③    作ったAIソフトをどうやったら現場作業者が使ってくれるかわからない
④    そもそも現場課題には何があってどういう解決をしてきたのか教えて欲しい

といったご相談も多くあります。コンサルティングを始めてから製鉄に限らずどこの業界も同じような悩みがあると感じることが出来ました。自分がわかる範囲、できる範囲でお手伝いしている状況です。

製造業DX、IoTの経験

 製鉄プラントにてデジタイゼーション、デジタライゼーションを実施して色々経験を積みました。詳細は後述しております。PoC段階でいける!と思っても現場作業者とマッチしないことも多くありました。

 AI導入は非常に安価にPoCが実施できるため、数多くの案件を並行で走らせていました。その中でも一番安価に効果が見通せた案件はラズパイを用いてブルドン管を撮影し、画像解析にてアラートを発報するものでした。これは研究者に頼むほどでもないと思い、Pythonで自作しましたが意外に簡単でオープンソースを組み合わせることでコーディングを専門としていない私でも作成できました。某大手企業が同等のサービスを展開していましたが、この程度でも商品になるのかと記憶しています。

 このように安価、短時間、多量に取り組みを続けるうちに、うまく行きそうな案件を種まき時に嗅ぎ分けられるようになりました。勝算70%程度で検討を進めていましたが、それでも30%がうまく行く、という感じでしたが…。こういった経験を役立てたいと考えています。

今やっていること、noteでやりたいこと

 以上のようなノウハウを、

  • 製造業でいわゆるDX化を検討している企業の担当者

  • AIソフトやIoTデバイスを作る際に筋が良いか知りたい研究者やベンチャー企業の担当者

  • AI導入のフローや経験談を聞きたいコンサルティング会社や研究者

といった方々に少しでも役に立てばと思ってコンサルティングを行っております。ご相談内容は多岐に渡りますが上記のようなご相談が多いですし、私も自信をもってお話することが出来ています。個人でやっていますが大企業の方からもご相談頂くことが多いため、大きな改善につながっているといいなと常々願っています。今以上に製造現場、社会が良くなるように小さいながらも活動を続けたいと考えおり、noteにて知見をご紹介していきたいと考えています。

最後に簡単な自己紹介

  • 大阪出身 1986年生まれ 妻、娘、息子、犬

  • 趣味は家族、水泳、コーヒー、お笑い、旅行、温泉、料理

  • 某大手製鉄会社の上流工程に所属

  • コスト、品質、歩留改善を経験し、設備投資案件のプロジェクトマネージャに。企画、予算奪取から設計、工程、工事、立ち上げ、アフターフォローまで一通り経験する。ここで設備や種々ハードに詳しくなりFA、システム構築、IoTのベースを学ぶ。

  • エンジニアリングよりも圧倒的にマネジメントが性に合っているとわかる。

  • 上工程→下工程の物流改善プロジェクトメンバーにアサインされる。かなり大きなプロジェクトで、ベテランプロマネの働き方を学ぶ。

  • 機械学習勉強会にてAIというものにハマり独学するも、プログラミングはやっぱり性に合わないことを再認識する。ゼロから作るシリーズで原理だけは学ぶ。

  • 設備保全、安全対策(機械安全設計)にも自然と精通する。

  • 0→1を経験してみたいとか、自分の実力ってどんなん?とかで転職を考え始めるが、給与アップを狙うと日本にはコンサルティング会社しかないのか?と思うほど行く先がないことを知る。

  • DX、IoTコンサルティングを自営でやり始める。相談レベルのコンサルも含めて現在で100件ほど実績を積んでいる。

  • 製造業ベンチャーに転職し、北海道へ移住する。

  • 0ではなかったが0に近い状態だったのでまともに開発ができるように仕組み化をやりまくる。組織体制、開発フロー、ガバナンス、法令関係…

  • ベンチャーにIoTはまだまだ不要のため、個人的には物足りない感。AIやりたい感がある。

参考)これまでのご相談内容について

●IoT/FAやAI適用による省力化、自動化、業務改善を経験


(以下は一例) 

・オペレータの経験や勘を排除するための必要データ抽出と異常判定の自動化
・製品の撮像監視への深層学習適用による目視検査の自動化
・ARを用いたクレーンの遠隔操作の環境整備・製造状況もモニタリングから得られるデータへ深層学習を適用し品質合否判定を実施
・人の官能検査排除のため、スマホを用いた文字読み取り技術の導入計画と実行を経験
・スマートウォッチを用いて、いつでも操業指標を確認できる環境整備
・RFIDを用いた資材のSCM構築

●これまでの製造業DX、IoTコンサルティングのご依頼内容について

・製造業の業務効率化、IoT導入、物流改善、DX推進、AI利活用、スマートファクトリー化、ブロックチェーン技術の取り組み、設備投資プロジェクトの進め方、工程管理、センサー活用、設備上の課題、現状の市場、今後の動向
・製造業における製造コストや生産性・機械学習を用いた時系列データの扱い方、画像処理AIの実装
・多数の説明変数からドメイン知識も含めた取捨選択方法とモデル作成、モデルの実装方法、モデルのブラッシュアップの方法
・AI勉強会によるITリテラシー向上の取り組みと、勉強会後のITリテラシーの二極化
・ソフト開発支援、ソフト設計、ソフトの評価
・三次元測定も含めた外観検査、非破壊検査に対する機械学習の適用
・製造業のリスクマネジメント、安全環境防災対策の事例、安全の取り組み、労働安全対策、健康管理、機械安全設計
・製造業における品質管理、異材流出対策の考え方
・製造業における設備保全の考え方、課題
・製造業におけるデザイン思考を用いた業務改善
・製造業における騒音、振動、熱対策の考え方
・製造業におけるプラント保守、AIの活用
・製造業における自動化、省力化、合理化、クレーン自動化遠隔化、物流改善方法、労働力減少に伴う課題、シニア・ベテランからのOJTや後継方法
・FAに関するAIを用いたソリューション・製鉄業におけるバリューチェーン、SCM(サプライチェーンマネジメント)の取り組み
・鉄、金属の特性や新材料の展開可能性
・水素還元に関する課題と今後の進め方
・鉄スクラップ、鉄リサイクルに関する物流やAI適用事例

●その他のコンサルティング内容

・マネジメント業務、テレワーク(在宅勤務)のマネジメントにおける課題
・業務把握、社内の押印業務の省略化
・採用に関する課題感、ニーズ、リクルート活動
・大企業管理職に関する実態
・AIの教師データの作成や教師データの作成外注
・AIベンチャーの選定方法、AIソフトの選定方法、IT
・BIツールの選定方法、産業装置の購買決定判断方法
・サービスアイデア、サービス評価(ソフトウェア、ハードウェア、UIなど)
・購買プロセス、購買意思決定のフロー
・デジタル化推進における実務上の課題や現状について
・熱中症、暑さ対策・XRの活用可能性、活用実績、検討内容
・繰り返し発生する定型業務の自動化検討
・機械学習エンジニアリング、データサイエンティストに関する考え方と実態
・ローカル5G技術の活用方法
・操業現場における業務、教育マニュアルについて
・製造業や大企業からの転職活動の実態やその他業界への中途採用、転職経験について


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