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ズートルビの順位が下がった話。

※note移行前(3年前)に書いたブログです。予めご了承ください。


どうも、sohです。

皆さん、突然ですが「500 Greatest Albums of All Time」というのをご存知でしょうか?
これはアメリカの音楽雑誌「Rolling Stone」が毎年発表する歴代音楽アルバムランキングのことです。

なぜ急にこんな話をするかというと、4ヶ月ほど前に最新のランキングが発表され、それが議論を呼んでいるのです。
音楽業界においてこのRolling Stoneのランキングは毎回話題を呼び、十数年間に渡ってリストが作られてきましたが、多少の変化はあってもリストアップされるアルバムがいわゆる"クラシック"なものがほとんどでランキングが定番化されていたところがあります。

ですが、先日最新で発表されたランキングTop500ではリストに大きな変化が起こりました。ここで全てを紹介するのはあまりにも長いのでTop100だけ抜粋して話をしていこうと思います。

ランキングの詳細に移る前に、じゃあ何がそこまで変わったの?という疑問に短く答えます。
米誌Rolling Stoneが発表するアルバムTop500のランキング上位は基本的にレジェンドofレジェンドのアーティストばかりが名を連ねていました。
例えばビートルズ、ボブディラン、デビットボーイ、マイケルジャクソン、スティービーワンダー、ボブマーリー、マイルズデイビス、etc..

世界的音楽スターのアルバムがほとんどで「まあ、そりゃあ"音楽"を網羅してるビートルズはTop10総なめだわな...」みたいなランキングが当たり前でした。それが2020年版ではガラッと変わったのです。
ちょうどいいリストがなかったので、Top100の中から個人的に気になったものをピックアップさせていただきます。


Top99 Teylor Swift 「RED」


もうのっけからビックリです。99位にテイラーのRED。最近のテイラー人気の火付け役がこのアルバムと言っていいと思いますし、某ハウスの曲として起用され日本でも跳ねた「We Are Never Ever Getting Back」を筆頭に彼女の音楽性が一気に広がった一枚だと思います。
僕は収録曲で「Stay Stay Stay」が好きです。


Top95 Drake 「Take Care」


95位にドレイク。Top100に早くもHip-Hopが食い込んで来ました。この世に数多とあるアルバムを差し置いて100枚の内に選ばれることはシンプルにすごいと思います。最近のHip-Hopムーブメントに大きな影響を与えている彼がこの期に評価された気がします。僕は嫌いですが...、


Top93 Missy Elliott 「Supra Dupa Fly」


93位にミッシーエリオット様です、意外でしたね。この時点でHip-Hopアルバムが2枚ランクインしていることもですし、"数多ある理論"でミッシーが選ばれるとは。黒人女性で多くのfemaleに影響を与えた彼女のランクインはヘッズとしては嬉しいです。

※数多ある理論=この世界に数多とあるアルバムを差し置いて選ばれたの意。ピックアップ理由に数多ある理論がほとんどになります(笑)


Top89 Erykah Badu「Baduizm」


ネオソウルの女王エリカ・バドゥが89位。


Top81 BEYONCE 「BEYONCÉ」


世界的歌姫ビヨンセが81位。音楽業界では絶対的存在の彼女ですが、満を持して評価されたといったところ。


Top79 Frank Ocean 「blond」

フランクオーシャンが79位。既にこの先聴き継がれるマスターピース扱いの新しいR&Bがこの順位にきたことが変化を感じます。


Top75 N.W.A「Straight Outta Compton」


N.W.Aが75位。ウェストサイドを代表するグループで社会的Hip-Hopムーブメント起こした存在。彼らの誰にも縛られねぇスタンスがかっこいいです。


Top74 Kanye West「The CollegeDoropout」


我らがカニエウェストがここでランクイン。
彼の1stで、ネタ使い、ポップセンスなどもプロデュースとラッパーとしての自分を存分に振るったHip-Hopに限らず後の音楽に影響を与えた色褪せない一枚です。


Top67 Jay-Z 「Reasonable Doubt」


Hip-Hopの帝王Jay-Zがついにランクイン。


Top65 James Brown「Live at Apollo」


ジェームズブラウン自体に驚きはないですが、ライブアルバムが再評価を受けたという点で改めて現在に帰ったという聴かれ方に変化を感じます。


Top64 OutKast 「Stanconia」


アウトキャストがまさかの64位という高順位でランクイン。数多ある理論でビックリです。


Top61 Erick B.&Rakim「Paid In Full」


エリックB&ラキムが61位。Hip-Hop名盤で、スキルとしてもジャンルTopのグループが高順位を獲得。


Top50 Jay-Z「The BluePrint」


ブループリントが50位、言わずもがなですがJay-Zの最高評価が半分でしかも2枚目のランクイン。


Top49 OutKast「Aquemini」


アウトキャストが49位、しかも2枚目、ブループリントより一個上。数多ある理論の極み。


Top44 Nas「illmatic」


illmaticがここにきてランクイン。Nasの1stでHip-Hop最高傑作の呼び声高いアルバムが44位の高順位は正しい評価を受けた気がします。


Top43 A Tribe Called Quest「The Low End Theory 」


トライブが43位のサプライズ。illmaticより上というのも驚きですが、ネイティブタンのムーブメントを作ったグループが評価を受けた印象。


Top41 Rolling Stones「LET IT BLEED」


ストーンズのLET IT BLEEDが早くも41位でランクイン。もっと高順位のイメージですが2020は41位に落ち着きました。


Top39 Dr.Dre 「The Chronic」


ドレーの1stが39位。N.W.Aから引き継いで、オーディオメーカー含め業界に影響力を持つドレーが高順位を獲得。


Top35 Beatles「Rubber Soul」


ビートルズがなんと35位で登場、とても早い。なんなら今までRubber SoulはTop10とかのイメージだけど、35位がランキングの変化そのもの。


Top32 Beyonce「LEMONADE」


ビヨンセが再びしかも32位という高順位でランクイン。彼女の社会的メッセージが評価されたのかな?Rubber Soulより上という結果。


Top29 Beatles「White Album」


ホワイトアルバムが29位。なるほど、そうですか。


Top28 D'Angelo「VooDoo」


VooDooがここでランクイン!ソウルでは避けて通れぬディアンジェロの名盤が高順位はいいですね。


Top27 Wu-Tang Clun「Enter The Wu-Tang」


我らがWuが27位の高順位。数多ある理論の極み。Hip-Hop史では超名盤ですが、個人的にWuはこのアルバムぐらいで2枚目のWu-Tang Foreverとかファンは聴くぐらいのイメージだから余計にビックリです。スーパソニックやれ。


Top24 Beatles「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」


今回のランキングで一番のサプライズはSgt.が24位という結果。ビートルズではコンピアルバムに値しますが従来までならTop10はザラだったのに今回は24位に落ち着いた事実にリストの変化を感じます。


Top22 The Notorious Big.「ready to die」


ビギーの1stがSgt.より上という。Nasのillmaticと同時期にリリースされ、西の2PAC、東のBiggieとHip-Hopそのものであるカリスマ的存在が22位にランクインはすごい。


Top19 Kendrick Lamar「To Pimp A Butterfly」


来ましたねぇTo Pimp、ケンドリックの3枚目にして最高傑作と呼び声高いアルバムが19位の高順位でランクイン。リリシズムも含めこれまでこのアルバムが受けてきた評価が正当化された印象。


Top17 Kanye West「My Beautiful DarkTwistedFantasy」


まさかのカニエ、しかもボブディランのHighway 61Revisitedを差し置いての17位。All of The lightやRunawayが収録されているこのアルバムはデビューからの勢い最高潮に値するものだと思いますがまさかまさかのランクインです。


Top15 Public Enemy「It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back」


正直笑いました、Public Enemyが15位。数多ある理論の極みです。ですが、現代において名前の通り彼らのメッセージ性とサウンドが再評価を受けたのかもしれません。


Top12 Michael Jackson「Thriller」


不朽の名作スリラーが12位。僕自身大好きなアルバムですが、原点回帰で再評価を受けた順位かと。


Top10 Lauryn Hill「The Miseducation of Lauryn Hill」


ロンリーヒルが10位のサプライズ、とある方が同じランキングについて話していて「ロンリーヒルよりもいいアルバムが9枚しかないとも取れる」と言っていたのになるほどなと思いました。確かに名盤ですが、この順位には驚きです。


Top6 Nirvana「Nevermind」


ニルヴァーナのネバーマインドが6位! グランジの神が高順位。僕も擦り切れるほど聴いたアルバムですが、やはりニルヴァーナ人気は何年経っても揺るがないんですね。


Top5 Beatles「Abbey Road」


ビートルズの最高が5位でアビーロードになりました。ビートルズの優美で完成されたこのアルバムが5位は当然ですが面白い。


Top1 Marvin Gaye「What's Going On」


そして栄えある第1位はマーヴィンゲイ!! なるほどなるほどと順位に不満はないですが、1位に選ばれたことは驚きました。モータウンのプリンス興味深いです。


と、長くなってしまいましたが以上です。
途中コメントの内容が薄かったりするのはごめんなさい、僕もまだまだ聴けていないですしこういうコンテンツを経て知らないものを吸収するいい機会にしようと思います。

総括すると、今回のランキングはクラシックはもちろんクラシックとしての評価を受けていますが、それよりもよりオルタナティブだったり幅広いジャンルに原点回帰するような内容になったと思います。このランキングはアーティスト、評論家など音楽関係者300人によって投票され作られていますが、ジャンルレスにまた偏見なく良いものはいいと評価する側も今風になってきているのかなぁとも感じます。

他にもある意見で、ポリコレの影響がやや強いんじゃないかというもの。自分もポリコレ色があるといった意見にはやや同意します。Rolling Stone誌恒例のこのランキングもそもそもはアメリカ贔屓が割とあるし、Black Lives Matterを初めとする最近のアメリカ情勢がある程度影響しているはず。でなければこんなにHip-Hop、R&B、Soulのそのジャンルでは超名盤級が全体の音楽としてランクインしてくることはないと思います。
Public EnemyがボブディランHighway 61RivisitedやビートルズWhite Albumより上位なんですよ?良い意味で諸々の関与が幅広いアメリカ贔屓を生み、これまでにない新しいランキングができた気がします。

最近はレコードやテープなどのアナログレコードの再熱もありますし、もしかしたら日本の歌謡やアーティストがランクインする日が来るかもしれないなんて想像するのも面白いです。なんとも言えないですが、、

ということで今回のブログはこの辺で終わりにしようと思います。

それでは、バーイ、センキュー!🙋‍♂️

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