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リーンスタートアップの顧客インタビューのルール

上記の本の6章P75-86には、リーンキャンバスを使って顧客インタビューをする際のルールが書かれています。

以下に、そのルールを加筆修正してご紹介します。

顧客インタビューの目的は探究

顧客インタビューの目的は、何がわからないのかさえわからないことの探究です。

ランニングリーン P75

つまり、起業家が起業アイデアについて、探究し、学習することが、第一目的です。

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アンケート調査は不要

アンケートでは、顧客の実際の仕草、行動、雰囲気が見えません。

また、そもそもアンケートに書かれた起業家から顧客への質問自体が、正解とは限りません

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アンケート調査は、試作品であるMVP検証段階で使います。

具体的には、ショーンエリステストなどで定量調査をする際に利用します。

MVPがまだ無い時点では、アンケート調査は不要です。

フォーカスグループ(顧客集団へのインタビュー)は不要

フォーカスグループの問題はすぐに集団思考(wiki)を形成してしまう点

ランニングリーン P76

フォーカスグループは、集団思考で非合理的な回答をするため、避けます。

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ピッチ(プレゼン)しない

リーンキャンバスを使って顧客インタビューしましょう。

顧客インタビューの目的は、起業家の学習です。相手を説得するわけでは無いです。リーンキャンバスを使って、話を聞きましょう。

顧客の行動を観察する

顧客はインタビューでよく嘘をつきます。

(あなたに嫌われたくないため)儀礼的に応えることもあります。

起業家の仕事は、顧客の嘘を指摘することではありません。

顧客の行動から顧客の言葉を検証してください。

例えば、今、顧客がどういう問題を、どういう妥協案(あなたの起業アイデアの競合製品)で、解決してるのかという、顧客の実際の行動について集中的に聞きます。

ランニングリーン P77

顧客インタビューは2種類

課題インタビューと、ソリューションインタビューに分かれます。

課題インタビューの範囲

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出典ランニングリーン P89

主に、リーンキャンバスの

課題

既存の代替品

顧客セグメント

の部分です。

ソリューションインタビューの範囲

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出典ランニングリーン P111

主に、リーンキャンバスの

ソリューション

アーリーアダプター

収益の流れ

の部分です。

台本に合わせてインタビューしましょう

台本がないと、多くの時間を無駄にします。

台本どおりにインタビューを実施しましょう。

網を広く投げましょう(広いサンプルからアーリーアダプターを探しましょう)

最初の顧客となるアーリーアダプター(詳細note)は、思わぬ場所にいます。

なので、さまざまなタイプの人にインタビューすること(網を広く投げること)は重要です。

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サンプルを選別せずに、テスト結果を選別する。

ランニングリーン P78

直接面会してインタビューしましょう

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インタビュー相手のボディランゲージを見たり、相手との親密さを産むことになります。

 ランニングリーン P79

知り合いから始めましょう

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インタビュー相手を探すのは、難しい場合もあります。まずは、気軽に知り合いから始めましょう。

 ランニングリーン P79

誰かと一緒に行きましょう

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インタビューには、誰かと一緒に行って、見落とすことがないようにしましょう。

 ランニングリーン P79

共同創業者がいれば、共同創業者もインタビューに同席させましょう。

中立的な場所を選びましょう

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見込み客のオフィスでインタビューすると、ビジネスライクになってしまい、売り込みをしているような感じを与えてしまいます。

そうなってはいけません。

コーヒーショップなど中立的な場所でのインタビューは良いでしょう。

ランニングリーン P79

1回のインタビューの時間

私はインタビューに20~30分かけています。急いでいる印象は与えていません。

ランニングリーン P79

謝礼は渡さない

こちらから謝礼を支払ってはいけません。なぜなら、お金を払ってくれる顧客を見つけることが目的なので。

ランニングリーン P79

インタビューは録音しない

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録音されてると、自意識過剰になる人がいました。

ランニングリーン P79

インタビューは即文書化

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インタビュー後、記憶が新しいうちに5分で、インタビュー結果を文書化し、内容を共同創業者に共有しましょう。

ランニングリーン P80

インタビューする人数

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4~6週間で30~60人にインタビューしましょう。

つまり1日に2~3人と話します。

インタビューから新しいことを学習できなくなったら、インタビューを終了します。

ランニングリーン P80

ここまでのルールをもとに、起業家は自分でスケジュール調整をします。他の人にスケジュール調整は任せません。

ランニングリーン P81~インタビュー相手を見つける方法

地元で探しましょう。ランニングリーン P81

地元→近いと会いに行きやすいです。

ホワイトペーパーでEメールを残してもらい、後日インタビューを依頼する

予告ページでEメールアドレスを登録してもらいましょう。ランニングリーン P81

具体的な、Eメールアドレスを登録してもらう方法は、ホワイトペーパーを作り、ホワイトペーパーを読むためにEメールを登録してもらいます。

ホワイトペーパーの詳細はこちら

お礼はコンテンツ

インタビュー内容(コンテンツ)を記事、ブログ、動画にしたものをインタビューを受けた人に提供することを通じ、相手にお礼しましょう。ランニングリーン P81

インタビュー相手に謝礼を渡すのはダメです。

しかし、起業家がインタビュー内容を記事、ブログ、動画相手に渡すのはokです。

コールドコール、コールドメールをする方法

全く知らない人に、電話することをコールドコール

全く知らない人に、メールすることをしたりコールドメール

と言います。

相手の課題を突きつけること。

ランニングリーン P82

コールドコールは今の時代、難しいです。

なので、まずはコールドメールをしましょう

以下のnoteが参考になります。

上記のnoteは、投資家向けにどうメールするかのnoteです。

しかし、インタビュー相手を探す際のコールドメールにも使えます。

とにかく500~600文字程度で、簡潔にメールを書きましょう。

長々とメールを書くと返事がもらえません。

顧客インタビューをしない理由

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顧客インタビューをするのは辛いです。

なので、起業家は色々な理由を作って顧客インタビューを避けます

ランニングリーン P83~85には、起業家がよく発する顧客インタビューをしない理由を列挙しています。

結論、ランニングリーンの著者は、ランニングリーン P83~85で、

「起業家は成功したいならつべこべ言わず、顧客インタビューしろ」

と言っています。

ランニングリーン P83

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ランニングリーン P84

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ランニングリーン P85

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値付け

ランニングリーン P107~111には値付けについて書かれています。

ランニングリーンに値付けについての内容は、日本では適用しにくいです。

故に、以下に私が値付けについて書きます。

まず、起業家は、ソリューションインタビューで、顧客にいくらならそのソリューションを使うかを聞きます。

そして、その顧客が言う価格は参考程度にします。

実際には、顧客が得る価値から逆算してMVP(試作品)を値付けします。

例えば、顧客が、起業家のプロダクトを使うことで、毎月1万円節約できるとします。

で、起業家のプロダクトは毎月5000円や8000円に価格設定するのは問題ないでしょう。

詳細は、以下のnoteをご覧ください。

通常、起業家はビビってプロダクトを安く値付けし過ぎます

このソリューションインタビューで、値付けについての情報を得ることで、実際にその起業アイデアが本当に良いのか、分かります。

つまり、以下の画像のリーンキャンバスの収益の流れの部分の詳細を掴むことができます。

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実際に、収支が合わない起業アイデアなら、その時点でMVPの作成や事業化を断念したり、ピボットしたりするべきです。

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