[解説]リーンキャンバスの作成方法
今回のnoteは、リーンキャンバスの作成方法です。
リーンキャンバスのパワポの雛形はこちらでダウンロードできます。
今回のnoteの長さは3200文字、約15分で読めます。
リーンキャンバスとは、リーンスタートアップを実施するときに一番最初に作ります。
A4一枚の起業アイデアをまとめた書類です。
1~9の数字は、書き入れる順番を示します。
リーンキャンバスを1枚で作る理由は以下です。
1.運びやすい。
2.色々な人と議論しやすい。
3. 一枚に書くと、内容をシンプルにする必要があり、無駄な内容が削ぎ落とされる。
ランニングリーン P23
リーンキャンバスで最初に埋めるのは、まず課題と顧客セグメント
この二つが鍵です。
起業家の役割は、解決すべき良質な課題と顧客を特定できれば、8割は成功したも同然です。
つまり、この二つを見つけるのが難しいです。
課題の書き方
まず、左上の箱に、あなたが解決したい課題を埋めましょう。
課題には、既存の代替品(あなたの起業アイデアの競合)も列挙します。
その後、顧客セグメントを書きます。
上記画像の出典:ランニングリーン P28、P29
上記の顧客セグメントには、アーリーアダプターという言葉が書いてあります。
アーリーアダプターなどの説明は以下のnoteです。
アーリーアダプターとは要するに、インフルエンサーのような重要な顧客です。
ランニングリーンの本には書いてありませんが、リーンキャンパスで定義する想定顧客は、実在の人です。
リーンキャンパスのアーリーアダプターとする人は、実在の人の特徴(ペルソナ)を書きます。ペルソナについての詳細は以下のnoteです。
見込み顧客を大きく二つに分ける
顧客とユーザーは区別します。
顧客:製品にお金を支払ってくれる人
ユーザー:製品を使うだけでお金を払わない人
例として、検索エンジンの広告主は顧客、検索する人はユーザー。
ランニングリーン P28
つまり、顧客は誰かを定義します。
要するに、ペルソナ(想定顧客)を設定するということです。
スタートアップの業界では、最初の想定顧客は自分自身が良いとされています。詳細noteは以下です。
起業の科学P27にも、以下の図が記載されてます。
起業は、利益が出るまで、何年も何年もその課題に取り組まねばなりません。
単純に、起業家が赤の他人の問題を解決するため、何年も何年も自分の人生を費やすのは難しいことです。
故に、起業家は自分自身の課題や、身近な家族が抱えてる課題に、取り組むのが自然です。
プラットフォーム型のビジネスの場合、リーンキャンバスは二枚必要
メルカリは、プラットフォームです。
①出品者→無駄なものを処分したいニーズ
②購入者→必要なものを安く手に入れたいニーズ
①、②は全く別の課題です。
つまり、プラットフォーム型の場合、①、②、二枚のリーンキャンバスの制作が必要です。
プラットフォームビジネスの詳細noteは以下です。
リーンキャンバスは顧客ごとに書く
子供の写真を保存するクラウド画像サービスをあなたが開発するとします。
あなたは想定顧客として、顧客を持つ両親、シングルファーザー、シングルマザー...などを設定するとします。
顧客セグメント毎にリーンキャンバスを書き、見込みがありそうな最大3種類の顧客セグメントだけに集中します。
リーンキャンバスに使う時間は、最初は15分のみ
まず、15分以内で一気に書いてみましょう。
まずは考えてることを、全部言語化してみましょう。
ランニングリーン P26
起業家にとって、リーンキャンバスを書くのは楽しいです。
まずは、15分という限られた時間で集中して書いてみましょう。
どうしても15分を超えてリーンキャンバスに取り組みたい場合、毎日15分ずつ時間を割り当てましょう。
一日に5時間も6時間も取り組むのはダメです。
毎日15分ずつ少しずつリーンキャンバスを埋める意味
リーンキャンバス制作の仕事に限らず、仕事の質の天秤は不思議な動きをします。
総時間が少なくても、
熟成回数(仕事に取り組む回数)が多い方が重くなります(質が充実します)。
概念図は以下です。2.5時間の方が、72時間より仕事の質が良いです。
この仕事の熟成方法は、全ビジネスパーソンの仕事の処理に適用できます。
上記概念図出典:問題解決の全体観 下巻 ソフト思考編 P125
リーンキャンバスは進化する
リーンキャンバスを書き込めない場所があっても、気にせず書ける場所を書きましょう。
リーンキャンバスには、長文を書けばいいわけではありません。
いいビジネスモデルは簡潔な説明が可能です。
リーンキャンバスは、紙面の制約があります。
常にこの紙面の制約の中で説明できるよう、内容を進化させましょう。
UVP: Unique Value Proposition(独自の価値提案)を磨け
UVP(独自の価値提案):あなたが他とは違っていて、注目する価値*がある理由。
ランニングリーン P30
最初の戦いは販売ではなく、見込み客の注目を集めることです。
ランニングリーン P30
効果的なUVPとは、
①顧客が望む結果 + ②明確な期限 + ③それが達成されなかった場合の代替案
です。
ドミノピザのUVPの例:
①焼きたてのピザを、②30分以内にお届けできなければ、③無料にします。
ランニングリーン P30~31
ハイコンセプトピッチ(分かりやすい例え話)をUVPに書こう
ハイコンセプトピッチとは、分かりやすい例え話です。
以下にハイコンセプトピッチの例を挙げます。
TikTok
→最長3分までの動画が撮れるYoutube
インスタグラム
→画像中心のツイッター
Youtube
→ネットで見られるテレビ
Netflix
→スマホで見られる映画館
ソリューション
最初にリーンキャンバスに書くときは、ソリューション部分は走り書き程度で大丈夫です。
顧客インタビューなどを重ねると、すぐにソリューションは変化します。
上記リーンキャンパス例の出典:ランニングリーン P27
顧客はあなたのソリューションに興味ない。
顧客が興味があるのは、顧客自身の課題だ。
解決の面積は、リーンキャンバス全体の1/9もありません。これは意図的にそうしてます。
起業家は解決するソリューションに執着しすぎです。
ランニングリーン P6
顧客が欲しいのは、顧客の悩みを解決してくれるソリューションです。
起業家が作りたいソリューションではありません。
チャネル(販売経路)
スタートアップが失敗する主な理由は、顧客への経路が作れないこと
ランニングリーン P36
起業家の販売経路は、以下のnoteをご覧ください。
結論、起業家は、コンテンツマーケティング(インフルエンサーマーケティング)を実施しましょう。
他のチャネルはコンテンツマーケティングをやり切ってから開発します。
コスト構造と収益の流れ
ほとんど全ての場合、起業家はMVP(*詳細)で課金すべきです。
起業家が無料で顧客にMVPを使ってもらってるうちは、本当にこの起業アイデアが価値があるか検証できません。
起業家は、顧客からお金をもらって初めてその起業アイデアの価値を証明できたことになります。
コストには、起業家がMVPを使って数十人にインタビューするコスト、
MVPを作るコスト、
変動費と固定費でバーンレート(*詳細)などを可視化します。
大まかにでも損益分岐点が算出できれば、その起業アイデアが現実的かどうかもわかるでしょう。
市場に顧客が100人くらいしか存在しないのに、1000人の有料会員が必要な起業アイデアはダメな起業アイデアです。
リーンキャンバスを管理する主要指標のAARRR
あらゆるビジネスには、どれだけ上手くいってるかを示す数値があります。
(中略)
私がよく使ってるのは、AARRRです。
ランニングリーン P43
顧客の獲得の状況などを可視化する指標がAARRRです。詳細は以下のnoteです。
圧倒的な優位性
本物の圧倒的な優位性とは簡単に他者がコピーしたり、購入したりできないものです。
本物の優位性の例を以下に挙げます。
1. 内部情報
2. 正当な専門家の指示
3. ドリームチーム(人材)
4. 起業家への市場からの信頼
5. ネットワーク効果
6.既存顧客
7.SEOのランキング
ランニングリーン P46
本物の優位性とは、モートのことです。
モートについての詳細は以下です。