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[要約]リーン・スタートアップの5000文字、さらっと15分で読める記事

リーン・スタートアップとは戦術の集合体ではなく、明確な指針に基づく新製品開発の方法だ。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす (Kindle Locations 1070-1074)

初めに

2011年に出版された以下の本が、リーンスタートアップの源流です。

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上記の本は、アマゾンで買えます

米国の起業家達のバイブルと呼べる本です。

起業家は、リーンスタートアップの手法の出現以前、多くのお金や人材を浪費してました。

しかし、リーンスタートアップが起業家の無駄な試行錯誤を激減させました。

上記の本は、10年前の本です。

本に記載された事例が古かったり、日本人に馴染みがないです。また、長文の本です。

良い本ですが、日本人には読破しにくい。

なので、私が以下にリーンスタートアップのエッセンスをnoteにします。

リーンスタートアップの最初の目標は、PMFの達成

PMFが何かわからない方は、以下のnoteをご覧ください。

そもそも、起業アイデアをどう得るのか

リーンスタートアップは、起業を成功させるための方法です。

そもそも起業家がやりたい起業アイデアが無い役に立ちません

以下の2つのnoteの方法で、まずやりたい起業アイデアを固めましょう。

適切な仮説を得ることに集中しよう

起業家が置く仮説で特に重要なふたつを私は価値仮説と成長仮説と呼んでいる。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす (Kindle Location 1178)

価値仮説

価値仮説とは、顧客が使うようになったとき、製品やサービスが本当に価値を提供できるか否かを判断するものだ。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす (Kindle Locations 1179-1183).

つまり、顧客はアイデアを聞いただけでは、起業家のサービスを使いたいかどうかを判断できない

顧客は起業家のプロダクトを体験して初めてプロダクトにお金を払うか判断できる。

価値仮説の検証方法は、以下のスライドの方法です。

これで、顧客に提供しようとしてる価値(起業アイデア)が、本当に価値があるか、価値が無いか、安く、早く仮説検証できます。

*MVPとは、試作品であり製品でもあるプロダクト。詳細は、上記スライド参照。

成長仮説

ここで大事なのは平均的な顧客をみつけるのではなく、いわゆるアーリーアダプター(earlyadopter)──製品をもっとも強く欲している顧客をみつけることだ。そういう顧客のほうが失敗に寛容でもあるし、フィードバックも返してくれることが多い。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(Kindle Locations 1196-1199)

つまり、起業家がプロダクト(=上記スライドのMVP)を作った後、どう売るか(成長させるか)の話です。

起業家は、基本的に以下のスライド「セールスアニマルになろう」と、

note(ブルズアイフレームワークで顧客獲得)でプロダクトを売るのが正解です。

試作品(MVP)は製品である

リーン・スタートアップ・モデルにおける試作品は、単なる理論の探究ではなく、最初の製品でもある。

最初の製品である試作品が完成すれば、それはつまり広報活動を始められることを意味する。

(中略)

試作品を元に、生のフィードバックを客から得る。

そして試作品に対するフィードバックをもとに改善する。

フィードバック→改善→フィードバック→改善...と繰り返す。

エリック リース. リーン・スタートアップ (Kindle Locations 1228-1235)

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悪いMVPは、初期からプロダクトとして利用できません。

悪いMVPの1は、タイヤだけです。客はタイヤを利用して移動できません。タイヤだけでは、製品と言えません。

良いMVPとは、初期から製品として利用できます。上記の1のスケボーは、

客の速く移動したい

というニーズを、少し満たせます。

つまりスケボーは製品と言えます。

そして、スケボーを使った人から、スケボーを使った感想やフィードバックを得られます。

構築-計測-学習のループでMVPを改善する

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大事なのは、このフィードバックループの一周に要するトータルの時間を最小にすることだ。

プロトタイプを作り、社内のエンジニアやデザイナーだけがそのクオリティーを評価したのでは駄目。

完成したプロトタイプは見込み客に見せてその反応を見定めなければならない

MVPを作るときこれさえ守ればいいというルールをシンプルな形でまとめておこう。「求める学びに直接貢献しない機能やプロセス、労力はすべて取りのぞく」である。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(Kindle Locations 2019-2021)

既出のMVPを作る方法は、この構築-計測-学習のループを素早く、低コストで回せます。

価値仮説、成長仮説を計測しよう

起業家は数字で現在の状況を計測しましょう。

計測には、以下のSean Ellis Test(ショーン エリス テスト) と、AARRRを使います。

起業家は

なんとなくうまくいってる

のような曖昧に状況を計測するのはダメです。

数値だけに着目するのは愚かです。

しかし、必ず、状況を数字で管理しましょう。

虚栄の指標はだめ

虚栄の評価基準は捨て、その代わり事業や学びの中間目標の判断に使える評価基準を採用すべきである。それを私は行動につながる評価基準という。

エリック リース. リーン・スタートアップ(Kindle Locations 2352-2354)

虚栄の指標の具体例は、ツイッターのフォロワー数やフェイスブックのいいね!の数、などです。

これらが増えて、結局ビジネスは本当にうまくいくのか。これらの数字はビジネスに無関係な意味のない虚しい指標(虚栄の指標)です。

ツイッターのフォロワー数やフェイスブックの「いいね!」の数は、増やしやすい。

故に、起業家はこれらの数字を増やして仕事をやった気になります。

この仕事やった感は、罠です。

一方、既出のSean Ellis Testや、AARRRで計測する指標は、次の改善行動につながる評価基準です。

Sean Ellis Testや、AARRRで計測する指標を計測し、売上、利益という起業家の本当の成功指標に向けて努力しましょう。

Pivot

MVPは製品です。しかし、試作品でもあります

試作品は、うまくいかなかった場合のPivot(事業転換)が容易です。

なぜなら、大きな設備投資や人員強化に投資をしてないためです。

起業家がMVPの構築中、AARRRやSean Ellis TestでそのMVPが成功か失敗を数字で決定できます。

幸運にも、MVPが成功し、PMFを達成したなら会社のスケールを大きくしていけば良い。

しかし、失敗ならPivotが必要です。

そのPivotの詳細は以下のスライドです。

うまくいってる時もPivotの必要性を検討せよ

(イノベーター理論*の)アーリーアダプター*で成功すれば、次はメインストリームの顧客に売らねばならない。

メインストリームの顧客は求めるものが異なるし、要求が厳しい。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(Kindle Locations 3035-3036)

*アーリーアダプター、イノベーター理論がわからない方は以下のnoteをまずご参照ください。

起業家は、アーリーアダプターでPMFを達成すると、

今のビジネスのやり方は正しい

と錯覚します。

そして、アーリーアダプター以外のメインストリームの顧客を獲得する努力を怠ります。

メインストリームの顧客(アーリーマジョリティや、レイトマジョリティー)は、UI、UXなど、大幅な改善なしには獲得できない可能性が高いです。

起業家はSean Ellis Testや、AARRRの指標では成功してそうでも、メインストリームの顧客を獲得するまでは努力を怠らないのが重要です。

Sean Ellis Testと、AARRR以外の三つの最重要指標

解約率、バイラル係数、ユニットエコノミクスの三つです。

解約率

粘着型成長エンジン(stickyengineofgrowth)を使う企業は顧客の離反率や解約率と言われるものに注目する。

ここで離反率とは、ある期間において自社製品を使いつづけるのをやめた顧客の割合を意味する。

粘着型成長エンジンのルールはシンプルで、新規顧客の獲得速度が解約速度を上回れば成長する。この場合の成長速度は、自然成長率から離反率を引いた割合の複利になる。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(Kindle Locations 3671-3676)

結論、

起業に成功するために解約率(別名、チャーンレート)を下げよう!

ということです。詳細は以下のnoteです。

バイラル係数

係数が0.1の場合、顧客10人に1人が友人を連れてくる。これではループの回転が続かない。

一方、顧客10人が100人の友人を連れてくるとする。これはバイルス係数は10である。

係数が1を超えると、指数関数的な成長が得られる。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす (Japanese Edition) (Kindle Locations 3712-3714). Kindle Edition.

グラフで見ると、以下のようになります。係数が0.9、1、そして1.1で将来の結果は全然違います。

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詳細は以下のブログです。

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ユニットエコノミクス

成長速度を上げたければ道はふたつ──顧客あたりの売上(=LTV)を増やすか新規顧客の獲得コスト(=CAC)を減らすか、だ。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(Kindle Locations 3750-3751)

ユニットエコノミクス= LTV / CAC

です。

ユニットエコノミクスが健全な状態とは「LTV>CAC」です。

*LTV= Life Time Valueの頭文字。客の生涯価値の意味。

*CAC=Customer Acquisition Costの頭文字。 顧客獲得コストの意味。

例えば、合計300円のタコヤキを、100円のCACで売る。

すると、300-100=200円の利益となる。これがユニットエコノミクスが健全な状態と言えます。

ユニットエコノミクス詳細は以下のnoteです。

起業家は、解約率、バイラル係数、ユニットエコノミクス、どれか一つに集中する


解約率、バイラル係数、ユニットエコノミクス、成功するスタートアップは3つのうち、一つの指標に集中することが多い。

3つ全てを一気にやろうとすると、社内が大混乱になるから。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(Kindle Locations 3797-3798)

私の会社も、この3つの中の一つにだけ集中して経営しています

弊社がどの指標に集中してるかは企業秘密です。

バッチサイズ(仕事のサイズ)を小さくする

要するに、人の直感に反して、仕事の単位を小さくしたほうが、実は効率が良い。小さい単位で仕事した方が、仕事を構成する各プロセスの間違いを簡単に修正できるからです。

エリック リース. リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(Kindle Locations 3240-3244)

MVPを細かく回す最大のメリットは、高い効率が得られるからです。

図解は以下のブログをご覧ください。

最後に

私はこのリーンスタートアップより良い起業法を知りません。

私はリーンスタートアップを知らずに2014年に起業しました。なので、起業家として無駄な苦労をしてしまいました。

未来の起業家のあなたは、無駄を省けるリーンスタートアップを研究してから起業してください。

私はあなたの起業の成功を願っています。

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