【随筆】何歳になってもドラえもん


最近になって改めて分かったことがある。何かっていうと、それは「大人向けの本って難しい」ってこと。僕は本当に読書が苦手で、大学生になるまで本なんか年に一冊も読まないような人だった。大学生になってからは少しは読むようになったんだけど、それでもやっぱり読書は苦手だ。どこを読んでいるか良くわからなくなるし、そうすると集中力がすぐに切れちゃう。読む速度も本当に遅いし、一度読んでもさっぱり理解できないこともある。

読書の習慣が全く無かった僕は、本を読む力が無いから、面白い本をどうやって見つければいいのかわからない。ネットでレビューを見ても、そのレビューを信じながらレビューに沿う様に読もうとしちゃう。結局それって本を読んでいるとは言えないと思う。

この歳になるまで本を読んでこなかった人間が、急に大人に向けた本を読んでも仕方ないのだろう。なんでそんなことを最近になって思ったのかというと、先日、古本屋で小学館のドラえもんの学習シリーズを読んだからだ。漫画だけど、あくまで解説本という体裁になっているし、難しい言葉も使わない。こういう本なら面白いと思いながら読めると思った。内容は小中学校で習うようなことなので別に難しいことをやっているわけではないのだろうが、新しいことを学ぶ上で最も大切なことを小中学生にも分かるように書かれている。

GPTに「小学生にも分かるように」って指示すれば、見た目は大人、中身は子供の僕にも簡単に分かるようにしてもらえる時代になった。けれども、僕らには昔から、零点ばっかり取ってるのび太くんにも親切丁寧なドラえもんという先生がついていたのだ。


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