【随筆】教育機関とは


受験勉強は、最近はどうなのか知らないけれど、少なくとも僕が受験する時は、「暗記」が重要な能力だった。


暗記科目が本当に苦手だった。社会科、特に歴史とか、古典だって最初の暗記で躓いて苦手になる。無機・有機化学もそうだ。興味無いことに対して「記憶する」ことがどうにもできない。そもそも自身の感覚では記憶とは、記憶されるのであって記憶するのではないのだ。能動的にコントロールなんてできなかった。


で、これじゃあどうしようもないと思って、一旦闇雲に勉強をするのを辞めた。そして、暗記法とか記憶のプロセスみたいなものを調べた。だいたい最初に知るのは忘却曲線のことだ。それで、その忘却曲線を考慮しながら暗記するべきことを繰り返しインプットしようと計画する。それでなんとか暗記もできるようになってくる。


とまぁそんな感じで、受験勉強に関して、勉強のための勉強をした。



世の中こういう事が多いと思う。勉強を教えてくれる学校は、勉強法を教えてくれない。学校のレベルにもよるのかもしれないけれど、昼寝がいいとか、歌で覚えようとか、そういう表面的な話はあった。じゃなくて、なんで歌が覚えやすいのかとか、なんで昼寝がいいのかとか、そこを知れればもう少し勉強する気になるのではないかと思った。それでも結局、興味無いことを一生懸命勉強しても、大して役に立たなかった。専攻によるだろうけれど、古典なんて本当に使わなかった。

そして、人として生活することは勉強とはあまり関係ないのだ。学歴がどうでもいいとは言わないけれど、生活することと学歴や成績は、本当に関係ないと思う。生活っていうのは労働も娯楽も含めたあらゆる人間活動の総和であって、それこそが全てというかなんというか。



学校で第一に教えるべきことは、生活であり、それは生活のための生活である。そういう意味では、受験科目ではない家庭科とか体育、芸術系が重視されるべきなのだと思う。今以上に。








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