【読書メモ】「いつでも転職できる」を武器にする

転職が当たり前になってきた世の中、いったい何を軸に転職先を考えればよいのか。

はたまた、転職しないまでも、今の会社にしがみつくのは怖い。どういうマインドで働けばよいのか。

そんな疑問を体系立てて戦略を教えてくれる書籍です。

以下読書メモです。

1. 伸ばすべきスキルの三階層構造

キャリアを通じて伸ばすべきスキルは以下の3種類あるそうです。

① 専門的な知識、能力、経験(時代でニーズも変わる)
その時々、場所で変わる能力。ここを土台にしてしまうと変化に対応しづらくなります。その会社に最適化された人材になってしまいます。

② ポータブルスキル
社外に持ち運べるスキルです。他の転職啓発本でもよく出てくる単語です。ポータブルスキルを得るには、順番が必要です。
新卒や中途入社したての人は以下の順番で意識して仕事に取り組むことことで、能力を発揮できるようになります。順番を飛ばしたりすると、煙たがられたりそもそも能力を発揮できなかったりします。

1. その組織のルール、規範になじむ
2. なじんだうえで、どう学ぶかを考える
3. どう働き、機能するかを考える
4. どう影響力を発揮するかを考える

この流れの中で、PDCA、コミュニケーション、対人育成、論理的思考、クリティカルシンキング(思い込みを疑い、ゼロベースで考えること)といったものを繰り返し実践して自分のものにしていきます。
知識だけでは使えないので、ポータブルスキルとするのには、地味ですが繰り返しして応用力を備えていく必要があります。

その中でも、常に一つ二つ上の役職の人に、「こんなのいいんじゃない?」と施策を提言する習慣をつけられれば最高です。(実際に提案せずとも、考えておくことが大事です)

そうすれば、転職時すらすらと自己アピールすることができます。

③ 資質、ポテンシャル(自分のキャラクター)
 誰でも身に着けられるものではなく、自分自身のキャラクター、素質、ポテンシャルになります。例えばすぐ人と打ち解けられる性格、とか、事務的なことをひたすら苦なくやり通せる性格、だとかいうものを指します。

苦手だけどほしい素質のスキルがある場合は、自分の得意な素質を絡めて徐々に慣れるようにしましょう。(例えば人と打ち解けたいけど難しい場合は得意な事務作業といった雑務を進んで受け取って仲良くなる戦略をとるなど)
社外OJTなんかも客観的に自分を見れて有り。他人に目標を決めてもらうのもありです。

2. ありがとうの法則で自分の素質を見出す

自分の素質と言われてもわからない!という人に、自分の素質を見出す方法があるようです。

それはありがとうの法則です。

「職場でありがとうと言われたことが自分のキャラクターである。」というものです。

やり方は下記の通りです。

① 職場で感謝されたりした声を集めたり覚えたりして、メモする

② 仕事していて何となく人より早く楽に飽きずにできることをメモする

③ 自分のコンプレックス、欠点を書きだし、いい意味に変換する
 例)神経質⇒細かなことに気づく、人の気持ちが繊細にわかる

④出した素質をANDで組み合わせて、自分の強みとなる素質の出来上がり

 例)①ミスが少なくて助かるといわれる
   ②エクセルシートの資料作成が割と早い
   ③細かなことに気づく
   →簿記系の仕事に強い!

自分のキャラクターはほぼ20歳までに決まっており、変えられないらしいです。

ですが、素質にあった職を選べば、当然ですが速く効率的かつ努力感なく成長して伸びることができます。(評価されやすい)

3. キャリアはスライドさせる

まず転職するにしても、素質として「向いていること」が大前提です。その大前提を置いたうえで、以下のようにしてキャリアをスライドさせることで、社会で戦っていけるようになります。

① 会社のライフサイクル(導入、成長、安定、衰退)で適した素質の組織を探す
どこのライフサイクルの組織が、自分が安心して成果を発揮できそうなのかを考えます。
例えば新しい施策を考えるのが好きなら導入。とっちらかった事業を整えるのが好きなら成長期。ミスを減らしたりしていく業務が好きなら安定期。事業をたたむのに長けていれば衰退期です。

② 自分に合った業界、職種、会社を探す
 職種は王道を経たら、次は一番会社が困っている職に逆張りすることで、オリジナルな経歴、経験が作れるようになります。

4. 自分を伝える

客観的に数字や具体例を交えながら紹介する練習をしたほうがよさそうです。

人は考えながら話すと形容詞が多くなりがちです。

相手の立場に立って、相手が必要とすることを答えるようにする習慣をつけることで、面接でも役に立ちます。

現在、未来、過去で一貫となるストーリを描き、やれそうだ感を出してくれる人は好印象ですよね。とはいえ、欲張るとうっとうしいので、説明する経歴は3つまでにしたほうがよさそうです。

良く思われようと、カッコつけたところで、そういう事柄は誰でも言えるので、印象に残りません。

にじみ出てしまう自分の素質から考えれば、自分のオリジナルの経歴が語りやすくなります。

まとめ

この本は本当に具体的な戦略が書いてあるので、実践しやすいです。

実践しやすいのに誰にでも効果的そうなことが書かれているので、ベストセラーなのも納得です。


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