超簡潔に解説! ニューアース ~その1 エゴとは?~
はじめに
アメリカのスピリチュアル界隈にて、絶大な影響力を持つ、エックハルト・トールをご存じですか?
彼の代表作ともいえる、ニューアースを解説したいと思います。
ただ、この本は300ページ以上あり、予備知識が無い方にとっては、内容も難解です。
そこで初めての方でも本書に興味を持ってもらえるように、超簡潔にポイントを絞って解説します。
今回はエゴについてです。
①エゴって何?
最初はエゴについてです。
エゴとは、自分だと勘違いして執着している対象のことです。
自己同一化、アイデンティティともいえます。
大別すれば身体と思考になるでしょう。
⑴身体とエゴ
身体=自分って当り前じゃないか!って思いますよね。
でも、徹底的に自己を洞察できれば、身体は自分ではなく、自分の所有物、付属するものといえます。その証拠に操作権がありません。食物を消化するのも、血液を循環させているのも自動で行われています。
立ち上がったり、歩いたり、話したり、食べたり、
それは自分でやっているよ!って言いたいですよね…。
でもそれをしようと思いついたのは誰でしょうか?
どこか彼方からそのようなアイデアが湧き上がってきて、次の瞬間行動となっているのではないでしょうか。そこに自己は介在し得ません。
全てはオート(全自動)です。
⑵思考とエゴ
思考も同様です。
日々、あれやこれやと頭の中は忙しく思考が駆け巡りますが、人間はそれらの思考に簡単に同一化してしまいます。
思考によって自分の価値を判断する人もいるでしょう。
高貴で慈愛に満ちた、聖人君子の様な思考が湧けば私は善人。
憎悪、妬み、被害者意識にまみれた思考が湧けば悪人。
つまり思考の如何で自己の価値が決定しているのです。
また、著者は身体などの物理的なエゴよりも思考への同一化の方がより強力で破滅的だということも言及しています。
なぜなら、思考への同一化の方がより巧妙で、見抜くことが難しいからという理由が一つあります。
私たちの中で思考が浮かぶとき、私が考えたと感じる方が大半であると思います。それは身体よりも近くで、自分の内側から生み出した現象であると捉えるからではないでしょうか。
そして、思考への同一化が強力で破滅的である2つ目の理由、
それは大半の思考はネガティブであるということです。
ネガティブな思考って簡単にスルーできないのではないでしょうか。
それどころか、よりその思考にフォーカスしてしまい、それに関連するネガティブ思考を数珠つなぎに生み出してしまうこともあるでしょう。
そうなれば負のループ、思考の沼にはまりこんでしまいます。
⑶機能不全としてのエゴ
私たちが抱える、過去のトラウマ、未来への不安、人間関係、お金の心配等々。
そして、それらの思考を煽る暗いニュース、誇大広告、SNSで拡散される偽情報が現代社会では溢れています。
肉体面でも、時間の問題で、老化していく身体、病に侵される身体を目の当たりにすることになります。
勘違いしてそれらと自分を同一化してしまうのだから、それは多大なストレスですよね?
著者は、エゴと同一化して、本当の自分を見失っている状態を機能不全と定義しています。
本来自分の道具として使うべき、思考、身体に自分が使われている状態といえます。
②エゴに気付け!
⑴気付くとは
それでは、どうしたらいいの!って話になりますが、
簡潔に解決策を述べるならば、今ここに在り、気付くということです。
対象と一体となっている間は、自分だと思い込んでいる状態なので、気付けないでしょう。
しかし自分は今エゴに囚われていると気付けば、もう同一化が解消されています。
そしてポイントは、気付くのは今しかないということです。
思考は過去と未来を行ったり来たりして、意識を今から逸らせます。
しかし思考は今を捉えることはできません。
⑵気付く為のハウツー
今に在るためにできることは、今に在る事物と共にいるということです。
目に映るもの、聞こえる音、肌に感じる感触、それらに注意を向けると今に在ることが可能です。
デジタル社会で溢れるノイズや映像は逆に思考を活性化させます。
過多ともいえる玉石混交な情報を撒き散らしているともいえるでしょう。
そこで、自然の中に身を置くと五感が刺激され、今に在ることが簡単になりやすいようです。
自然が与えてくれる情報は、人工的、作為的ではない、ダイレクトな経験だからではないでしょうか。
また、私がお勧めできることは、ズバリ瞑想です。
瞑想とは、何もせずただ座ることですが、じっとしていると思考と自分に距離を置くことができ、自己同一化が解消されます。
瞑想を続けると、対象のない静かな幸福感ともいえるような経験ができます。
著者は本書を通して、一貫して今に在ることの重要性を説いています。
自分に合った、今に在る方法を見つけるのも良いですが、普段の生活の中で、今に在る意識を養っていくことも大切でしょう。
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