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山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第14回

ブエノスディアス!山本粧子です。

さっそくですが、今回は3月初旬に訪れたアレキパ旅行について、レポートしたいと思います。

ペルーに派遣されている青年海外協力隊員は、首都リマで不定期に開催されるJICAの報告会に出席する必要があります。そこで私は、せっかくリマに行くなら、ついでに初のペルー国内旅行へ行ってみよう、と考えたのでした。
というのも、ペルーでは、地方へ行くためには基本的にリマから飛行機で移動することになります。
もちろん何時間もかけて長距離バスで移動することもできなくはないのですが、飛行機が早くて楽ちんです。それに、距離的には近いように見える場所でも山を越えなければいけないことが多く、結局一度リマを経由する方が手っ取り早いのです。
しかもJICAの規定で深夜移動ができないため、私の場合は飛行機一択ってわけです。
「リマへ行くということは、地方へ行くチャンス!」なのだと勝手に解釈し、リマ経由で南部の大都市アキレパへの旅行を計画したのです。

初のペルー国内旅行

アレキパはリマから飛行機で約1時間、ペルー南部に位置するアキレパ県の県都です。
人口は約157万人と、ペルーで4番目に人口が多い街。しかもアレキパ県に住む71%の人がアレキパ市に住んでいるそうです。一極集中ですね。
けれど人口密度はさほどでもなく、日本でいうと、鹿児島県と同じくらいの人口が、鹿児島県の7倍の面積に住んでいることになります。ちなみに標高は約2335メートル、富士山の5合目くらいです。
この都市はインカ帝国の第4代皇帝マイタ・カパックが建設したと言われており、できあがった街のあまりの美しさに、ケチュア語(当時の公用語)で「Ari Quepay(アリ・ケパイ、ここへ住みなさい)」と言ったことから、アレキパという名前になったそうです。本当に美しい街でした。

真っ白な大聖堂

中心地には、スペイン占領時代に建てられたコロニアル建築の寺院や家、火山岩で造られた白い大聖堂があり「アレキパ歴史地区」として世界文化遺産に登録されています。ヨーロッパにタイムスリップした錯覚に陥りつつ、アンデスとヨーロッパの融合を感じさせる不思議な場所で、当時の建物はそのまま、内装をお洒落にリノベーションしたレストランやカフェがたくさん並んでいました。

壁色、めっちゃカラフル

最初のペルー国内旅行の地をなぜアレキパにしたかといいますと、2000年に世界遺産になったこのアレキパ歴史地区がどんなものなのか見てみたかったからです。
初めはなんとなく候補に挙げただけでしたが、アレキパについて調べてみると、温泉に入れて、コンドルも見られて、海老のスープやチーズアイスも美味しいらしいということで、これは行ってみるしかないなと思いました。
2年間でペルーの24の地域を回らないといけないミッションを掲げているので、私には時間がないのです(笑)

さて、実際に行ってみましたアキレパ、控えめに言って最高でした!!!
魅力的なアレキパをどのようにレポートをしようか、とても迷ったのですが……私が今回実施した「3泊4日でアレキパガッツリ堪能プラン」を紹介するのが一番じゃないかと思いました。
旅行のプランニングは私の趣味のうちの一つですが、今回も「我ながら、なかなかいい仕事をしたな~」と自負しております(笑)
要は旅の記録の羅列で恐縮なのですが、皆様にもアレキパの数えきれない魅力が伝われば幸いです。
それでは│VAMOS《出発》!

アキレパ名物、チーズアイスクリーム

AM11:25に飛行機でアレキパ着。空港から市街地まではタクシーで30分弱という感じでした。荷物をホテルに置いていざ観光へ。
まずは、アレキパ名物のQueso Helado(ケソ・エラド)、シナモンパウダーがかかったチーズ味のアイスクリームを食べます。
名物なだけあって、街中にアイスクリーム売りの方がたくさんいらっしゃいました。
どちらかというとシャーベットのようなシャリっとした舌触りで、いくらでも食べられちゃう感じでした。シナモン味とチーズ味のコンビネーションが素晴らしかったです。

シナモン×チーズ、間違いない

広大な箱庭、聖カタリナ修道院

次は、「聖カタリナ修道院」へ行きましょう。
外国人の入場料はペルー人価格より格段に高いのですが、旅行先ではそんなこと気にせず入ります(……あまりの価格の違いに、実は一瞬迷いました・笑)。
2万平方メートルもの広い敷地の中に、公園や広場、礼拝堂などが立ち並び、まるでひとつの街がそのまま入っているかのよう。1580年に建てられ、1970年に一般公開されるまでの約400年もの間、外界と隔離された修道生活が実際に送られていたのです。
外はぐるっと白い壁で囲まれているのに、内部は青色と赤色などの美しい壁が続いていて見惚れてしまいます。

しかしここから生涯出ない生活ってどんな気持ちなんだろう……。
当時ここで生きていた人に思いを馳せると、なんとも言えない気持ちになります。

海老のスープは秋以降!

次は腹ごしらえ! 海老のスープが絶品だというLa Nueva Palomino(ラ・ヌエヴァ・パロミーノ)というレストランへタクシーで向かいます。
が、なんと海老のスープは3月末からスタートするメニューらしく、食べることが叶いませんでした。これはリサーチ不足です……。
代わりに、Chicharrón de chancho(チチャロン・デ・チャンチョ、豚肉の素揚げ)、Ají de Calabaza (アヒ・デ・カラバサ、カボチャの黄色唐辛子煮込み)などをいただきました。
美味しかったのですが、海老のスープを食べる気満々でやってきたので複雑な気持ちでした。やはり、旅行はリサーチも重要ですね、反省しました。
こちらのレストランはザ・観光客向けという感じで、料理人さんが石臼を使って調理している光景を見られたり、伝統的な郷土料理がたくさんあったりと、アレキパっぽさをしっかり味わえるレストランでした。

石臼を使って調理している厨房の様子

光り輝く大聖堂

太陽が沈みはじめたら、大聖堂へ向かいましょう。日が暮れると、大聖堂がライトアップされるのです。
白く美しい大聖堂に、その魅力を引き出すシンプルでセンス抜群なこのライティングが最高に美しくて、めちゃくちゃ感動します。

昼に見る姿とはまた違う美しさです

カフェで休憩し、夜の散歩へ

ライトアップされた大聖堂を心ゆくまで堪能したら、「Capricciosa(カプリチオーサ、「気まぐれな」の意)」という名前の老舗有名カフェで少し休憩しましょう(このカフェはアキレパ市内に何軒かありました)。
旅行中はたくさん歩きますからカフェ休憩が必須です。私はアイスクリームをいただきました。ケーキや軽食も充実していましたよ。

筆者はジャガイモ人間であるが、アイス人間でもある。
小雨が降ったうえ陽が落ちると寒くて長袖を現地調達したにもかかわらず、アイスを食す

休憩を終えたら、美しいアレキパの夜の街を端から端まで散歩しました。

散歩のおともの食べ歩き

小腹が空いたので、地元の有名店Kevin Broaster(ケヴィン・ブロアステル)で、フライドポテトとフライドチキン、フライドソーセージを片手で持てるよう花束みたいに盛り付けたファーストフード、Salchipapa(サルチパパ)を食べてみました。安くて、早くて、カロリーいっぱい、お腹いっぱいになる食べ物です。
現地で聞き取り調査してみましたら、アレキパの若者の夜食の定番だそうで、たしかに仕事終わりの空腹を満たすのに良さそうです。

ゴキゲンな看板にぴったりの、ジャンクで美味しいスナック

最後は、CHAQCHAO(チャクチャオ)というお洒落オーガニックチョコレートショップでチョコレートを購入し、コーヒーをいただきました。夜のカフェ休憩です。CHAQCHAOはケチュア語で「噛む」という意味だそうです。
美しい街を見下ろしながらコーヒーを飲むと、なんともいえない贅沢な気分を味わえます。

おしゃれなバルコニーで夜のアレキパを堪能…。

***

1日目は標高が高いアレキパに慣れるため、少しゆっくりモードでした。
2日目からは忙しいですよ!
アレキパ旅の本番は次回お送りしたいと思います。

それではこの辺りでアディオス!


~編集Oが選ぶ今週の一…もとい二枚~

〈プロフィール〉
山本粧子(やまもと・しょうこ)
神戸市生まれ。大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻芸術学コース卒業。卒業後、国境の街に興味があったことと、中学生の頃から目指していた宝塚歌劇団の演出家になる夢を叶える修行のため、フランスのストラスブールに2年ほど滞在しながら、ヨーロッパの美術館や劇場を巡る。残念ながら宝塚歌劇団の演出家試験には落ち、イベントデザイン会社で7年半、ディレクターとして国内外のイベントに携わる。また、大学時代より人の顔をモチーフに油絵を描いており「人間とはなんだ」というタイトルで兵庫県立美術館原田の森ギャラリーや神戸アートビレッジセンターにて個展を開催。趣味は、旅行の計画を立てること。2016年からは韓国ドラマも欠かさず見ている。2023年秋より南米ペルーのイカ州パラカスに海外協力隊として滞在し、ペルーとジャガイモと人間について発信していく予定。