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特攻文学としての《ゴジラ-1.0》

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太平洋戦争末期、小笠原諸島に位置する大戸島の守備隊基地に不時着した特攻隊員・敷島浩一(演:神木隆之介)が偶然、ゴジラに遭遇したところから始まる映画《ゴジラ-1.0》。『特攻文学論… もっと読む
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#サバイバー

特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第3回|井上義和・坂元希美

特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第3回|井上義和・坂元希美

(構成:坂元希美)

③《ゴジラ-1.0》の絶妙な時代設定とサバイバー・ストーリー

★ネタバレ注意★
映画《ゴジラ-1.0》のネタバレが含まれていますので、知りたくないという方はこの先、ご遠慮ください。そして、ぜひ映画鑑賞後にまた読みにいらしてください。

権力・武力の空白状態をつくりだす時期坂元 《ゴジラ-1.0》は第一作の《ゴジラ》の9年前の太平洋戦争の末期から敗戦後すぐという混乱の時代が舞

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特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第1回|井上義和・坂元希美

特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第1回|井上義和・坂元希美

(構成:坂元希美)

①イントロダクション 特攻文学とは何か 2024年は日本が誇るキャラクター「ゴジラ」の生誕70周年です。昨年11月、シリーズ通算30作目となる《ゴジラ-1.0》が公開されました。山崎貴(1964年生)VFX・脚本・監督による太平洋戦争末期から敗戦直後の日本を舞台とした作品です。

 日本では公開後、2週連続で映画ランキング1位を獲得、24年1月12日には世界興行収入が140億

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