【連載】すべてのひとに庭がひつよう 第13回|この道|石躍凌摩
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第13回 この道1
子どもの頃から今も変わらず、夏には負けてばかりいて、庭の仕事でもなければ、終日寝てやり過ごすのが関の山である。ひきこもりの性質ではない。むしろ私には、その才能があまりにとぼしく、一日家を出ないだけで簡単に鬱になってしまう。そのようなわけで、夏を通して、深くはないが果てしもないような軽鬱に見舞われることになる。家で倒れているほかなくなる。冬眠よろしく、夏眠である。
とはいえ熊のように覚悟を決めて眠り込むこともならない。三日も経てばさすがに毒が回っ