星の味 ☆2 ”人ではない”|徳井いつこ
詩集は不思議だ。
ひらくたび、違う詩が目にとまる。
初めて読んだように沁みてくる。
ひらくそのときどきが、毎回、新しい出会いなのだ。
昔、クルド系イラン人の友人宅を訪ねたとき、詩集占いをしてくれたことがあった。羊や豆を煮込んだ夕ごはんを食べ、小さなグラスに何杯もお茶を飲んで、もうお腹いっぱい……とみんなが暖炉の周りに腰を下ろしたとき、友人は待ってましたとばかり分厚い詩集を取りだしてきた。
それはスーフィーの偉大なる詩人ルーミーのもので、ひとりずつ順番に本を手にと