星の味 ☆21 “ふしぎなことです!”|徳井いつこ
ハンス・クリスチャン・アンデルセン。
「雪の女王」や「マッチ売りの少女」「赤いくつ」「人魚姫」といったお話をつくった人。
子どものころからあまりに親しんでいたせいで、ずっと昔の時代の人のように感じていた。
たった2世紀足らず前に生きていた人だった、と気づいたのは、フィレンツェの新市場のロッジア(開廊)に立っている青銅の猪を見た時だった。
「ポルチェリーノ」(幸運の子豚ちゃん)と呼ばれるその像は、アンデルセンのお話「青銅のイノシシ」のモデルで、彼はイタリアを訪れた際、じっ