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製作日記

世界遺産のマルトラーナ教会と、青空に映える紅色のクーポラがあるサン・カタルド教会

シチリア(パレルモ)も暑い夏が終わろうとしている。
シチリアを観光するにはとってもいい季節になってきたと思う。
先日から、パレルモの歴史ある建物など普段見学できないようなところまで一般公開するLe Vie dei Tesoriというイベントが始まっているから、観光客も一段と増えた気がする。

毎回また次回の時に行こうと思い、素通りしてしまうが・・・なかなか面白いイベントなので、是非イベント開催中にパレルモにお越しの際は行っていて欲しい。

さて、私は久々に海辺に近いPiazza Marina(マリーナ広場)で毎週末に行われるアンティーク市に用事で出かけてた。アンティーク市巡り(日曜のお散歩)に、とってもいい季節到来!暑くもなく寒くもなく・・・いろんな色がキラキラとして綺麗に見えるから、気分までウキウキしてくる。
ずっとアトリエにこもって製作、息子のお迎え、または食材の買い出しくらいで出かけても、こうも気分は上がらないから、いい息抜き。

木製のイルミネーションの枠組みが日を受けておちた影がレースのよう
神戸のルミナリエは有名だけれど、これぞ本場のルミナリエ


久々に出向いたのは、この週末のアンティーク市にウクライナ人?ロシア人?のご夫婦が布地専門で露店を出していた。私は、毎回このご夫婦からリネンの生地を購入。東欧州あたりで作られたリネンを買うことができ、しかもコスパも良し!
製作した作品の納品用の袋を縫ったり、インナーに使ったりしていた。

その生地をまた仕入れたいと思ったけれど・・・コロナ禍では工場閉鎖などから仕入れが大変だった。と呟いていたご夫婦。6月の日本帰国前から実は見ていない。

結局、今回もご夫婦のテントはなかった・・・・残念。
どこか違う場所で出店されているのだろうか?あの(コスパ最高な)リネン生地を仕入れたかった。イタリアのリネン生地(イタリアのリネンもやはり素晴らしいコストはかかるけど)で代用するとして、またあの奥さんの笑顔を見れる時が来るのを願う。

革とラタンの組み合わせのトートバッグのハンドルパーツ

アトリエに戻り、納期が押している(焦る気持ちを抑えて)ので少しでも進める・・・が!

なんと!ハンドルのパーツを組みトート本体の前後パーツに縫い合わせたところでパーツを一つつけ忘れていることに気づく。はぁ・・・・と、ため息。

一部分をリッパーで糸を解き、ハンドル部分の木製の大きなビーズ(玉)をはめ込み、元の通りにハンドルを縫い合わせた。バッグが完成前の横マチを縫い合わせた後でなくてよかった!今気づいてよかったんだ、とホッとしつつ、次の作業へ。

ハンドルパーツを並べてインスタにアップしてる場合じゃなかったw

作業は順調だ!と進めていく。
ここからバッグの出来を左右するマチの仕上げ。ミシン縫いにするか手縫いにするか・・・と悩みつつ、手間暇かかるけれどここはやっぱり手縫いで行こうと仮貼りして菱目打ちで手縫い穴をトンカンと開けていく。

あとは2本の針で縫い上げ!
私はこの手縫い作業になかなか時間を取られてしまう。有名なメゾンの職人のようにサクサクと縫い上げできるようになりたいところ。

時間がかかっても、綺麗に縫い上げられていく工程はやっぱり自分でもゾクゾクする。この気持ちは手にしたお客様にも伝わってくれるだろうか?

蝋引きの糸も2本で交差してして縫い上げているので解くのもそれなりの作業

良い感じに仕上がっていたが・・・
マチの縫い合わせが綺麗に収まらない!トホホ

お客様のご希望でマチに使った革が薄い為、強度やハリを持たせるため薄地のヌメ革を張り合わせている。ここへきて、この張り合わせの感じも気になりこれはマチの作成からやり直しなさい!とのお達しだな、と思い、手縫の糸をまた解いているところある。

早くも10月に入ってしまった。汗
週の始まりは、気持ちを入れ直して今日もまたいいものが出来る様に手仕事を進めることにする。


今、別注で製作しているのはこちらのバッグ。
ハンドル部分の大きな木のパーツが付いているのがポイント。

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