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D2CブランドSOÉJUが実店舗を出すと決めてからの試行錯誤の記録

D2CブランドSOÉJUが代官山に実店舗(サロン兼ショールーム)をオープンしてから、2020年9月でおかげさまで2年が経ちました。

感謝とともに、訪れてくださったたくさんのお客様を思い出しながら、この場所を選んだ理由や、その位置付けの変遷を巡る試行錯誤について書いてみたいと思います。

“目的来店”に振り切れるかどうかが最初の関門

D2C事業を立ち上げて最初にOPENする実店舗を、そもそもどういう位置付けにするのか。まずそこから議論になりました。従来のアパレル店舗の出店の考え方で行くと、「商圏」や交通量の多い路上からの「視認性」が重要です。

でも私たちは、「目的来店」に振り切ることにしました。元々SOÉJUの前身である「Let Me Know」というパーソナルスタイリングサービスは、イタリアンレストランに隣接したシェアオフィスの、ゆったりしたミーティングルームでスタイリストがお客様とカウンセリングを行なっていました。

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その時に、開かれた施設にある個室だからこそ、お客様が入りやすく、かつくつろいで本当にたくさんの個人的なこと(コンプレックスのお話や、時にはアレルギーや持病のこと、ご家族やキャリアの変遷なども)をスタイリストにお話してくださり、それがその方ならではのスタイリングの提案に繋がる価値を痛感していたからです。だから、たくさんの人が訪れる賑やかな場所ではない方がいい。プライベート感のある場所、でもマンションの個室のような閉じられた感じではなくコージーな(こじんまりとしつつ洗練された)カフェを貸し切るような雰囲気がいいなと考えました。

ターミナルではなく代官山を選んだ理由

場所を選ぶ時、利便性を考えると渋谷・新宿のようなターミナル駅が良いのでは、という意見もありました。でも、ターミナル駅付近は物件価格が高く、予算内でゆったりした良い雰囲気の物件をと考えるとどうしても駅からかなり遠くなってしまいます。

また、ターミナル駅付近は交通量も多く、現地に着く頃には人疲れしてしまうのでは、とも考えました。お仕事の日とは違う、ファッションを楽しむ日、という気分を、駅を出た瞬間から感じていただくなら、各駅停車の電車しか止まらないような駅にあえて降り立ってみていただきたいなと思ったのです。

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そこで、Plage、HAUNT、THIRD MAGAZINEなど大人の女性向けのブランドがその世界観を象徴する1号店や旗艦店を出店していて、素敵な画廊なども点在するファッションとカルチャーの街、代官山に出店することにしました。

代官山に行く、と決めた瞬間から「何を着て行こうかな」と心地よい緊張感を感じ、当日駅を降り立った瞬間から気分が高揚する体験をご提供したかったのです。日本の庭園には「借景」という考え方がありますが、私たちもサロンの中だけではお客様の体験は決まらないなと、サロンが立地する街の力も借りたいなと思ったのでした。

試行錯誤の中で変わってきたサロンの使い方

最初、オリジナルブランドの型数が数えるほどしかなかった頃は、「パーソナルスタイリング」のサロンとしての使い方に加えて、その場で商品の販売も行なっていました。オンラインストアを立ち上げるほど型数がなかったこと、型数が少ないからこそ在庫をバックヤードに置けたこと、が理由です。

でも、これはSOÉJUの事業の揺るぎない信念でもあるのですが、最終価格を手に取りやすい理想の価格にするために、「坪効率」には徹底的にこだわっています。型数が増えても在庫を代官山の一等地に置くと、それが価格にも跳ね返ってきてしまいます。その日に持ち帰りたいお客様も一定数いらっしゃるのでは、とよく聞かれますが、完全予約制で、販売はしないショールームであることを事前にお伝えしているので、今の所支障は生じていません。ですので、型数が増えてからはサロンはショールームに徹しています。

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そして、ファッションのD2Cの中でもSOÉJUが特徴的なのは、ショールームとしてのみならず、パーソナルスタイリングのサロンとしても活用していること。当初から今でもそうなのですが、オリジナルブランド以外の服もシーズン毎に用意し、色々なお好み・体型のお客様にスタイリングをご提案できるように努めています。

イメージしたのは、映画”Sex and the City” の主人公、キャリーのウォークインクローゼット。恋愛や仕事で色々思うところがあった時に、女友達3人がキャリーの家に集まって、残す服、手放す服をわいわい評価しあう、そんな楽しげな雰囲気を目指しました。

実際、予約制のサロンのため仲のよいお友達同士やご家族でご来店されて、試着室から出てきた瞬間に歓声が上がる瞬間にたくさん立ち会ってきました。また、サロンの通常営業が終わった後に、同窓会用に場所をお貸ししたこともありました。

奇跡的にも、サラダカフェだった物件を居抜きで借りることができたため、カフェの雰囲気もあるスタイリングサロンになったので、ドリンクとフィンガーフードを楽しんでいただきながら、お友達同士でスタイリングをしあう、特別なナイトショッピング体験もご提供。ニューノーマルにおいてもこの特別な時間をどうやったら再びご提供できるか、考えてゆきたいです。

SOÉJUのアートディレクターがロンドンのとあるストアをイメージソースにした色調でカフェだった場所をリデザインし、インテリアやプロップのスタイリストさんに家具や什器のセレクトをお願いして作り上げた唯一無二の特別な空間。ぜひ多くの方に訪れていただけたら嬉しいです。

そして、この場所が特別すぎたため、次の出店先についてはかなり楽しく頭を悩ませています…。次も意味のある場所で、奇跡的な出会いがありますように。

【Instagram】
SOÉJU 公式アカウント:https://www.instagram.com/soeju_official/
シーズン毎にブランドとしてご提案したいスタイルをコンセプチュアルにご紹介しています。

SOÉJU personal 公式アカウント:https://www.instagram.com/soeju_personal/
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