窓の外 No.9
赤落ち (懲役刑 確定)
裁判が終わった時、私は
「やっと終わった。」という安堵の気持ちと
これからの「受刑生活」への不安が同時に襲ってきました。
判決の後、被告人には「上訴期間」という時間が約2週間与えられます。
私の場合は上訴をするつもりはなかったので、懲役刑を受ける前にパートナーや養父へ手紙を沢山書きました。
いわゆる「赤落ち」すると、月に決められた枚数や、特定の相手にしか手紙を出せないからです。
そして、判決から14日後、私はいよいよ受刑者になりました。
先生「これから大変だと思うけど、頑張れよ。」
私「はい、ありがとうございます。」
私が居た拘置所の職員の方たちはとても優しい人が多かったので、刑が決まってから沢山の先生たちに声をかけてもらいました。
そして、パートナーからの手紙には
「いつまでも待っているから、無事に帰ってきて欲しい。」
と書いてありました。
私は受刑生活の約3年間、この言葉で「やってこれた」と思っています。
受刑者になると朝から夕方までの時間、簡単な作業をすることになります。
私の最初に与えられた作業は「ズボン用のハンガーの滑り止め付」でした。
意外や意外、やってみると楽しくて余計なことは何も考えずに日中の作業時間は過ごせました。
そして、夕食後に始まる「余暇時間」。
私は足りない頭を使いながら手紙を書いたり、小説を読んだりしていました。
そして「刑務所」への移送が決まり、私は約半年間生活をした拘置所を後にしました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?