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"無垢"という最大の感性


こんばんは。

シンガーソングライターのソーダ・ヒロです。

現時点での自分の向かうべき音楽の姿が、タイトルにあります"無垢"です。

結論から言うと「無垢な感情を引き出すためにアレコレ試行錯誤しよう」という話です。

意図して“無意識”になりたい理由

以前から「意図して無意識になりたい!」とか言ってますが、

それと言うのも、自分という個としての存在意義や価値を見出す、という欲求を満たす上で、表現活動ではオリジナリティや良質なメロディーを探し、他者と差別化を図ろうとします。

そのことに躍起になるがあまり「他人と違うことをするのが個性」とか「流行の要素を入れなきゃ」とか、いつしか"つくりもの"の個性や手段を幾重にも着て
時代に合わせにいった、もしくは意図して離れてみよう、という"小手先の手段"で、結果誰にも刺さらない無味無臭な自分ができあがる

今まで路上ライブをして、その中で無意識的に作っていたオリジナル曲で足を止めてもらえたり、逆に見向きもされなかったり、
「この差は何だ?」という疑問も先の"小手先の手段"からは答えは導き出せず、ただただ悶々といたずらに曲を作り続けてきました。

評価される曲ができても次の曲では評価されない。無意識に作っているから再現性もない。
向かうべき方向性や意味が明確でないから音楽にいくら取り組んでも一向に幸福度も満足感も得られない。

そんな負のループから脱却するためにも、
そもそも音楽とは何か?
メロディーとは?
歌詞とは?
「いい音楽」とは?

そうしたことを改めてこのブログで自問自答したり、他者様からご意見いただいたりして参りました。


そうした結果、今現在、自分の中で"音楽"という表現に取り組む上で目指したい、取り出したいものこそ、“無意識”の感覚であり、この"無垢"だ、という結論に至ります。


“無垢”が必要な理由


音楽が"感情の表現物"だということは自分の中で解釈した上で、
日常生活での他者とのコミュニケーションの中では"思いやり"とか"空気を読む"といった協調性の中で押し込めてきた自分の丸裸の感情や、言葉では伝えきれない感情の詳細を、音楽は事細かに表現できるツールだと思います。

だからこそ表現する上で社会の中で何重にも被った八方美人な自分の面を一枚一枚剥がし、その奥底に潜む"本音の自分"、"自然と沸き出る素顔の感情"を取り出す作業がとても重要なことに思えます。

そのことは、受け手(聴き手)側に立った時にも大きな意味を孕み、芸術などの表現物が遥か遠い昔に生まれ、今日(こんにち)まで愛されてきた所以として、その表現物を鑑賞することで受け手が自分自身の内面と向き合い、自分の価値や生きる意味、欲、嗜好、そうしたことに気づくための"人間活動"に不可欠なものとして存在し、人間を大きな一つの"種(しゅ)"として発展し繋いでいくための『労働』と相反する"対の存在"として一人の人間としての"個"を確認し、その存在意義を見出す『芸術』が存在するのだと思います。

そうした時に、受け手である人間は、"人らしさ"という完成された機械にはない"ざらつき"や"不完全さ"からくる感情の機微を驚くほど細やかに見抜きます
限りなく人間に寄せたAIのロボットの表情を見て"違和感"を察知し、共感し得ない"心地悪さ"を感じます。


それはつまり(だいぶ遠回りしましたが、、)、『小手先の手段はすぐに見抜き、本能的に共感・共鳴し得ない』ということ。

表現物が悪い意味で"つくりもの"である限り、その表現物では受け手の感情を受け止めて跳ね返すための要素が不十分で、そうしたものは受け手には求められないものになってしまう。

だからこそ、表現物(音楽など)は限りなくピュアで邪念も淀みもない丸裸の表現者の"無垢"な感情がそこになければならない。

俗に言う"天才"とは、無意識にそこにダイレクトにアクセスできてる人のことを言うのかな、とも思います。


僕はきっとそうではない。
自分を少しでもよく見せたい、とか
恥ずかしい部分は隠したい、とか
自分の得を思って結果誰も幸福にしない"意味のない保身"を被った臆病者。謙遜でも何でもなく正直にそう思います。

弱く、脆い"僕"という人間。そのことを今まで考察し、いただいた考え方の中で、その被った邪念を取り払い、本心の感情とダイレクトに交信できる自分でありたいと、また、そうした感情をそのままの形で忠実に音楽という形に落とし込みたい、と強く思っています。


著名人たちの言葉

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「天然には敵わない。」

とはビートたけしさんが放った一言ですが、表現において、それはジャンルを問わず共通の認識があり、お笑いでは"つくった笑い"以上に"地がズレている"という現象がより強い力を発揮する、ということなのかもしれません。嘘偽りのないまっさらで正直な言動は時として人の心を動かす大きな力がある、そうした気づきを感じます。



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「筆に任せる」
「(登場人物に)どうですか?と訊いたら、そうだ。ということ」

現在漫画『バガボンド』を連載中の井上雄彦さんの言葉。「筆に任せる」とは、それまで使っていた漫画用のペンで仕上げの線を描くことから筆を使用することにシフトした後に、その筆の動きがこちらの予測から外れた意図せぬ動きによって"まるで意思を持った生きた線"に近づくことを表した言葉で、
「どうですか?と〜」の方はストーリーをこちらが操作するのではなく、漫画に出てくる登場人物の性格や個性から次の動きや発言を導き出し、それらのやりとりによってストーリーを見出す、という、架空の世界の話であるはずの漫画でも、その中で"登場人物は生きている"、と定義し、『つくる』のではなく『取り出す』ことに重きを置いている井上雄彦さんの考えです。
こちらがストーリーを意図して作ることを「こざかしいものになってしまう」とも言われている通り、"つくりもの"になることを嫌い、徹底してそこに"在る"感情を取り出すことに注力されています。
筆に関しても、それは"偶然待ち"のような線でも、その線は理性に縛られずその時の感覚でそのシーンを想い筆に伝わった力加減。そこを取り出し、切り取り、作品として焼き付けることに神経を使っている様が見えます。


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「限界を超えて初めて音楽として成立する」

これは音楽界のレジェンド久石譲さんが、オーケストラ用に2曲作る際、15時間部屋に缶詰めになって作業していたことをインタビュアーが「そこまでやる必要あるのか?」と尋ねた際に発した言葉。(本当はもうちょっと長めに発言されています)
久石譲さん曰く、音楽を成立させようとしてずっと登っていくと臨界点のようなものがあり、そこを超えて初めて日常の自分では辿り着けない"本当の音楽"になる。苦行のようなことを繰り返してある瞬間突き抜けた時に全ての音がクリアになり、そうした音楽は間違いなく傑作になる、と。
これは思考を深く深く巡らすことで日常の意識を少しずつ剥いで深層心理にたどり着き、そこにある純粋なものを取り出す、とも取れます。



傑作は“意識の向こう側”に

こうした様々な表現の世界のその道を極めた方々がおっしゃる言葉の中に一貫して出てくるのか"意識の先にあるもの"
意識や意図して作ったものでは並び得ないほど純度と強度の高く、また、多くの人に対して感動や躍動を与えるという普遍性も兼ね備えた領域
それこそ"無垢"

こんな言い方だと全然ピンときませんね。。。(自分で言っといてなんですが。。)


シンプルに言えば『本能的』『素直な欲求・願望』、そうした言葉が近いのではないかと思います。

赤ちゃんがかわいいのは本心から笑い泣き怒るから。

動物がかわいいorかっこいいのは全ての行動の中に生き抜くための知恵と欲求が余すことなく注がれているから。

それら淀みのない剥き出しの感情は見る者を惹きつけ、また受け手が自分の都合に合わせて解釈できるため強く感情移入することができる

人はやはり大人になるにつれて様々な言い分やルール、他者との協調性を知ることで、どんどん自分の意見や意思、欲を奥へ奥へと追いやってしまう。
そこを引っ張り出し、表現物に想いを忠実に落とし込めた時に受け手にとって"価値あるもの"になるのかもしれません。

なので僕は、ある出来事に対して波打った純度100%の感情を、全くそのままの形で音楽として取り出したいと、そう強く思います。

テクニックや音楽理論といったものは、そこにたどり着くためにあるようにも思えます。
だからもっともっと上手くなりたい。もっともっと知識をつけたい。その学びを止めてはならない。努力を怠ってはいけない。
でも同時に、上手くなること、知識をつけることが目的になってはならない
それらはあくまで"手段"

いくらテクニックを磨いても表現したい感情が元になければ響かない。
いくら音楽理論を知ってもムードや雰囲気のような表層を切り取っただけの音楽では必要とされる音楽にならない。


『無垢な想い』『確かな技術・知識』。それらが両輪となり"届く音楽"になるよう未だ兆しの見えない暗いトンネルの中で目一杯足掻いていきたいと思います。


まずは目の前の未完成な曲をこの考え方に従って深く深く向き合って完成まで取り組んでみたいと思います。


こういう振り返りのような記事を書く時は大体行き詰まっていることがある時で、


そうなんです、、


Bメロが浮かばない。。


また立ち返ったり気がついたりしながら色々もがいていきますー(^^;;


数ヶ月に一度くる現在地点の確認回でした。


ではまた!


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