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世間の型にハマることの弊害

中川翔子さんの『死ぬんじゃねーぞ!!いじめられている君はゼッタイ悪くない』を読みました。

いじめ、学校、先生、友達、親、生きることについて深く考えさせられる本でした。
いじめられている子だけでなく、世の中の学生や先生、親が読むべき本だと思います。

その中で
『つらいことから心を守るために毎日していたことが、未来の夢の種まきになっていました。』
という一文を読み、自分のことを振り返らずにはおれませんでした。

中川翔子さんは学生時代にいじめにあい、その辛さから心を守るために、自分が好きな、歌う・ゲームをする・絵を描く・ネットを見る、ということを大事にしていました。それが今の活躍につながっているのです。

私は、というと、学生時代は無難に集団に適応し、学校という型にハマって学業成績を上げることをヨシとし、世間的に“高い”とされるところを目指すのがよい事だと思い込んで今に至ります。手に職をつけて家族を持ち、幸せだと感じることが多いし、ハタから見ても「幸せ」とされるでしょう。

けれども何だか空っぽなのです。
贅沢だと非難されるかもしれませんが、でも、空っぽだと感じてしまうから仕方ない。

なぜ空っぽかというと、自分が何が好きなのかがわからない。
楽しい!と心躍る瞬間が圧倒的に少ない。

こども達に手がかかる頃は、日々をこなすのに一杯一杯で夜寝るときにホッとする状況でしたが、こども達に手がかからなくなり、余裕が出てきたときに「どうしよう」と困惑している自分がいる。出かけて習い事をする程の時間はないけど、かといって限られた心に余裕がある時間の中で、家で、一人で満足できる時間の過ごし方がわからない。

おそらく幼少期にはできていたんです。
しかし、世の中の型にハマること、集団に合わせて生きることを優先し、それが周囲から評価されてて自分自身疑うことがなかったがために、自分がどんなことが好きで、どんな事で心が動くのか、わからなくなってしまったのです。

先生や大人が優秀だと評価した子供の行く末がこうならば、何だか世の中間違っている。

将来が安心できない世の中を生きる今のこども達には、世間の型にハマるより、自分の好きを優先させて欲しい。今の世間の型にハマったところで将来は何も約束されない。

まずはこどもに関わる大人が、世の中の型にハマるよりも、こども達が自分の好きなこと(大人がヨシとする好きなことではなくて、こども自身が心から楽しめている好きなこと)に夢中になっていることに価値をおくべきです。楽しみを持てていない子がいたら、何故なのかと大人が悩みましょう。その原因はこの世の中を作った大人にあるんだと思います。

好きなこと、もってますか?

#児童精神科医 #子育て #母 #好きなこともってますか#空っぽな自分

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