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入場制限されちゃった

 年齢を重ねるにつれ、悲しくなってきた。私が好きなキュートな世界は、大人の世界では邪魔なもので、非効率で、「こども」なもの。「こどもっぽい」が悪口になるのって、なんでなんだろう?誰もがこども時代を通ってきているはずなのに、過去の自分を否定するの悲しいくないかな。それとも、今の自分を良いと思い込むために過去を否定して相対化するのかな。

 私はデコレーションが好きなんだけど。私が好きになるのは、「なくてもいい」もの。デコはその最たるものだよね。ノートとかメモをまとめる作業は本当に好きだった。自己満足できてたし、なによりそのまとめてる時間は自分らしいなと思えていた。根っからのキュートさだね。でも、「それは暗記において効率的じゃない」とか、言ってくるじゃん。私が楽しいと思うことを否定する権利があるかのように。「効率」という言葉を盾にしたとしても、私が好きなことを否定する権利は、誰にもないよ。

 今日もやっぱり寝られなくて、昨日は蝉の鳴き声が聞こえてきて絶望した。目を閉じてから4時間半が経っていた。でもね、セミちゃんの活動の開始時間を知ってるの、誇らしくも思えた。鳴き出す第一声の瞬間を私は知ってる。真っ黒の空が目の前にはあるけど、光はあったんだね。高校時代は夢みがちで文章を書くのが楽しくて仕方なかった。自己表現を100%できている自負があった。今はもうあの夢みたいな世界に無条件ではいけないみたい。チケットを用意しないと、ダメみたい。前まではそんなことなかったのに、もう門番に止められてしまう。なんでなんだろう。自分が知らないうちに好ましくない方に変わっちゃった。泣きたいぐらいに悲しい。大人にはなりたくない。セミと一緒にないちゃおうか。みーんみんみんみんみん、ラジオ体操が始まる、夏休みも始まる

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眠れない夜に

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