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罪を背負う

聞こえてくる食器が割れる音。
何度も何度も響き渡る。
止まらない。
そのうち鋭く光るモノが思い浮かぶ。
必死で腕を握る。
振り払われてもそれでも握る。

父は母が殺したそうだ。
兄は母が狂わせたそうだ。
全て母のせいだそうだ。

同じように。

私が家族を狂わせた。
兄に我慢をさせた。
父を、母を苦しませた。

そう思っている。

兄は行方をくらませ
残された2人は互いの想いをうちに秘め
すれ違う日々。

お互いの幸せを思い望むが
それがお互いを苦しめている。
罪悪感と共に。

それならいっそう一緒に責任を負って
自己満足の罪を償って生きていこう。

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