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理想に過ぎない?そうですよ。

先日中古で買った本、二部構成の第一部を読了。

まえがきには、日頃自分が心がけていることが羅列されていて、自分を肯定してくれる期待が「読まなくていい」と自分にささやきつつ、そんな期待を裏切って自分の慢心を打ち砕いて欲しい別な期待がページを進めました。

案の定、打ち砕かれた。対話形式で著された文章は他の書籍と違った見方をさせてくれて、これまで学んだアドラー心理学について色々と誤解していたことを気付かされました。特に岸見先生のベストセラー「嫌われる勇気」は上司に向けた言葉では無かったと知れて良かった。

さて、その本に記された「理想」に関する一文が心に残ってます。岸見先生のリーダー論は現実的には難しい、という批評に対する反論です。

現状を追認し、「そういうものなのだ」と思ってしまうと、人間は何も変えられなくなってしまいます。わたしの話を「理想論だ」という人はかなり多くて、「そんなことは、とても無理だ」とよく言われます。
でも、理想は、現実と違うから理想なので、現実を追認するだけでは現実は変えられません。
出典;叱らない、ほめない、命じない(岸見一郎著)P128

確かにこの本に記されたリーダー論はとても難しい。辛抱強い人間関係の構築力が必要だ。親子では課題の分離が出来ても、上司部下は課題を共有するからより高度。理想論だと言う人の気持ちもわかります。

でもリーダーはそれでも何とかするしかない。それがManagementだから。

さて、日常「それは理想に過ぎない」と聞くことがあります。実はその時のモヤッとした感情を上の太字部分が代弁してくれました。そしてそう言う人はつまり現状を変えたくないのだと気付きました。

社会は螺旋らせん階段。1周回って1段上がるもの。なのに変化が悪で持続が正義だと?対面でそのように聞かされた時は膝から落ちそうになるほど驚きました。回ることも上がることもしたくないから「理想に過ぎない」と言うのか。わかった。

でもそれじゃ世界が壊れます。

お盆の上に積み上げた構造物の重心が偏ると盆ごとひっくり返ります。物質社会が著しく発展した現在、精神社会でバランス取らないと盆がひっくり返って世界が終わる。覆水盆に返らず。理想を諦めないから変化を恐れない。

いい風が吹き始めました。手綱を緩めず理想を追求しよう。


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