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続・感情労働(3)「異質性」+「消滅性」ゆえのストレス

対人サービスは、
「無形性」形がないこと
「同時性」生産と消費が同時に行われること
「異質性」環境により接遇の品質が異なりうること
「消滅性」保存がきかないこと が特徴です。

そしてその組み合わせでストレスが発生します。

「異質性」+「消滅性」ゆえのストレス

製品の品質が悪いと目で確認できます。実物や写真を回収すれば不良の実態を顧客と提供者で共通認識できて再発防止も可能になります。

しかし対人サービスの成果物は多くの場合、実物確認できません。

例外は遠隔対応のカスタマーサービス。電話対応の録音や、最近増えてきたチャット対応も記録を残せる接遇です。成果物を残せる珍しい対人サービスだと言えますね。

しかし多くの対人サービスでは接遇態度は残りません。苦情があっても現場が見えません。提供側がどんな悪態をとったのか、顧客側がどんな要求をしたのか検証することは困難です。そうして折り合いがつかなかった時、大抵企業は顧客の言い分を優先します。たとえ顧客が過剰な要求をしたとしても、現場の提供者は護られない場合が多い。

これでは接遇する人が顧客を恐れてしまう。けれど、感情労働は接遇態度が問われる現場だから、多様な要求にも笑顔を絶やさないように努めるのです。

顧客満足と自己防衛のために… ストレスだらけで、死にそうになるのが感情労働。


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