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Apple ATT同意率を高めるデザイン、文言

はじめまして、ハラダと申します。アドテクにおけるデータ活用の高度化とユーザーのプライバシー保護の両立を目指して日々仕事をしています。

そんな私が最近気になっているのは、AppleがiOS14.5より導入したAppTrackingTransparency(以下ATT)です。

AppTrackingTransparency(ATT)とは

Appleがユーザーのプライバシーを守るために用意した仕組みで、アプリデベロッパーは採用を義務付けられています。このATTをアプリが採用すると、広告IDであるIDFAをアプリ横断で利用する場合に、ユーザーからの同意が必須条件になります。もし同意取得できなかった場合は、IDFAの文字列が読み取れなくなります。

ATTの功罪

ユーザーの同意に基づいてデータ利用が決定されるという、プライバシー保護策としてとてもよくできた仕組みですが、実際問題としてユーザーの同意が取得できないと、広告で収益を得ているアプリデベロッパーは自分のアプリによる広告効果を計測・証明できなかったり、アプリ広告を配信している企業は広告の費用対効果が下がったりするため、非常に悩ましい話でもあります(Appleの提供する「SKAdnetwork」を使って計測する手もありますが)。

2021年初頭にリリースされて以来、iOSユーザーもATTの同意ポップアップに慣れてきていると思いますが、トラッキング(マーケティングのためのユーザー行動追跡)への不信感は強く、ATTの平均同意率は41%しかありません(AppsFlyer調査、2021年4月発表)。

一方で、アプリのカテゴリによって平均同意率は異なったり(ユーティリティアプリでは45%と高いが、カジュアルゲームアプリは30%と低い)、アプリによっては高い同意率のものもあるという調査結果もあり、ATT同意率はアプリデベロッパーさんのユーザーコミュニケーションによっては結果が大きく変わりうる領域でもあることがわかります。

本記事について

本記事はこれまで私のほうで収集した、各アプリのATTポップアップの文言や、ユーザーにデータ収集の意味やユーザーメリットについて説明しているポップアップ(「自社ポップアップ」「プレポップアップ」という) のデザイン/文言を共有します! 皆さんのiOSアプリの同意率向上の参考になりますと幸いです。

(ちなみに、AppsFlyerさんのTIPS記事は、同意率を上昇させるためのプレポップアップ以外の手法にも触れていて大変参考になります)

プレポップアップ/ATT事例

プレポップアップのあるもの、ないもの(ATT文言だけ)含めて以下共有します。

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こうして見てみると、プレポップアップをやってるアプリもまだまだ少ないですね〜

気をつけるべきポイント

2021年11月5日の日本経済新聞に、同意取得の前に提示するプレポップアップの内容を問題視した記事が出ています。

槍玉に上がっていたオトクルのデザイン、文言

Gunosy(グノシー)が運営するクーポン情報などの配信アプリ「オトクル」では、動物のキャラクターとともに「許可」を丸印で囲んだイラストが表示される。次の画面で実際の許可ボタンが表示されるが「利用者は前画面のイラストに意識が引っ張られ、深く考えずに許可を押してしまう可能性が高い」(中村教授)。日本経済新聞の取材に対しグノシーは「改善を検討する」と答えた。

続いて、こちらも記事内で槍玉に上げられていたニコニコ動画のデザイン、文言

動画配信のニコニコ生放送は「クリエーターを支援しませんか?」との文言で、動画配信者を支えたいと考える人の許可を誘導するデザインを使っていた。運営会社のドワンゴは誘導デザインを使う理由について日本経済新聞に期日までに回答しなかった。

日経記事にあるように、正しい取得目的を書かずに、ひたすら同意率を高めるプレポップアップはよろしくないという主張はごもっとも。

一方で、Appleの提供するATTポップアップ内の文言だけで同意を得るというのも難しいので、私はプレポップアップ自体には賛成です。


おまけ:そんな記事を書かれてる日経電子版アプリは…

硬派にプレポップアップなし!

でもアプリ立ち上げていきなりATTポップアップが出るのは、ユーザーにとって唐突感は否めないなと。ぜひプレポップアップの範を見せていただきたいですね!

以上、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。

アドテク、プライバシー保護等の領域において、皆様の役に立ちそうな記事を引き続き書いていきますので、フォローのほどお願いいたします。

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