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1/19開催レポート「プロボノデビューセミナー」

1月の情報交換会はゲストにプロボノとして本職以外の活動をしている五嶋理さんをお招きして、プロボノ活動に関わるようになった背景や活動などについてご紹介していただきました。
また五嶋さんのお話を受けて、参加者のみなさんとさまざまな立場から「プロボノが参加しやすくなるにはどのようなことが必要か」グループごとに意見交換やアイデアを出し合いました。

写真はゲストの五嶋さん

ゲスト:五嶋理(ごとうわたる)さん
本職は公立中学校の教員。公立中学校教師としてもさまざまな仕事を担当。特に地域連携担当や子どもの権利教育担当を長く担当している。
本職以外に、宮城県認定子どもアドボケイト、子どもの居場所づくりの団体のアドバイザーとして参加しながら居場所づくりを行っている。

1.本職以外の活動をしている理由

本職は公立中学校の先生の五嶋さん。公立学校には2つの面があると考えているそうです。1つは地域のすべての子どもにとっての学びの場、もう1つは学習指導要領で国が決めた基準の学習をする場。五嶋さんは地域のすべての子どもにとっての学びの場としての面は福祉やケアにつながってきます。
そしてコロナ禍になったここ3年間で家庭や地域の問題として、貧困や虐待、家庭の孤立化・密室化が明るみになってきました。公立学校は「地域の子どもがほぼ丸ごと家庭から顔を出す現場」としての役割を担っています。学校は子どもたの異常を発見したら情報提供や通報をしますが、その後子どもたちがどのような人生を歩むのか、想像力が必要。その想像力を持つためには、現場の中で知識と感覚を身につけていかないといけないと思ったとのことです。

2.本職外の現場との出会い

「宮城県認定子どもアドボケイト」
子どもの意見表明を聞くために現場に行って子どもたちの声を聞いたり、親御さんたちの想いを聞いたりしている。

「子どもの居場所づくりアドバイザー」
子どもたちの居場所づくりや体験づくりをしている学生のアドバイザーとして学習支援やフードパントリーに関わっている。

・計画的偶発性
活動の出会いは「Facebook」でのつながりが大きい。Facebookでさまざまな人と出会いながらイベントの主催も行っている。また読書やイベントの記録など考えていることをほぼ毎日投稿している。
どういう人と出会って、どういう展開になるか分からないが、出会わないことには何も始まらないという計画的偶発性というものをちょっとだけ意図的にやってみることが大事。それが今につながっている。

3.他団体が必要としている人

・専門家の帽子を脱げる人
「本音と建前」で、中学校教員の五嶋さんだと子どもたちも先生に話せる話・話せない話が出てくる。

・必要なときに業界の文脈で話を通すことができる人
活動している中で学校に話を通さないといけない場面で学校の文脈で話をすることができる。

・自分の探究テーマを持って学び続けている人
団体の活動100%で活動に参加するのではなく、自分の探究テーマを持ち続けることでスーパーバイズができることもある。

4.プロボノを始めやすくするためには

・ある程度の年齢
五嶋さんはある程度の年齢になれば「あの人はああいう人だから」と周りが思うと仰っていましたが、周りの人に自分のことを理解してもらう、知ってもらうと活動しやすくなるのかも。

・管理職が個人発信に触れられるようにする
FacebookやSNSなど個人発信している媒体に管理職が触れられるようにすると、自分の考えを知ってもらえて応援してもらえることもある。

・現場にわかりやすく還元する
本職外のプロボノ活動などを本職にも還元する。

・地域課題解決とのつながりを明確にする
自分のやりたい活動が地域の課題とどのようにつながっているのかを明確に打ち出すことでいろいろな人が活動を応援してくれるようになる。

5.参加者から五嶋さんへの質問

参加者のみなさんからの質問、五嶋さんの回答をいくつかご紹介します。

・仕事、活動、家庭の両立の方法を教えてください。
⇒家族とのルールで土・日に好きなことをさせてもらったら、晩ごはんが当番。家族と活動について話すことでいいヒントやアドバイスをもらえることもある。

・地域課題にどのように取り組んでいこうと考えているか。
⇒当初は人口減少と高齢化・少子化が課題だったが、町の移住者政策で新しい人が入ってきた。その入ってきた人たちがコミュニティの中に入るかどうか、というのが新しい課題になってきている。移住を親が決めたことだとすると、子どもに掛かる負担は大きい。環境の変化によって学校に来られなかったり、都市部にいたら学校以外にも居場所の選択肢があったがここに来たら他の選択肢がなかったりする。
フリースクールと地元企業をうまく絡めて、普通の学校に通っている子どもはできないような体験学習をする場をつくることを考えている。

・SNSの発信を続けることはすごいと思うが、思想や失言などで他人から何か言われたりしないか。
⇒保護者や子どもたちも見ている可能性もあるが、見ている想定で話せるすれすれラインで言いたいことを言っている。重たい話をしたら保護したネコの話や週末の晩ごはん当番の話なども交えながら発信している。

6.プロボノを始めやすくするために必要なこと

オンライン会場1グループとセンサポのリアル会場2グループの3グループでそれぞれ自由に話し合いました。

・プロボノをするにあたってどのように情報収集するか。
・本業との距離感が気になる。近すぎてもやりづらさがあるものの、やれることを考えると本業と近くなるジレンマがある。
・やれることにこだわりすぎない。仕事と関係ない活動に参加するなどやるハードルを下げるのも大事だと思う。
・そもそもみなさんプロボノを知っているのか。
・気付いたらプロボノのような活動をしている人も多いと思う。

今回の五嶋さんのお話や参加者のみなさんと話し合ったことも踏まえて来月の情報交換会はプロボノ募集説明会を開催します!
五嶋さんのように本職とつながるようなプロボノや本職とはまったく関係のないプロボノも、社会貢献の関わり方はさまざまです。

せんだい・みやぎソーシャルハブは、プロボノに興味のある方と社会課題の現場の繋ぎ役になります。
プロボノで仙台・宮城の課題解決への一歩を踏み出してみませんか?

せんだい・みやぎソーシャルハブのプロボノも募集します!
一緒に活動してくださる方、話を聞いてみたい方ぜひご参加ください。


「社会課題の現場へ一歩踏み出そう」

日 時:2023年2月16日(木)19時~20時30分
場 所:仙台市市民活動サポートセンター6階セミナーホール
(仙台市青葉区一番町4丁目1-3)オンライン(Zoom)
参加費:無料
対 象:職場以外の場所で、自身のスキルを活かしてみたい方・スキルアップを図りたい方・社会課題の解決に関わってみたいと思っている方
主 催:仙台市市民活動サポートセンター
共 催:せんだい・みやぎソーシャルハブ
申 込:申込フォームからお申込みください 

本事業は日本財団の助成を受けて実施しています。




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