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2/5(土)「異分野における課題解決のための対話と実践」 勉強会に参加しました

こんにちは、ソーシャルハブ事務局です。

2月5日の土曜日、仙台フォーラス7階にできた創造と発信の場「even イーブン」にて、セミクローズの勉強会があり、事務局も参加しました。
当日は二部構成で行われました。ここでは第一部について報告します。

会場とオンラインのハイブリッドで開催されました

プロジェクトのキックオフ勉強会

主催は、仙台の大手町を拠点とする現代アートギャラリー「ターンアラウンド」さん。
『アーティストやクリエイターと、社会課題の解決に取組む企業や団体等が対話しながら、今日の課題を生み出している社会の仕組みを改善する糸口を見出せないか』という思いから、「異分野における課題解決のための対話と実践」をテーマに掲げて、evenを拠点に新たなプロジェクトを構想しています。

プロジェクトを始めるにあたって、セミクローズの勉強会をするということで、お誘いいただきました。

ゲストトーク1:ソーシャリーエンゲージドアートとは?

勉強会では、Survivart代表 / アートキュレーターの長内綾子さんが、ソーシャリーエンゲージドアートについて、事例を紹介しながら解説されました。

アーティストが日々、なにかがきっかけで課題を発見し着目する。その課題の周辺をリサーチしたり、課題の当事者と対話したりしながら、記録する・思考する・想像する・創造する。
そのような活動(行為)が、ソーシャリーエンゲージドアートのようです。

長内さんの話を聞きながら
・社会課題の解決に向けて取り組むNPOなどと、同じような課題意識を持っていて、”手段が違うだけ”である
・アートは「間接的」に社会に影響を与え得るもの。社会課題に「直接」働きかけるようなものではないかもしれないが、アートの手法であるからこそ、色々な広がりも起こっていく
という理解が深まりました。

その一方で、どの事例も、きっかけは”アーティストが生活する中で発見した”という点も印象的でした。
なにか、アーティストと活動団体のコラボレーションを意図して行う、そんなイメージも持っていたのですが、そういう方法ではうまくいかない(結果として誰も得しない)のだろうな、という風に感じました。

抽象的ですが、アーティストや、企業の人、活動団体のスタッフ、行政職員など、個々人の日常生活の中にevenがあり、evenに出入りする中で、なにか課題を見つける(見つけてしまう)、それをきっかけに新しい動きが生まれる、みたいなイメージなのかな?という考えが頭に浮かびました。

会場のeven

ゲストトーク2:外国籍の方・外国ルーツの方たちの現状

また、勉強会では、普段外国籍の方や外国にルーツを持つ方のサポートをしている堀野正浩さんからの話題提供もありました。
仙台に暮らす外国籍の方や外国にルーツを持つ方は年々増えているが、文化・習慣の違いがきっかけで、彼/彼女らの抱える課題や困りごとも多いことが報告されました。
生活する中で、地域と共生するための課題もあれば、職場で共生するための課題もあれば、学校など、家族で暮らす上での課題・困りごともあるということを、データや資料を紹介しながら解説されました。

仙台市HP「仙台市の外国人住民数について」より引用
仙台市HP「仙台市の外国人住民数について」より引用
仙台市HP「仙台市の外国人住民数について」より引用

○参考:宮城労働局 統計情報(外国人雇用)
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/1/120/123/gaikokujin.html

○参考:令和2年度 在留外国人に対する基礎調査の調査結果の概要(出入国在留管理庁)
https://www.moj.go.jp/isa/policies/coexistence/04_00017.html

アーティスト×社会課題の可能性

堀野さんは、外国籍の方のサポートや、地域に向けて多文化共生への理解を促す活動など、ご自身の職場で様々な取り組みをされています。

しかし、外国籍の方が年々増加する状況もあり、自分たちの活動だけでなく、もっと住民同士で、共生の取組を行なってほしいという思いがあるそうです。
そして、自分たちだけでは、地域への広がりにも行き詰まりを感じてしまうとのこと。

堀野さんは、実際にターンアラウンドさんと、在仙のアーティストと一緒に、新たなアプローチも試みたということで、そのエピソードを紹介いただきました。

他の分野の人と一緒に動くことで、いつもと違う場・違う視点・違う手法で、社会課題を伝えることができる。そんなことを実感したそうです。

【展示記録】展覧会 KADAN Bridge / いろとりどりの掛け違い

【レポート】トーク「留学生/外国人居住者を交えたトーク」

「異分野の対話と実践」のプロジェクトルームへ

ソーシャルハブでは、コラボレーションを通じて課題を可視化し、解決策(アクション)を共創する、ということを試行しています。
これは「専門縦割りの進行と横のつながりの希薄化 」と、「社会課題に対して対処療法にとどまり予防医療的な取り組みの欠如 」に対する問題意識があるからです。

今回、長内さんや堀野さんの話を聞きながら、evenを拠点としたプロジェクトの可能性を感じたり、ソーシャルハブで見落としていたような発見がいくつもあったり、とても勉強になりました。

今回のevenのプロジェクトも、ソーシャルハブも、社会に対する問題意識をエネルギーに新しいプロジェクトを生み出そう、という点が共通しています。
しかし、口で言うのは簡単で、異分野と対話し思考することや、そこに労を惜しまないことが如何に大切か、改めて気付かされる勉強会でした。

evenの一角 レンタルツールのスペースができるそう

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