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時代を超えて見えてきた80年代アメリカの姿(2) 〜大量生産時代編〜

1980年代のアメリカは、大国として目に映っていたが、それはマスコミを通したハリウッド映画やポップソングの映像がほとんであった。
ブルーススプリングスティーンを聴く事で、もう一つのアメリカが存在したのでは?と思えた事より、当時の実情、特に大量生産を支えていた労働者を探る。

■キラキラしていたアメリカ

アメリカと言えば、自分が中学生時代に見たハリウッド映画やポップソングのスター達の映像だ。
スピルバーグのE.Tやマイケルジャクソンのスリラー、そしてスターウォーズ。
特にS.Wは、連日満員で立見も出る様な状況だった。
エンタメと言えばアメリカ、アメリカと言えば圧倒的な経済力と世界をリードするパワーを持った超大国のイメージを持っていた。

その一面の象徴的な出来事は1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックではなかろうか。
有名なエピソードは、閉会式の歌のエンディングだ。
閉会式が進む中、ライオネルリッチーが現れ歌とダンスで会場を沸かせた事だ。
アメリカの選手は、自国開催も手伝ってか自由にダンスをしその場の雰囲気を楽しんでいた。日本の選手は突然の事に戸惑っていた様にも見えた。特に日本のスポーツは、練習中に水を飲んではいけない時代である。個人の自由をことごとく削いだ時代にこの様な自由に踊ると言う概念はなかったのではなかろうか。

少し話がズレたが、この様にオリンピックのセレモニーが華々しくなったのもこのオリンピックからであり、アメリカの持つ自由さやエンターテイメント性が商業と結びついた時代の幕開けをこの時期から発信し始めた事は間違いない。

その事により、アメリカの存在感が増した事は、安易に想像できるのではなかろうか。

■アメリカの繁栄と衰退を辿ってみる

そもそもアメリカの繁栄とはなんであったか。そんな疑問から、いつ頃がピークなのかを考えてみる。

特に経済で一位の座を手に入れたのはいつ頃か。そんな点を調べつつ、その当時の事から振り返りこのテーマを探っていきたい。

アメリカが経済大国として頭角を現したのは、第一次世界大戦後だ。

自国が戦場から免れた事と豊富な労働力を活かして、ヨーロッパ各国の生産者として頭角を表し始める。そして大戦前までの経済大国イギリスを抜き、経済では世界の一位を掴む事となる。
この1920年のアメリカは、今迄にない好景気を迎え黄金の20年代と言われている。

ただ、その後バブルが弾け不景気になるとニューディール政策がフランクリン・ルーズベルトより発動され景気回復の序盤を迎え、そして第二次世界大戦後では、益々国内需要が高まり、1960年代には、かつてない黄金期を迎えた。


■大企業、マイホーム、中流意識

何処かで聞いた事がある様なこのキーワード。
80年代の日本を思い浮かぶ方もいるのではなかろうか。

実は、アメリカである。
60年代アメリカは好景気の真っ只中であった。
そして社会は大量生産に支えられた大企業が主体となりGDP(国民総所得)は膨れ上がった。

自動車、冷蔵庫、テレビ、生活用品。
映画などのワンシーンで出てくるガレージ付きの広々としたマイホームは、日本では想像すら出来ないな映像として映ったに違いない。

そして企業は次第に合併、統合を繰り返し巨大な企業が多く現れて始めた。市場の殆どを一部の大企業が独占し、大量生産に拍車がかかると同時にマーケティング戦略や効率論など、巨大組織、マスマーケットなど概念やシステムが動かす社会へと変貌したかの様であった。

■80年代の日本と同じ意識構造だ。

60年代のアメリカは、その後80年代に辿った日本も同じ道を歩んでいた。特に繊維、鉄鋼、製造業の伸び方は凄まじくなっていた。

巨大な資本企業が現れ、一見安定しているかの様に見えていたが実は、70年代に進むにつれ景気の後退は免れず、戦後の状態から復活したヨーロッパ諸国や日本の低価格品に押されて始めたアメリカがそこには見え初めていた。

■見え始めたアメリカの軌跡

70年代アメリカの景気は冷え込み始める。
生産過多となった産業界、ベトナム戦争に加わる事での先の見えない不安。自由を手に入れる事の背反性も見られ始めた中で、国家主導の生活から
自由を求める若者が増え始めた。

大学への進学率も高くなった頃、個人の自由を優先に考える若者が増え始め新たなカルチャーが生まれようとしていた。それがヒッピー文化であった。その頃デビューしたボブデュラン、The Band、そしてイーグルス。このサブカルチャーが
その後のアメリカを作ったと言って良い時代となった。その一人に世界最大の時価総額企業アップルの創設者 スティーブジョブズもいた。


次回は、70年代そして80年代のアメリカに迫ります。その時代アメリカは日本のTVに映っていた様に大国を邁進していたのか?

そんな視点で探って行きたいと思いますので
よろしくお願いします。

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