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#2 映画「ニューヨーク公共図書館」を見て(前編)

昨年の話であるが、映画「ニューヨーク公共図書館」を見ることが出来た。
それは、たまたま目に止めたSNSとの偶然の出会いからであった。

ただ、題名から自分にはすごく興味が湧くのと同時に、疑問もいくつか湧いてきた。
ニューヨークの図書館ってどんなんだろう?
公共って名前の由来は?

そんなきっかけや疑問が重なり映画館に足を運んでみる事とした。

映画は、3時間半と言う長丁場で途中に休憩時間を挟んでの上映時間時間であった。全体としてはドキュメンタリーとして作成されており、書籍の貸し出しや運営にあたるスタッフ会議の様子も見る事が出来た。

最初に気づいた点は、この図書館の運営方式だ。運営自体は、NPO主体となり予算は、市町村と民間からの援助で50:50であった。

そんな中、映画を見ていくと3つのポイントが見えてきた。下記に内容をまとめてみる。

ポイント1) 図書館では、単に本を読む or 貸し出すだけの場所ではなかった。

言わば街の情報発信基地だ。本の利用の他にサーバーを活用出来たり、職業斡旋に繋がるセミナーやワークショップの開催、そしてコンサートやトークショーまであった。
そのトークショーでは、エルビスコステロが出演していた。

ポイント2) スーパーアーカイブとしての機能。日本での大型図書館は、大半がこちらと思われる。書籍や各種資料の保存そして貸し出しである。

ポイント3) ローカルコミュニティに根を下ろし、その住民達の困り事などをみんなで共有し、ディスカッション出来る場があった。

私が特に魅力を感じたのは、3つ目のコミュニティに根を下ろして住民達の心の拠所にもなっている点だ。
この図書館は分館が約90箇所あり、その中の一つの分館では、住民達の日常の問題を自分たちで解決の糸口を探そうと議論していた。
雇用や賃金など生活に関わる具体的な困り事などであった。

ネット社会がますます進んでいく昨今、この様に思いを共有する場所が無くなりつつある現代社会にとって、議論ができる場所の存在は非常に重要だ。

それを図書館が担っている点は、非常に素晴らしいと思う。

3つのポイントにて記述した内容で特に1、3については、日本の図書館やその他の場所でも見られないスペースだ。

では、なぜ日本にはこの様な場所はないのであろうか?それは、図書館でも良いし、その他でも良い。

それは、街づくりや運営と言った視点が今までになかったからではなかろうか。

日本の都市計画やニュータウンなどの計画では、機能面(学校や病院、スーパーなど)はなされてきたと思われるが、人々の営みや楽しさ、そして大袈裟に言うと文化などに繋がる活動は、ほとんど見受けられなかったと思われる。

町内会がその一部を担ってきたと思われるが、価値の多様化した現代にマッチしにくい点は、想像がしやすいと思われる。

では、どの様な点を今後の生活に取り入れていく事が良いのであろうか?

その内容を次回で詳しく述べていきたい。

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