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連載・ワッティーってなに??

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アンコールワットのゆるキャラの歴史を書き記すワッティー物語。
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#JICAボランティア

妻・有紀子と貧困地域の女性団体『ラチャナ』

カンボジアの首都のプノンペンや、アンコールワットの街シェムリアップなどが、思ったより都会なことに驚く人も多いだろう。 想像していた発展途上国のイメージとは程遠いので、貧困や社会問題なんて実はないのではと思ってしまうくらいだ。 しかし、プノンペンから車で南東部に2時間半行ったところに、スヴァイリエンという貧困の州がある。(日本政府が作ったツバサ橋がない時代は、片道4時間近く掛かっていた。) 私も何度かスヴァイリエンへ行ったが、本当に何もないところ。州都でも、観光地もなけれ

日本のバスはどこへ行く?【第8回ワッティーってなに?】

カンボジアには公共交通機関がなかった。電車もなければ、公共バスもない。あるのは、トゥクトゥクや原付タクシーだけだった。 ドアtoドアで、目的地に行ってくれるトゥクトゥクや原付タクシーはとても便利。しかし、人口増加や所得増加による車両保有台数の拡大で渋滞が発生し、交通事故死亡者数の増加もし始めていた。 そんなプノンペンに、日本から無償資金協力でバスが送られた。この協力で路線バスの運行・車両点検・整備、乗務員の育成、組織の経営管理などバス公社の能力向上の支援が行われた。 プ

租税戦隊タックスレンジャー【第6回ワッティーってなに?】

2017年、国際協力機構(JICA)とカンボジア租税総局(GDT)と共に、アニメーションを製作した。 カンボジアでは納税意識の低さも相まって、近隣諸国と比較しても税収割合は低い。そこでJICAは、納税者がスムーズに申告納税できるための簡易帳簿の導入や納税者教育などを支援していた。 その中で納税者の税に対する理解を深めるための広報活動の一環として、ワッティーを使った『租税』についての啓発動画を作成することになった。しかし、租税総局にとってみれば『何故ワッティー?』である。

灌漑ってなに?【第5回ワッティーってなに?】

2017年は、国際協力機構(JICA)のワッティーの啓発アニメーションを4本作ることになっていた。 その第1弾、そしてワッティー動画としては5本目が『灌漑』だ。 『かんがい!?』 聞き慣れない単語すぎて、最初にワッティーでアニメーション化すると言われた時は困惑した。灌漑とは、つまり農業用用水路だ。 果たして、灌漑のアニメーションとは一体なんなのだろうか? ポルポトと灌漑カンボジアと灌漑は切っても切れない因縁がある。 ポルポト政権時代、農村部に移動させられた国民は、収量