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連載・ワッティーってなに??

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アンコールワットのゆるキャラの歴史を書き記すワッティー物語。
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#JICA

妻・有紀子と貧困地域の女性団体『ラチャナ』

カンボジアの首都のプノンペンや、アンコールワットの街シェムリアップなどが、思ったより都会なことに驚く人も多いだろう。 想像していた発展途上国のイメージとは程遠いので、貧困や社会問題なんて実はないのではと思ってしまうくらいだ。 しかし、プノンペンから車で南東部に2時間半行ったところに、スヴァイリエンという貧困の州がある。(日本政府が作ったツバサ橋がない時代は、片道4時間近く掛かっていた。) 私も何度かスヴァイリエンへ行ったが、本当に何もないところ。州都でも、観光地もなけれ

無免許OKカンボジア【ワッティーってなに?】

2016年末より、カンボジア国内では、125cc以下のオートバイに対する免許が不要になり、運転可能な年齢も16歳から15歳に引き下げられた。 つまり、カンボジアでは15歳から免許なしで、原付バイクが乗れるのである。 選挙の票のために改正した案と言われており、政権の人気取りのために公共の安全を犠牲にしてしまっているのではないだろうか。。。 やはり、カンボジアは地雷やマラリアなどよりも、交通事故が最も危険なのだ。 何しろ、若年層は交通ルールを知らないまま、無免許(合法)で

下水道と往年のクイズ番組【第11回ワッティーってなに?】

『プノンペンの奇跡』を知っているだろうか? プノンペンでは蛇口をひねると、飲める水が出てくる。日本人にとっては当たり前に感じることだが、東南アジアはもとより、ヨーロッパなどの海外では珍しいことだ。 水にあたってお腹を壊すということは、アジア旅行では定番あるある。海外生活ではどのような形であれ、飲料用の水ははミネラルウォーターが常識だと思う。 これはまさに軌跡的なことなのだ。 カンボジアの首都プノンペンの上水道施設整備は、日本の北九州市などが主導で行ったプロジェクトだ。国

日本のバスはどこへ行く?【第8回ワッティーってなに?】

カンボジアには公共交通機関がなかった。電車もなければ、公共バスもない。あるのは、トゥクトゥクや原付タクシーだけだった。 ドアtoドアで、目的地に行ってくれるトゥクトゥクや原付タクシーはとても便利。しかし、人口増加や所得増加による車両保有台数の拡大で渋滞が発生し、交通事故死亡者数の増加もし始めていた。 そんなプノンペンに、日本から無償資金協力でバスが送られた。この協力で路線バスの運行・車両点検・整備、乗務員の育成、組織の経営管理などバス公社の能力向上の支援が行われた。 プ

森林伐採で、ハゲたワッティー 【第7回ワッティーってなに?】

ワッティーの髪の毛はフサフサだった? アンコールワットの化身だけど、生い立ちなどは一切不明だったワッティー。ワッティーのそんな昔の一端を知ることができる(?)貴重なアニメーションがこの『EcoWatty』だ。 『EcoWatty』は2017年、国際協力機構(JICA)とカンボジア環境省とともに、森林保全・林業をテーマに制作されたフルアニメーション。 カンボジアの森林伐採 は深刻だ。カンボジアの森林減少率は世界で最も高い国のひとつなのだ。14年間で144万ha。東京都の3分

灌漑ってなに?【第5回ワッティーってなに?】

2017年は、国際協力機構(JICA)のワッティーの啓発アニメーションを4本作ることになっていた。 その第1弾、そしてワッティー動画としては5本目が『灌漑』だ。 『かんがい!?』 聞き慣れない単語すぎて、最初にワッティーでアニメーション化すると言われた時は困惑した。灌漑とは、つまり農業用用水路だ。 果たして、灌漑のアニメーションとは一体なんなのだろうか? ポルポトと灌漑カンボジアと灌漑は切っても切れない因縁がある。 ポルポト政権時代、農村部に移動させられた国民は、収量

交通渋滞はなぜ起こる?【第4回ワッティーってなに?】

プノンペンで一番心配なことは?東南アジアの渋滞の問題は年々深刻化している。特にインドネシア・ジャカルタなどは深刻で、目の鼻先の場所でも数時間がかかってしまうことは日常茶飯事らしい。 プノンペンも例に漏れず、年々交通渋滞が深刻化している都市のひとつだ。 (とはいえ、2021年現在はコロナの影響で交通渋滞はほとんど発生はしていない。) そして、初めてカンボジアへ来る人は地雷やマラリアなどの、いかにも発展途上国感があるものに不安を感じるかもしれない。しかし、実際プノンペンで住ん

ゴミってなに?カンボジアの環境問題【第3回ワッティーってなに?】

カンボジアに来て一番驚くのは、道端に落ちているゴミの多さだ。 4月5月の灼熱に季節になると、そのゴミと湿気がなんとも言えない悪臭を放つことになる。 カンボジアの人たちはゴミをゴミだと思っていない節もある。生まれた時から、当たり前のように落ちているので、土に帰るゴミとビニール袋の土に帰りづらいゴミの違いも特に意識できていない。 だから都会だけではなく、カンボジアの田舎の街道などに行くと、ビニール袋のゴミが永遠と続いているという風景をかなりよく見る。 そして、そのゴミにハエ