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[Climate Curation #121]猛暑と日本の再エネ導入の課題、サーキュラーエコノミー(循環経済)への注目

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【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【1世界で記録的猛暑、健康被害も深刻 専門家「後戻りできるか瀬戸際」[8/1 朝日新聞🔐]
三重大の立花義裕教授(気象学)による専門家コメントが寄せられています。
「異常な暑さが普通の時代になるか、後戻りできるのか、今まさに瀬戸際にいる」
「温暖化により海水温が上昇したことで、赤道寄りの暖かい空気と北極寄りの冷たい空気の境界に吹く偏西風が例年に比べて北上。その結果、日本や欧米など北半球中緯度に位置する国で猛暑になった。」

【2】再エネ導入、政策効果薄く「30年度に36~38%」届かぬ恐れ 政府、目標達成へ追加策 [7/30 日本経済新聞 🔐]
日本の再生可能エネルギー導入は現状のペースでは2030年に30%程度にとどまる可能性があり、2030年目標の36-38%に届かない恐れがあることが指摘されています。

【3】ドイツ人はバルコニーから気候変動に立ち向かう [7/29 New York Times🔐 / 🎁ギフトURL(無料閲覧可)]
ベランダに吊り下げるだけの簡単DIYプラグアンドプレイ式太陽光パネルがドイツで流行っているそうです(200 €/$217/3.2万円)。既にドイツ全土で50万台以上の太陽光発電システムが設置され、今年最初の6ヵ月の間でドイツでは太陽光発電容量が9ギガワット増加したとのことです。

【4】どこでも太陽電池研究室 [8/2 NHK Eテレ(今年4月にBSで放映されたものの再放送)[NHK Plus 配信期限 :8/9(金) 午後11:49迄] NHKオンデマンドでも視聴可能です]
ペロブスカイト太陽電池がどのように開発、製造しているかを具体的に知ることができました。
"東京大学で瀬川浩司教授が研究するペロブスカイト太陽電池。各国が実用化を競っている。従来の太陽電池よりエネルギーの変換効率が高いと見込まれる。さらに大型パネルで場所をとる従来型に比べ、こちらはフィルムなど薄く曲がりやすいものに材料を吹き付ければ、窓やヘッドフォンに貼って発電も可能。狭い日本で期待大。「実用化には大型化と発電効率アップが課題!」瀬川教授と研究者たち、企業も入り混じる開発現場に密着する。"

【5】循環経済「年内に政策パッケージを」 岸田首相が指示 [7/30 日本経済新聞🔐]
日本政府は循環経済(サーキュラーエコノミー)を国家戦略として優先し、経済成長と環境の持続可能性を統合するとのこと、使用済み太陽光パネルのリサイクル制度を2025年までに確立目指すなど、年内に循環経済の政策パッケージ作成を指示したことが伝えられています。

*循環経済(サーキュラーエコノミー)に関する関係閣僚会議(第1回)議事次第[7/30 内閣官房]
*政府も初の閣僚会議 “廃棄物から金属”技術最前線 [7/30 テレ東BIZ🔐]

【6】テスラ元CTOも着目、リサイクル・バッテリーはEVシフトのカギになるか? [2023/ MITテクノロジーレビュー🔐 / 🎁ギフトURL(無料閲覧可)]
「サーキュラーエコノミー」という言葉を頻繁に最近目にします。思い出されるのが米レッドウッド・マテリアルズ社。テスラ創業期からCTOとして活躍していたJ.B.ストラウベルが創業したClimate Techユニコーン。昨年2月の記事ですが詳しく紹介されているのでご紹介です↓

*J.B.ストラウベル氏とレッドウッド・マテリアルズ社の最近の紹介動画です。スケールの大きさに驚かされます。

【7】テスラとスペースX卒業生の気候テック創業者たち/ 🚀 Climate Founders 2024: Teslarati and X SpaceX [2/4 Su$tainable Mobility]
J.B.ストラウベル氏といえばテスラ卒業生による気候テック創業者が多数輩出されていることも思い出されます。先日「なるほど」と思ったことは、2000年代の起業家はペイパル・マフィアと呼ばれる起業家群が数多く誕生、2010年代はグーグル・フェイスブック卒業生などが目立っていた印象です。ここに来て気候テック分野においてはテスラ・スペースX卒業生の存在感が際立っていることに驚かされてます。

image credit: Volta Foundation

【8】GX2040リーダーズパネル [8/1 首相官邸]
日本政府がこれから年末にかけてGX国家戦略、次期エネルギー基本計画、次期地球温暖化対策計画を本格的に取りまとめていくとのこと、どのような政策が議論されているかを知ることができます。

*GX2040リーダーズパネルで得られた7つの課題(案)

*有識者としてリーダーズパネルに参加されていた東京大学FoundXディレクターの馬田隆明氏も早速ブログとYouTubeで提出された資料について詳しく解説されてます。→GX 2040 リーダーズパネル (第3回) で話した内容(8/2 馬田隆明氏ブログ)

【9】『 #カーボンクレジット はほとんど「効果がない」ことが主要研究で判明 - #SBTi 、CO2オフセット手段の役割に関するレビューを発表』[7/30 Bloomberg Green 🔐 🎁ギフトURL(無料閲覧可)]
"科学的根拠に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)は、カーボンクレジットが意図した緩和成果を達成する上でほとんど「効果がない」とする報告書を発表。第三者の研究のレビューに基づくこの結論は、企業によるカーボンクレジットの使用が脱炭素化の取り組みを妨げ、気候変動対策への資金の流れを減少させる可能性があることを示唆。

【10】気候テックのゲームにどう取り組むか / How Do I Up My Climate Tech Game? [7/30 コロンビア・ビジネス・スクール]
米コロンビア大学ビジネススクールの学生が気候変動分野、気候テックスタートアップの業界に参画するためにどのようなことをしているか、という動画が気になったのでご紹介。コロンビア大学MBA公式YouTubeチャンネルにおいて、いかに優秀な若い世代がこの分野に取り組もうとしているかが窺える内容なのでは、と思いご紹介です:)国内で話題になりつつある「GX人材」と海外でこうした形で広がっている「Work on Climate」な人材層と、なんとなくイメージが違うような、少しモヤモヤも感じます🧐。
動画では同大学の教授の著書『Investing in the Era of Climate Change』 、『DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法 』、 『Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる』などを読んだり、巨大なSlackコミュニティの「Work on Climate」に参加したり、イベント、ボランティアに参加することなどが紹介されています。


【イベント登壇のご案内】

既に多くの方にお申し込みいただいており、ありがとうございます。いよいよ来週開催。とても楽しみにしています🙂

https://climateteckmih.peatix.com

*猛暑をきっかけに考える気候変動対策とコミュニケーション戦略 [7/30 日経COMEMO /note]


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*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。

では、どうぞよい連休をお過ごしください🙂🙋
市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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日経COMEMO/noteでの過去掲載記事

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