社交不安症の診断基準
注意事項
精神疾患の自己診断は非常にリスクを伴います
項目が当てはまったからといって自分が社交不安症であると確信することは避け、あくまで参考程度に留めるようお願いいたします
また、もしも社交不安症の疑いがあって日常生活に支障をきたしている場合は専門機関への受診をおすすめいたします
社交不安症の診断基準
今回は社交不安症の診断基準を見ていこうと思います
岡田尊司さんの『社交不安障害 理解と改善のためのプログラム』に掲載されているDSM-Vの解説を参考にし、私なりに咀嚼して書いてあります
正確な診断基準はDSM-Vやメンタルクリニックのウェブサイトなどをご覧ください
社交不安症の診断には、以下の1〜10すべての要件を満たす必要があります
他人からの注目がこわい
マイナス評価が怖い
いつも同じ場面で不安・恐怖を感じる
半年以上続いている
苦手な場面で強い不安・恐怖を感じたり回避したりする
その程度が非現実的
社会生活に支障をきたしている
薬や疾患などの生理学的作用によるものでない
他の精神疾患によらない
他の疾患が影響しているとしてもあまりにも強すぎる
では具体的に見ていきましょう
中核的症状:1〜2
この2つは社交不安症の基本的かつ中心的症状とされています
具体例を挙げるならば
電車で人の視線を浴びるのが怖い
スピーチで喋るのが下手だと思われるのが怖い
仲良くなって自分の本性がバレたら嫌われてしまうのではないか
飲み会のような多くの人が集まる場面が怖い
などがあります
(※2に関しては、例えば相手が威圧的な見た目である場合のように、必ずしも要件を満たさない場合があるそうです)
持続性:3〜4
3〜4は症状の持続についての項目です
たとえば、不安や恐怖を感じる場面が一定でなかったり、症状が数日、数週間程度の場合は社交不安症ではないということです
程度:5〜7
症状の程度に関する項目です
例えば人前でのスピーチはほとんどの方が緊張するイベントだと思います
それ自体はごくごく正常な反応です
しかし、そのスピーチを休むために仮病を使ったり、あえて怪我をしたり、スピーチ中に強い吐き気をもよおしたり、視線が定まらなかったりすれば、それは正常な反応を超えていると言えるでしょう
また、人前に出るのが苦手すぎるあまりに昇進を断ったり、授業の単位を落としたり、退職・退学するとなれば明確に社会生活に支障をきたしています
このように一般的に考えられるレベルを越えた不安や恐怖が診断には必要とされます
除外診断:8〜10
ここは他の疾患と鑑別しましょう、という項目です
例えば激しい火傷を負った人は人目を避けるようになってもおかしくないわけですが、それは社交不安症による状態とは言えないわけです(※ただし、カーテンすら開けたがらない、というような火傷にしてもあまりにも大げさな場合は社交不安症になります)
精神疾患の場合、ASDやうつ病、パニック障害、回避性パーソナリティ障害など、似たような症状が現れる疾患もあるので鑑別が必要というわけです
ただし、うつ病やASDなどは社交不安症と併発することもあるので絶対に交わらないというわけではありません
まとめ
冒頭でも注意しましたが、このような精神疾患の自己診断にはリスクがあります
いわゆるバーナム効果:多くの人に当てはまる特徴でも自分だけに当てはまると思い込んでしまう効果です
かつて私もうつ病やサイコパス診断や境界性パーソナリティ障がいなどの診断をやってみたことがあります
そのうちいくつかは、言われてみれば当てはまる気もする……というような項目もありました
しかし実際には私は社交不安症以外の精神疾患を患っているわけではありません
(ちなみに社交不安症の診断だけは全ての項目が当てはまりました)
自分に対しても他人に対しても、素人による診断を行いレッテル貼りするようなことは絶対にしてはいけません
上記のような症状で悩んでいる方は専門機関への受診をぜひおすすめします
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