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今を「幸せ」に生きる犬はエライ!

犬を含めた多くの生き物は今を「幸せ」に生きたいと行動している。犬にとっての幸せとは、食べることであり、寝ることであり、遊ぶことであり、信頼する主人と安心した空間にいること。

そんな犬たちは、過去の栄華を自慢したり、失敗を後悔したりすることはない。将来への不安を感じ貯蓄をしたり、「今」を犠牲にすることもない。犬にとっては「今」が何よりも大切なこと。

今から3年前…


小学生になったばかりの息子が学校への行きしぶりを始めた。
「学校が楽しくない」
「勉強がしんどい」
「何のために行くのか分からない」
この息子に対して、私は「嫌なことでもしなくちゃいけないよ」「大人になったら、そんなこと言ってられないよ」と大人の言い訳をした覚えがある。

当時、勤めていた中学校にも、そのように苦しんでいる多くの生徒たちがいた。当初は、そのような生徒にも「高校いったら…」とか「社会では…」と言っていた気がする。

でも、本当にそう言っていたことが正しいことだったかは疑問である。

なぜなら、「今を幸せに生きれない多くの大人たち」が本当に将来幸せに生きているという確証がなくなってきたから。私の周りにも朝の通勤に肩を落とし、夕方にはいそいそと帰宅していく同僚がたくさんいた。と言っている私自身もその一人だったのかもしれない。

将来の幸せを考えて今の課題を克服したり、過去の経験を活かしながらより良い生活を手に入れるという人間の特徴は、他の動物にはみられない素晴らしい能力であったはず。しかし、今の私たちにとっては、その特徴が過剰に出過ぎているのかもしれないと思う。

過去に囚われすぎることが新たなチャレンジを阻み、将来への蓄えに専念するばかりに今の生き方を蔑ろにする。人間以外の動物たちには理解のできない行動に違いない。

「学習性無力感」という言葉がある。


これは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。

もしかしたら、この国に住む多くの大人たちがかかっている病なのかもしれない。仕事に疲れた大人たち、ハラスメント社会、自殺者の多さ、選挙への無関心(衆議院総選挙投票率55%)など、あげればきりがない。

そのような中、「well-being=今をより良く生きる」という言葉が流行っている。今を大事に生きることこそが、より良い将来への生き方に繋がるといった考え方。動物たちが自然と認識している生き方をもう一度人間も考え直す時なのかもしれない。

さて、話を学校のことに戻したい。


コロナ禍での久々の規制のないGWが終えようとしている。ストレスの多い学校現場から解き放たれた子どもたちも多かったに違いない。しかし、来週からはまた普段の日常が始まる。実は夏休み明けに次いで、不登校・登校拒否生徒が増えるのがGW明けである。さて、「学校に行きたくない」と意思表示をする子どもたちに親として、何と言葉をかけてあげようか…

そのようなことを考えていると、隣から「遊ぼうよ〜」と仕事の邪魔をしてくるパートナー(犬のスー)。そのスーの表情からは「ご主人。あなたは今を幸せに生きているの?」と言ってくれているような気がしてならない。

Social Animal Bond HP 

https://www.social-animal-bond.jp/

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