身近に感じる「ビックモーター事件」、日本企業の写し絵なのか(その1)
日々、報道されるビックモーター事件。おおよそ下記のような不祥事概要は既知のことであろう。私はこの件、何かモヤモヤするのである。ビッグモーター単独の問題であろうか? 正直なんか身近に感じる…と言ったら驚くかもしれないが、ややもすると日本の企業に静かにはびこるDNAではないのだろうか…と思いながら考察して見た。
単なる「ビックモーターの問題」に感じられなかったその理由は?
形は変われど、他の企業においても同じようなことが起きていると思うのである。 日本の企業の従業員、会社員は上( 管理職以上とする)の言うことを"絶対服従"として聞いているのではないでしょうか? その結果として、間違っていることを上が言ってるとしても従うのではないかと思う。私はビックモーターの問題は日本の企業における内部不正の一例に過ぎないと思っている。日本の企業の上下関係と不正行為の関係に関するジャーナリストや識者の意見を調べてみた。
日本の企業の上下関係と不正行為を引き起こす特徴は?
上の資料よりまとめて見ると、
組織の成果主義・競争的風土や権威主義・責任回避的な風土が、個人や組織の不正許容度や不正黙認度を高める。
迅速な意思決定や裁量の大きさが、不正軽視型の不正行為を招く。
共同体主義というイデオロギーが、同調圧力やご都合主義を生み出し、不正行為を容認したり見逃したりする傾向を強める。
子会社では親会社と異なる文化や価値観が存在し、上司からの指示・圧力や子会社管理者自身による横領・着服などの不正行為が起きやすい。
さて、ここで最近の企業を取り巻く社会背景と企業の取り組みを見てみると、皆さんご存知の通り、
・組織風土やコミュニケーションの改善
・内部通報制度や内部監査制度の整備
・コーポレートガバナンスやコンプライアンスの強化など、
持続可能性、サスティナビリティなどESGへの取り組みを重視する企業が増えていることが理解できる。
しかし問題の根源は従業員一人ひとりが自分自身の行動に責任を持ち、不正行為に対して声を上げる勇気を持つこと…が必要なのだが、なぜか日本の企業はそこが弱いのである。
なぜ、企業の中の人は不正行為に対して声を上げれない?
ビックモーターのこの事件は、内部通報者からの発覚ではなく、外部の指摘によって発覚したようである。なぜ内部通報者がいなかったのか?
ひとつの可能性としては、組織内での同調圧力や報復恐怖があったのではないでしょうか。(→報道を見ているとまさにその通りだろう)
また、内部通報制度や内部通報体制が未整備だったことも影響しているかもしれない。
あなたは不正が見え隠れした時、内部通報出来るでしょうか? 私もこんな事を書いていますが、いざ通報するとなるとそれなりの覚悟が必要なのは痛く理解出来ます。次回はその辺りの心理を深掘りして見たいと思います。
(続く)
よろしければサポートお願いします。もっと上質な内容に精進します!