【観戦記】2021-2022PL開幕戦:マンチェスターシティvsトッテナム
死んでいたnote更新を再開しました!(笑)
久しぶりにサッカーを真剣に観戦したので、今回は本ではなく、プレミアリーグの開幕戦をレビューしたいと思います。暇があれば時々やりたい。
昨シーズン王者のペップシティは移籍市場でグリーリッシュを約152億円で獲得。対するトッテナムは監督が交代し、エースFWケインが移籍騒動でベンチ外。しかも対戦相手のシティが獲得候補筆頭という。
ペップグアルディオラは就任以来開幕戦全勝。しかし、最後にマンチェスターシティが開幕戦で敗れたのが10-11シーズンのアウェイトッテナム戦というなんとも因縁じみた一戦です。
コロナ渦で無観客試合が続いた欧州サッカーでしたが、この試合のトッテナムホットスパースタジアムは超満員。スタンドが近い近代的なスタジアムと、サポーターの興奮と熱気で生み出される最高のフットボール空間が返ってきました。
1.スターティングイレブン
初期配置はともに4-3-3。圧倒的にボールを握って試合を進めるシティと、中央とハーフスペースを閉めて構えるトッテナム。シティは両サイドバックを絞らせフェルナンジーニョと同列に配置する、2-3-2-3のような形でビルドアップ試みます。
トッテナムは4-3-3の初期配置をベースに守り、3トップがハーフライン付近をプレスラインに設定し、プレッシャーをかけることよりも中央にパスを入れさせないことを優先した守備で対抗しました。
結果的にこの守備が見事にはまり、ゲームトータルでシティを苦しめることになりました。
2.トッテナムの守備とシティのボール保持
結果的に王者を無得点に抑えたトッテナムの守備は素晴らしかったです。
前述したように3トップはプレスを急ぐことは無く、プレスラインはハーフライン付近から。この日は最前線中央に入ったソンフンミンがフェルナンジーニョをカバーシャドウで監視。パスコースをふさぐ。両WGは2CBをけん制する形で内に絞っていました。
これにより中央ルート、ハーフスペースへのパスコースを防がれたシティはメンディ、カンセロの両SBを経由してサイドからの攻略を狙います。
しかし、狭くなっているスペースに絞ってきたSBはかなり窮屈なプレーを強いられていた印象。シティの両SBにボールが入ると、トッテナムは両IHがお出迎えする形。
特に右IHのホイビュルクは対面のメンディからボールを奪うシーンや、自由を与えない守備が光りました。アンカーのスキップと逆サイドのIHデレアリのスライドや、パスで越された後の3トップの戻りも非常に早く、中央を閉める守備はかなり徹底されていました。
この試合LSBのメンディは配置のかみ合わせ上フリーになり、前向きでボールを受けられるシーンも多かったですが、やはりタイプ的に絞ってのプレーは性に合わないのか、交代するまで見せ場がほとんどありませんでした。
『パスコースねえよ、ごメンディー。』みたいなシーン多めでした(笑)
CBのアケからメンディーを飛ばして直接WGのスターリングへパスが通る場面もありましたが、マークについていたタンガンガが全く仕事をさせませんでした。スターリングが中盤に下りたシーンでもしつこくチェックし、きっちり抑えていました。今シーズン注目の一人かもしれないですね。
タンガンガがファイトするたび沸き立つスタジアム。やっぱりサポーターのいるフットボールは最高です。
中央を使えないうえに、サイドでの質的優位も保てないシティは決定機を作ることができず。特にトッテナムの右サイド、シティの左サイドがこの試合を象徴しているように見えました。
3.ペップグアルディオラの対応は?
明らかに絞るSBのメカニズムが機能していなかったので、ペップは何かしらの変更をしてくると思いましたが、ハーフタイムを挟んでも大きな変更はありませんでした。特にメンディーは大外レーンでプレーさせるかと思いましたが、それもなかったですね。
DAZN解説の戸田さんも
『凡人の僕らでは分からない。』みたいなこと言ってました(笑)
さらに超凡人の僕に考えられる理由としては、トッテナムの3トップのカウンターの威力がなかなかエグかったことです。
前述したようにトッテナムの守備がかなりハマってたので、シティの不用意なボールロストが多く、カウンターをかなり食らった印象です。特にメンディーのところ(笑)
何回も言ってごメンディー(笑)
トッテナムの3トップはシティに押し込まれた後は攻め残っていたので、カウンターの予防線としてSBを絞らせる形を継続させた可能性はあるのかなと。攻撃では機能していないけれど、守備では偽SBのメリットの一つであるポイントを押さえに行ったのかもしれません。実際失点シーンでもカンセロのプレスバックは間に合っており、守備の枚数も揃えることはできていました。
4.ケイン不要説?エグい3トップのカウンター
とにかくトッテナム前線3人のカウンターが脅威でした。トランジションが多発する展開に持っていかれた時点でシティは不利ではありますが、
この3人でなければ、と思うほど三者三様に個性が光っていました。
右WGのルーカスモウラは、ボールを奪った後に、狭い局面をスルスルと抜けていくドリブルが光りました。DFの隙間を縫った後の急加速も抜群。
左WGのベルフワインはシンプルにスピードお化け。得点シーンのカウンターもこの人のドリブルから。
中央に入ったソンフンミンはどちらのサイドに流れても両足が使えるのでプレーの幅が広い。スピードも抜群。この試合は決勝ゴールを決めました。
得点シーンは中央低い位置でこぼれ球を拾ったルーカスがフリックし、それを拾ったベルフワインが一気にドリブルで加速。右サイドに斜めのランニングで流れたソンフンミンがボールを受けると、カットインから左足一閃。
前述したように、カンセロのプレスバックは間に合っており、ベルフワインをなんとか足止めして、DFの枚数はそろっていたシティ。
ソンフンミンに対応していたアケ、メンディーのカバーリングの関係性さえよければシュートコースは塞げていたかもしれません。
解説の戸田さんも指摘していましたが、アケの内側に戻ってきたメンディーがカットインに対して横からプレスに行って欲しい場面でした。実質アケとソンフンミンの1対1でしたね。ごメンディー(笑)
この3トップには今シーズンかなり期待が持てますし、特に中央にコンバートされたソンフンミンは面白いです。中央でのプレーも今後慣れていくと思いますし、中央からどちらのサイドに流れてもフィニッシュに持ち込む力があります。
試合後にはトッテナムサポーターから
『ケイン、見てるか?!』
の大合唱。気持ちよくケインをシティに送り出せそうです(笑)
5.超凡人の想像できるシティの対策
意外にも選手交代以外の策を講じなかったペップシティでしたが、超凡人が気になったのはこの日前線中央で使われたフェラントーレスの使い方。
グリーリッシュ、ギュンドアンの2枚に対して、トッテナムはデレアリ、スキップ、ホイビュルクの3枚の数的優位で構えており、ここで1枚余れるので、スムーズにスライドができ、思い切ってボールサイドの選手が敵SBにプレスに出れるようになっていました。
この3対2の局面に、フェラントーレスが下りてきてボールに触れるシーンがもっとたくさんあれば、中央での構築も可能だったかもしれません。
後半75分ぐらいにジンチェンコとデブライネが投入され、グリーリッシュが左WGに入ってからは、3人のトライアングルが流動的にレーンを交換しながらトッテナム守備陣を困惑させる場面もありました。
やはりSBにこのタスクを与えるならジンチェンコの方が適役です。内側でも外側でもプレーでき、パスの配給も正確。彼らにあと少し時間が与えられていれば試合のスコアも動いていたかもしれません。ジンチェンコ、デブライネともにEUROを戦っており、コンディションがまだ不十分だと思いますが、ベストメンバーがそろったシティも楽しみですね。
久しぶりに真面目にサッカーを見ましたので楽しかったです。そしてやっぱり超満員のスタジアム最高。
今度は我らが徳島ヴォルティスの試合もやってみようかな(笑)
あくまでも、個人の意見です。では!
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