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『嫌われる勇気を読んで学んだ3つのこと』

青年と哲人による対話形式でストーリーを進めつつ、アドラー心理学について解説していくことで有名な岸見一郎・古賀史健著の『嫌われる勇気』を読んで、自分が実際の生活に取り入れることができるなと感じた3つの考え方をここで記録として残しておきます。


① 「原因論」の思考を「目的論」の思考に変える

アドラー心理学では、目的論の思考で物事を考えます。目的論とは、最初に目的があり、それを達成するための1つに手段・行動があるといった考え方です。一方で、原因論は、今起きている事柄・物事は行動や感情の結果であるといった考え方です。具体例としては、「以前、告白したけどふられたから今回もうまくいかないだろう」と考えるのが原因論、「今回もふられると思いたいという目的があるから、過去にふられた経験を利用する」と考えるのが目的論です。始めはこの思考法に戸惑いましたが、過去と今とを結びつけない目的論の思考は、生きていくうえでも重要な考え方だと感じました。過去の失敗が原因で自信をなくしてしまったということも目的論の思考によってなくなります。「今、この瞬間」を精一杯生きると考えることが「目的論」の最も重要な部分なのかなと個人的には解釈しました。この考え方で生活していると、言い訳をする回数が減っていき、自分に対して、もったいない生き方だなと感じることがなくなっていきました。

② 「比較」は無意味

元々、自分は高校時代から偏差値で優劣をつける学歴社会に疑問を抱いていましたが、この本を読んで更に「比較は無意味」と感じるようになりました。というのも、アドラー心理学には、「課題の分離」という考え方があります。これは、自分の課題と他者の課題を分けて考え、他者の課題には踏み込まないというものです。簡単に言えば、「自分は自分、他人は他人」です。確かに、他の人と比べるから劣等感が生まれ、心がマイナスの方向にいくこともしばしばあります。しかし、自分は「比較」と「競う」とは別のモノだと考えていて、自分の理想像(他人)と自分の現在地とのギャップをはかるために比べるのは全然良いと思っています。そうではなくて、「塾でアルバイトをしているから偉い。コンビニでアルバイトをしているから駄目。」や「○○大学だから偉い。」という比較は無意味なことをしているなと自分は考えます。この考え方は、ストレスの対処法にも応用が利くと思っています。具体的には、相手が何かに対して怒鳴りつけてきて、自分が落ちこむ、イライラするというシチュエーションを考えてみます。相手が怒りの感情を利用して怒鳴りつけてくるのは「他者の課題」なので自分とは関係ない。しかし、相手が自分のどの部分に怒っているのかを考えるのは「自分の課題」です。なので、怒鳴ってくることに対してイライラしたり、落ち込んだりして反応するのは「他者の課題に踏み込んでいる」と自分は解釈しています。こう考えるようになってからは、負の感情を抱かなくなり、ちょっぴり生きるのが楽になりました。相手の負の感情に対しては、「課題の分離」の考え方を利用するとストレスをあまり感じずに過ごせると思います。

③ 自分は何ができるか=貢献感=幸福

アドラー心理学では、幸福の定義について「幸福とは貢献感である。」と述べています。他者に何かを求めるのではなく、自分が相手に対して何を与えることができるのかを考えます。例えば、イベントに対しての準備をグループで行っている場面を考えてみます。自分は真面目に取り組んでいるのに、友達は遊んでばかり。真面目にやっている自分があほらしい。そう考えたこともあると思います。しかし、そこで相手に何か期待をするのではなく、自分は他人・イベントのために頑張っていると考えることによって無駄なイライラを感じずに済みます。また、貢献という言葉から、誰かの役に立たないと駄目ではないか、と考えるのが普通ですが、それは関係ありません。ここでも、「課題の分離」の考え方が重要になってきます。誰かの役に立っているかを判断するのは自分ではなく、他者なので「他者の課題」です。なので、自分は踏み込むことができません。つまり、「自分は社会・他人のために貢献しているぞ」という主観的な感情を抱くことさえできていれば、問題ないということです。こう考えることによって、他人の視線を気にせずに自分のやりたいことを素直に楽しめるようになりました。

以上の3点が自分の生活に落とし込めることとして学んだことです。まずは、実践。上手くいかなくともやっていくうちに、自分なりの解釈が変化してより良い形になっていくと思っています。ストレスフリーな生活をするために今回の思考法はとても役に立ちました。これからものんびりと読書を楽しんでいきたいと思います。

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