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ソビデ第7回「地域とつながるシェアカル」

株式会社ニューロマジック、イノベーション担当執行役員の藤本です。
ニューロマジックでは、生産性向上のためのプロセス・イノベーション、ソーシャルビジネスデザインを担当。まちづくり中間支援組織のたまプラ・コネクト、猫と人間の共生社会を目指すコードフォーキャットとしても活動しています。

今回は、シェアカルのお話です。
第3回「たまコネができるまで」で紹介した通り、もともと、たまプラ・コネクトは「困っている人」と「助けられる人」をつなぐ、「教えてほしい人」と「教えられる人」をつなぐ共助サービスの名称でした。

合同会社たまプラ・コネクトができてからも、共助サービスを持続可能なカタチでやりたいと考えていたところ、シャープさんから、一緒に新しいサービスをつくらないかと持ちかけられました。同社には、社外団体とコラボして、新しいサービスの仕組みを作っていく「クラウドラボ」という取り組みがあり、そこで、クラウドデータベースと利用者向けのスマホアプリ、運用ツールをつくれないかということでした。

当初、高齢者層と子育てママ層をターゲットに、サービスメニューを考え、
・高齢者=買物、料理、片付け、趣味など一緒にしてくれる人の派遣。
・子育てママ=子供の送迎、一時保育、お弁当、晩ご飯のおすそ分けなど。
連合自治会マダム会の人たち、子育てママたちに、ヒヤリングしたところ、
・高齢者対応は難しい。家に入れてもらえない。業者のほうが頼みやすい。
・子育てママは、子どもの送り迎え、一時保育など、お金で解決している。
知り合いだからいいのか、知り合いだからいやなのか、共助サービスの本質を考えることに。

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そして、課題発想からの転換を。
TOWN KITCHENの北池さんに教えられたことは、「地域活動は課題解決の発想から始めるとなかなか前に進めない。やる気のある住民が関わり、その熱意をどう地域に反映させるのか、その仕組みを整えることがポイント」
課題発想で、高齢者や育児中の方に「何か困っていませんか?」「お手伝いしましょうか?」と聞くのではなく、「私はこういうことができるんですが、何かお役にたてることはありませんか?」という自発的な助け合い、つまり、やりたいこと、得意なこと、好きなことで、地域の誰かの役にたてるっていいことですよね、という発想の転換を図ったのです。義務感ではなく、好きだからやってるのだと。

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シェアカルは、最初、サイレントオークションというカタチでした。
サービスに高値をつけた利用者が落札するというオークション形式で始めましたが、1回目にして、軌道修正することになりました。同じ値段で、一緒にしてもらうというのはダメなの?という要望が続出したのです。1対1のサービスでも、1対nのグループ利用もありということにしたことで、シェアカルらしいメニューができていったように思います。1対1を想定して開発していたシャープさんは大変でしたが。。。

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シェアカルのメニューは、こんな感じです。

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シェアカルのルールも、だんだん、できていきました。

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あるとき、幸福論でも有名な慶應SDMの前野委員長に、シェアカルの話をしたところ、幸せの4因子を持っているから、うまくいってるのではとお墨付きをいただきました。

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シェアカル体験を集めたイベント「シェアカルEX」ができ、サイトから申し込めるようにしたり、通帳をつくって、シェアの履歴や収支が見られるようにしたり、モノの図書館を始めたり、シェアカル旅行社という名前で、アテンドツアーを強化したり、100段階段プロジェクトと組んで、まち歩き企画をやったりしながら、現在に至っています。

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さらに、リビングラボプロジェクトにおいて、シェアカルは、家事、子育てシェア、まちのしごとなど、領域を拡大していきます。その詳細はまたご報告します。

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