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転職した話

いわゆる A.I. の力を使って、児童虐待を少しでも減らす取り組みができないか、という事を本気でやるために、長年働いた自動車業界を飛び出し、A.I. ベンチャーへ転職しました。上記のように考えた背景はこうです。

なぜ A.I. と児童虐待防止?
過去、長きに渡って児童虐待防止への取り組みには、多くの人たちが尽力してこられています。しかしなかなか減らない。むしろ増えている。そこには、とてつもない難しさがあり、とても深刻な課題ゆえという認識です。一方で、世の中をどんどん変えていっている A.I. を駆使すれば、これまで難しかったこと (ここでは児童虐待防止) も解決できるポテンシャルがあるのではないか、という単純な発想が出発点です。

なぜ転職?
自動車業界は、良くも悪くもテクノロジーの進化に一歩引いた立ち位置にいると思っています。それは遅れているとかではなく、人命を預かる製品ゆえ、最先端技術を追うよりも安全/品質を優先すべきだからというのが私の認識です。昨今、ADAS や自動運転で A.I. が取り入れられてきてはいますが、確実さを重視するため (最先端から見ると) 枯れた技術を狙って採用しているわけです。また、自動車業界にいれば、当然ながら自動車の開発に全リソースを投入することになります。業務で自動車以外のことに触れる機会は無いですし、業務外で何かに取り組む時間的余裕もありませんでした。

A.I. を活用した児童虐待防止の具体策は?
世の中には、例えば生体センサと機械学習で、虐待の兆候を早期検出するような取り組みもありますし、虐待を受けている子供を緊急避難的に救助するアプローチは、児相を中心にすでにしっかりとした仕組みが存在しています 。私が取りたいアプローチは、これらとは違う視点で、虐待に手を染めてしまう大人を少しでも減らすことにあります。その根底には、子供は親と一緒に生活する事で得られる幸せを無視できないという思いがあるからです。しかしながら、大人は簡単に変われないものです。いま虐待に手を染めてしまっている大人を、虐待しない人に変えることは 、不可能ではないにせよ、とても難しい事だと思います。でも、いまの子供達が、大人になって虐待に手を染めてしまうような道を歩まずに済むようになれば、10 年 20 年後の未来で虐待が減っているはず、と考えます。虐待の加害者側は、かつて幼少期に被虐待の経験あったり、貧困の連鎖による生活の困窮、それによる精神的余裕のなさ、などいくつもの要因が複雑に関連していると言われるため簡単な問題ではありませんが、幼少期の教育提供が、将来負の連鎖から抜け出すきっかけにならないか、そこに A.I. や機械学習を活用するアイディアは無いか、そんなアプローチを考えています。

で、転職してどうだったのか
転職してまだ数ヶ月、現在は機械学習エンジニアになるための修行中の身です。ただ、転職して良かったと心から思っています。自動車業界に居たままでは決して得ることができなかったコーディングスキルの習得や、考え方、周囲の環境、などなど様々な恩恵にあずかっています。フルリモートになり、家族と一緒に夕食を取ることもできるようになりました。2~3 年はしっかり修行し、その後冒頭書いた夢に向かって行動していきたい。

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