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【一部公開】本を書きました!『チームが知るべき37のこと』

9/22(日) の技術書典で『チームが知るべき37のこと』という本を販売します!!この技術書典とは、IT業界で仕事をしている人たちが自ら作った本を展示即売するというイベントです。今回は7回目の開催です。

僕は、直接的な技術の話ではないですが、IT業界だけではなく全ての働く人にとって欠かせない、「チーム」を題材にした本を書きました。

「チームってどうやったらうまくいくんだろう」
「あの人が何を考えているのかわからない」
「メンバーがみんな違う方向を向いている」

チームに対する尽きない悩み。リーダーでもメンバーでも、上司でも部下でも、フラットな組織にいる人でも、みんな抱えている悩みだと思います。

この本では、そんなチームをもっと良くしていきたい人の背中を押すかもしれない37のエッセイを用意しました。僕がチーム作りの仕事を通じて感じたこと、考えたことを書いています。その中の1つでも、それぞれのチームの前進につながるきっかけになれば嬉しいです。

以下に、序文と目次、エッセイを1つ公開します。ご興味がわいた方はぜひ「き35D」のプロジェクトマネージャ保護者会というサークルに来てお手にとってみて下さい!

※技術書典は無事に終えることができました。本は紙もPDFもBoothというサイトで販売しています。

『チームが知るべき37のこと』

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はじめに

ここ数年、チームや組織に対し、人々の関心がどんどん上がっているように感じます。それに伴いチームや組織に関する本も増え続けており、『ティール組織』の大ヒット、2018年ブクログ大賞でビジネス部門大賞になった『エンジニアリング組織論への招待』、バズワードとなった「心理的安全性」を生み出したGoogle流のチームを書いた『世界最高のチーム』などが記憶に新しいです。本書もそんなチームに関する本の中の一冊なのですが、なぜこんなにも関心が高まっているのでしょうか? そこには2つの理由があるのではないかと考えています。

1つは、現代がVUCAな時代であるからだと考えています。VUCAはブーカと読み、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったビジネス用語です。IT技術の発達により、それこそ多くのサービスがどんどん生まれては消えていく…。正解なんて誰にもわからない時代です。そんな中ではどんな環境の変化にも耐えられるようなチーム・組織作りが必要となります。すなわち、チームや組織に関する情報にはとてもニーズがあるということになりますね。

もう1つは、チームが千差万別であるからです。僕はJリーグ観戦が趣味です。応援しているチームは1チームですが、Jリーグ全体ではなんと60近いチームがあるのです。つまり、チームを強く構築していくことがお仕事である「監督」が同じ数だけいるという事です。どのチーム、どの監督もやり方が異なります。それもそのはず、監督の思想はもちろんのこと、所属している選手、スタッフ、資金力などなど全ての状況が異なります。当たり前ですよね。また、あるチームで良い成績を残した監督が違うチームでも結果を残せるかというとそうとも限りません。これも当たり前ですね。

これは日々我々が仕事をする上で組んでいる「チーム」にも言えることなのです。チームは千差万別。たくさんの成功があり、また失敗もある。話題には事欠かないのです。その中の一つでも自分のチームに取り入れて、成功したら儲けものです。チームを良くするヒントを探すため、ほかのチームの事例を求め続けるのです。

本書は「チーム」で働いている全ての人に対し、難しくも面白いチーム作りというものについて考えるきっかけになればと思い書いたものです。僕が今まで携わった数十件のチーム作りの仕事を通して感じた事や考えた事を37個、短いエッセイとして並べました。その中の1つでもピンとくるものがあり、さらにはそれがご自身の現場でより良いチームを作っていくための参考になれば幸いです。

全てのチームがより良いチームとなりますように。

2019年9月 渡部 啓太

目次

はじめに
01.コミュニケーションの設計が必要なんだ
02.文字だけのコミュニケーションで気をつけること
03.さぁ、ご飯を食べよう! 
04.スクラムという型にはまる
05.チームとグループの違いは線の太さ
06.他人はわかり合えないことが前提と心得る
07.チームに必要な要素とは
08.チーム作りのMOTTAINAI
09.チームの形に正解はない
10.チームの能力が最小の部分を見つける
11.ベースラインを見直す
12.楽しさが必要
13.チーム作りの成否はメンバーが知っている
14.1on1、僕がやるなら色々な話題を話す
15.ただしマイメンに限る
16.チームビルディングは効率が良いからするのである
17.チームに必要な文化とは?
18.心理的安全性の土台は仲良くすること
19.ふりかえりは特に重要だ
20.ファシリテーションはいかが? ワークショップ編
21.ファシリテーションはいかが? ミーティング編
22.お互いの気持ちを全部出して、ぶつけて、収束する
23.人数が多いと決定できない
24.変化を柔軟に受け入れる
25.反応が無いという不安に向き合う
26.Diffを取る
27.ABDで共通言語を作る
28.外に出よう!
29.一人で試す
30.チーム設計は終わりではない
31.気まずい沈黙を気まずくしないために
32.インセプションデッキは難しくない
33.あなたのチームは機能していますか?
34.メンバーの特徴を知っている?
35.リーダーが全て決めるわけではない
36.フェアプレーが大事
37.「人」として不完全に向き合う
おわりに
謝辞
参考文献

01.コミュニケーションの設計が必要なんだ

チームを作っていく上で、「コミュニケーション」は大切な要素の一つです。そのコミュニケーションは、意識的に設計し、演出する必要があると考えています。

はじめに少し思い出話を。僕は結婚して10年になるのですが、常に意識していることがあります。「季節のイベントを大切にする」ということ。特に年末年始はイベント続きですね。クリスマス、正月、その後は節分、バレンタインデー、ひな祭り、ホワイトデー…。こういうイベントには積極的に乗っかって、家族と楽しむようにしています。このように季節のイベントを意識するようになったのは、結婚の報告をしたときに言われた、前職の上司からの一言でした。「家庭円満の秘訣は季節のイベントを大切にすることだよ」。そこまで関係性もできていなかった上司というのもあり、当時は「ふーん」という感じでした。ですが、なぜか頭に引っかかっていて、妻の誕生日にはお祝いをし、クリスマスにはケーキを食べる、そんな習慣につながりました。当たり前にやれる人もいるとは思いますが、元上司のあの一言がなければ自分はやっていなかったかもしれません。おかげさまで妻とは仲良くやれています。

なぜ季節のイベントを意識することが家庭円満に効くのでしょうか?元上司の意図とは異なるかもしれませんが、僕はコミュニケーションのきっかけができるからだと思っています。イベントを行うことによりコミュニケーションが生まれる。そうすると以下のことが起こります。
・ 単純にコミュニケーションの回数が増える
・ 価値観の変化に気がつく(昔は好きだった食べ物に飽きるなど)
・ 相手の気持ちを考えることができる
家族といっても自分とは違う人間です。価値観は常に変わっていきます。プレゼントを用意したり、サプライズを考えたり、そういった演出を入れて反応を見ることで変化に気づけるのではないでしょうか。あとは、いろいろな話をするとシンプルに仲が深まりますよね。このことに気づいたとき、「あぁ、あの上司が言っていたのはこういうことなんだ」と自分の中で腑に落ちるとともに、チームにも同じことがいえるのだと思いました。

僕はスクラムというソフトウェア開発プロセスのフレームワークをチームに教えたり、組織に広める仕事をしています。このフレームワークには、季節のイベントのように、コミュニケーションが自然と生まれるような設計がされています。1日に1回の進捗確認、1週間での作成物の共有、次の1週間の計画作成、ふりかえり…。僕はスクラムの良いところはこういったコミュニケーションを取るための仕組みが組み込まれていることだと考えています。ここ最近よく耳にする1on1も同様にコミュニケーションの仕組みの一つですね。このようにコミュニケーションを取るタイミングが設計してあるとうっかり忘れてしまうこともないですし、逆に過剰となってお互いの負担になることもありません。

気をつけなければならないのは、単純にコミュニケーションの機会を増やせばいいというものではないということです。毎回同じケーキばかりでは会話も減っていくでしょうし、欲しくないプレゼントをもらい続けても辛いだけでしょう。必要なことを、必要な分だけ、必要な内容でやっていく。ちゃんとそのコミュニケーションが目的や意図にあっているか考え、常にアップデートしていくことが重要です。

チームとの、あるいは家族とのコミュニケーションについて設計と演出という面で見直してみるのはいかがでしょうか。 

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読んでいただきありがとうございました!続きが読みたい方はBoothでご購入いただけると嬉しいです!!


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アジャイル導入支援、ファリシテーター、勉強会やワークショップの開催など、社内外で「楽しく働けるチーム・組織作り」の支援活動を行っています。 日々の考えたことや実践したことを書いていきます。
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