見出し画像

Vol.22:ボトルネックを解消することを桶で例える

※こちらの記事はニュースレターからの転記です。興味のある方はぜひ下記リンクから登録をお願いします!

『チームを整えるあれこれ』は、チーム作りに関する情報やノウハウを発信するニュースレターです。月曜の朝は、筆者が先週のチーム作りの現場で重要なポイントだと感じたことと、チームを整えるあれこれな観点で気になった記事を紹介します。

✨先週のチーム支援トピック

違う分野の話からヒントを得ることがある。仕事をする上でのチーム作りで言うと、スポーツやマンガがよく取り上げられるが、栄養学からも学べることがあるのだ。

リービッヒの最小律という考え方がある。これは、植物の生長速度や収量は、もっとも少ない栄養素にのみ影響されるという説だ。これは、桶で例えるとわかりやすい。下記イラストのように、桶に水が入る量は、桶を構成している一番短い板で決まる。この板の1枚1枚が必要な栄養素だ(この例えをドベネックの桶という)。

画像1

植物だけでなく、人間の栄養の話でもリービッヒの最小律は「バランスの良い食事」という文脈で登場する。

これはチームでも同じことが言える。それぞれの板はチームが抱えている問題、桶に入れる水はチームの生産性とみるとどうだろう。一番短い(=一番影響の大きい問題)がチームの生産性の最大値を決めているのだ。

このニュースレターでも度々紹介しているが、ぼくが支援しているチームでは1週間ないし2週間に1回、チームがうまくいっているかという観点でふりかえりを行っている。ふりかえりの最後には、チームがより良くなるアクションアイテムを決めるのだが、このようにチームを改善していくことを考えるときには、一番短い板が解決できるようにするのがコツだ。

ただ、その短い板がチームの外にある場合もある。チームのリーダーや、改善を任されている役割の人は、そうした広い視野でチームを見ることが必要になるのである。

📝気になった記事紹介

細かすぎる「ウザイ上司」の背後にあるマイクロマネジメントの深い闇
https://limo.media/articles/-/24614

ありがたいことに、ぼくのまわりではいないのだが、どうやら「マイクロマネジメント」はまだ日本に根強いようだ。マイクロマネジメントをしてしまう要因は「働き方改革が進んでいること」、「人材の多様性が増すこと」、「業務量が増加していること」。つまり、忙しいから「やることだけやってくれ」というマネジメントになるそうだ。

筆者の直感的には、マイクロマネジメントだとマネージャーがボトルネックになるので逆に効率が悪い気がする。チームが自律して動ける環境を作らねば、この対症療法は続いていくだろう。

イーロン・マスクのロケット製造5つのステップがサイコーだった
https://jabba.cloud/20210807-elon-musk

ロケットエンジンのデザインそのものじゃなくて、その製造工程が大事という話。これは製造業のみならず、様々な業界でも言えることだと思う。示唆に富んだ内容なのでぜひ一読を。

いまの状態を「100の感情」から選び言語化する習慣で、パフォーマンスが最大化する理由
https://studyhacker.net/kayo-iketeru-interview02

「ムードメーター」を使った朝のミーティングはとても良さそう。感情というのは個々人の、チームのパフォーマンスに影響を及ぼす。自分の感情を話すトレーニングにもなるし、相手の感情をくみ取るトレーニングにもなりそうだ。

できる上司はやっている――行動改善コーチングと部下ノートで1歩踏み込んだ部下指導を
https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/2108/17/news007.html

内容とはそれるが、新しい行動に対し、成果を見て良し悪しを判断するきっかけとするアプローチが良さそうだ。成果が増えたらもちろんOKだが、成果が変わらなければ「行動が合っていない?もう少し継続する?」と、成果が減ったら「行動が負担になっている?」と検討する。改善活動をするのは良いが、結果はしっかりチェックして効果を測るべし。

なぜ営業とマーケティング組織の「壁」は生まれるのか? 鍵は【KPI設計】
https://note.com/jmagicpie/n/n2c668f53dc58

最終目的を分解し、それらをそれぞれの組織で目標値としてしまうと、組織間での「壁」がつくられてしまう。目的、目標の明確化は必要だが、その定め方についても気を配る必要がある。

「心地よさ」を最優先する企業文化の落とし穴 偽りの調和と結束が組織を機能不全に追い込む
https://www.dhbr.net/articles/-/7883

うわべだけの「心地よさ」の裏には機能不全が隠れている。期待される役割と評価基準、目的の明確化は組織・チーム作りの基本事項だ。

🍵編集後記

Googleには、Googleアラートという便利機能があります。検索ワードを入れておくと、そのワードが含まれる新着ページがメールやRSSで送られるというものです。例えば、ぼくは「チームビルディング」や「ファシリテーション」というワードをセットして情報収集をしているのですが、4日ほど前から動いていない様子。かなり重宝している機能なので、このまま無くならないことを願うばかりです…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?