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ドイツ 人が主役のまちづくり 読書感想
「ドイツ 人が主役のまちづくりーボランティア大国を支える市民活動」松田雅央 学芸出版社(2007)
人口28万のカールスルーエ市に1200の市民協会があり、市民の4分の1が何らかの協会に参加。参加動機は、公共の役に立ちたい、人生を充実させたい、等々。
市民協会は法律でその制定運用条件が定められている。7人以上集まり、規約など揃え、財務報告もするらしい。一方で公的な支援も豊富。運営支援、PR支援、マッチング、情報提供などなど。ドイツも地方自治体はどこも財政難。環境整備やまちづくり、福祉、観光などで市と住民協会が協力関係にあるようだ。
おもしろかったのは、リンゴの果樹の並ぶ草原の保護運動。果樹栽培と牧畜を両立させる伝統的な農業の方法が作り出した人工的だがのどかな風景は住民の心のふるさとであり、また現在でもハイキングやサイクリングの人々の心を潤す。草原の果樹でとれたリンゴで作ったりんご酒は伝統的な飲み物だそうだ。
しかし、この風景がだんだんなくなってきているらしい。果樹栽培も大規模な企業に押され停滞気味。人工的に作られたこの風景は、多くの昆虫や小動物、野鳥を育む貴重なビオトープとなっているそうなのだが。
そこで果樹農家と市民協会が協力して、保護運動を展開しているとのこと。
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