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"ノリで決めた就職先"17年間―進路選択の迷いと続ける意味

高校卒業後の進路は就職一択だった
当然お金が無いからである

私が通っていた高校では就職組もそこそこ居た
『最低1回はどこかの会社見学に行けよ』
と先生に言われた

正直その当時の私は
自分がどんな仕事をしたいのかなんて
まったく分からなかった

進路についての方針を決める為に
自分がどんな事に興味を持っているか
またどんな事に向いているかが分かる
マークシートみたいなヤツをやった
それの結果を見て進路指導の先生が
アドバイスをくれるみたいだ

私のマークシートの結果は
『様々なことに興味があるようです』だった
具体的な事は何も分からなかった
先生のアドバイスも漠然としていて
方針が定まることは無かった
正直どこでも良かった

とりあえずどこかに見学に行くか
と友達と一緒に求人募集を眺めていた
そこで友達が適当に開いて言った
『ここで良くね?』
という一言で見学先を決めた
そう、完全にノリで決めたのである

見学は8月、暑い日だった
現地に9時集合
先生からは2万回くらい
『絶対に時間に遅れるなよ』と言われた
学校側のイメージが悪くなるからだ
そして全員揃ってから中に入るようにとの事

見学のメンバーは3人
自分とその友達、それと隣のクラスの
イグチ君というのが来るらしい
見たことはあるがしゃべったことは無い

8時40分に到着すぐあとに友達も到着
しかしイグチ君は来ない
そろそろ9時になる
中に入った方が良くないか?
と思ったその時
守衛所の人が出てきてこう言った
『1人はもう中で待ってるから入って』
私は友達と顔を見合わせて
『嘘だろ?揃ってからじゃないのかよ』
『勝手に1人で入ってんじゃん』と
テレパシーで会話をする

中に通され待合室に入ると
『え!?イグチ君じゃない!!』
そこに居たのは同じクラスのヤツだった
どうやら急遽見学メンバーに追加されたらしい
じゃあイグチ君は??この時すでに8時55分
5分間の沈黙、気まづい空気が流れる

結局間に合うわけもなくタイムアップ
それから30分後、担任と進路指導の先生
そしてイグチ君到着、重役出勤である
先生達は何やら必死で頭を下げている
どうやら近くの違う会社に行っていたらしい

当初の予定より30分遅れで見学が始まる
かなり省略して説明しているのが
聞いてて分かる、当然だ
案内する人にも予定というものがある
それが狂わされたのだから
取り戻すためには必死である
そんなこんなで見学も終わった

イグチ君の遅刻事件があり
学校側の印象は良くなかっただろうが
ノリで見学したんだからと
ノリで就職試験を受けることにした
なんてことは無い無事内定を貰った
試験の結果は散々だったはずだが
どうやら2次募集をかけていたようだ
採用人数に余裕があったのだろう

ちなみにイグチ君は他の会社を受けたが不採用
見学で遅刻した会社を2次募集で受けたが
結果は言うまでもなく不採用
その後彼がどうなったかは誰も知らない…

進路指導の先生は
『自分に合ったものをしっかりと見極め
会社を探しそこからは自分の努力次第で
入れるかどうか…』
と言うようなことを言っていた

しかし私はどうだ?
ノリで見学先を決めるところから始まり
そのままノリで就職にまで至った
そして今も変わらずその工場で働いている
今年で17年目になる

何が向いてるとかそんなのが分からなくても
続けていければそれはそれで良いのでは
ないだろうか?と私は思う

さて、今日も夜勤だ
仮眠をとる時間になったので
ここまでにする

読んでくれてどうもありがとう

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